18章 チルタリスゲット! オニドリルの願い
「フィー!!」
ミズカの背後でエーフィの叫び声が聞こえる。エーフィが身代わりになったのだ。咄嗟に飛び出したからか、当たりどころが悪く、エーフィは深く傷をつくってしまった。
振り向いて、ミズカは目を見開く。すぐさま、エーフィのところへ駆け寄った。
「エーフィ!!」
しゃがんで、すでに気を失っているエーフィの背を撫でる。自分の無力さを感じた。もっとしっかり考えていれば、最低なトレーナーが自分を攻撃しようとするくらいわかったはずだと悔いる。
そもそも前だってバトルにはならなかったではないか。
「フン、馬鹿だな。次は外さねぇぞ」
最低トレーナーはニッと不吉な笑みを浮かべた。しかし、オニドリルを見れば、少し動揺したように目を泳がせている。ミズカはふと思う。トレーナーの意志はわかるが、ここにポケモンの意志は含まれているのか、と。
「タケシ。エーフィをお願い」
ミズカはエーフィの傷を触らないように抱き上げてタケシにお願いした。タケシは頷き、すぐに治療を始める。
「どうした? ポケモンを出さないのか?」
馬鹿にしたように言う。エーフィのようになるなら、ポケモンは出さないだろうとわかっているのだろう。
「ピカチュウ、十万ボルトで……」
ミズカに戦意がないなら自分が、とサトシとピカチュウがオニドリルの前に立った。
「待って」
ミズカはピカチュウの攻撃を制した。そして、オニドリルの前に来る。確かめたいことがあった。攻撃して追い返せば、それで良いのかもしれない。
でも、それなら、このトレーナーのポケモンはどうなるのだろう?
もし、自分の意志とは違うことをやらされていたとしたら……。このままにしておくわけにしかない。
「来ればいいじゃん。知ってた? 今、オニドリル、動揺してるよ?」
その言葉に、最低トレーナーだけでなく、サトシ達も驚いた表情をする。
「何言ってんだ、てめぇ」
「エーフィにバトルでもなく、怪我を負わせるの嫌だったんどと思う」
ミズカは、暗い表情になる。そして、拳を握る。怖いが、こうしないと解決しない。エーフィが身体を張って守ってくれた。このままにするわけにいかない。
「なんだ、ただの馬鹿か」
「賭けてもいい。そこのオニドリルはもうあたしを攻撃できない!」
言い放つミズカの瞳は至極真っ直ぐだ。
「ミズカ、無茶はダメ!」
「そうだぜ! もしオニドリルが攻撃してきたら、ミズカは軽い怪我じゃすまさないぞ!」
「やめなよ!」
驚いたハルカもサトシもマサトも止めようとした。タケシも治療に専念しているため、口を出せなかったが、同じ気持ちだ。チルタリスも嘴でミズカの服を引っ張るが、ミズカは断じて動こうとしない。
「いいな、面白い。オニドリル、この女に本気でドリルくちばしだ!」
「オニー!」
空高く飛び上がり、それに勢いをつけてオニドリルはミズカに攻撃をしようとしてきた。ミズカは瞬きもせず、オニドリルを真っ直ぐ見つめていた。
ミズカの背後でエーフィの叫び声が聞こえる。エーフィが身代わりになったのだ。咄嗟に飛び出したからか、当たりどころが悪く、エーフィは深く傷をつくってしまった。
振り向いて、ミズカは目を見開く。すぐさま、エーフィのところへ駆け寄った。
「エーフィ!!」
しゃがんで、すでに気を失っているエーフィの背を撫でる。自分の無力さを感じた。もっとしっかり考えていれば、最低なトレーナーが自分を攻撃しようとするくらいわかったはずだと悔いる。
そもそも前だってバトルにはならなかったではないか。
「フン、馬鹿だな。次は外さねぇぞ」
最低トレーナーはニッと不吉な笑みを浮かべた。しかし、オニドリルを見れば、少し動揺したように目を泳がせている。ミズカはふと思う。トレーナーの意志はわかるが、ここにポケモンの意志は含まれているのか、と。
「タケシ。エーフィをお願い」
ミズカはエーフィの傷を触らないように抱き上げてタケシにお願いした。タケシは頷き、すぐに治療を始める。
「どうした? ポケモンを出さないのか?」
馬鹿にしたように言う。エーフィのようになるなら、ポケモンは出さないだろうとわかっているのだろう。
「ピカチュウ、十万ボルトで……」
ミズカに戦意がないなら自分が、とサトシとピカチュウがオニドリルの前に立った。
「待って」
ミズカはピカチュウの攻撃を制した。そして、オニドリルの前に来る。確かめたいことがあった。攻撃して追い返せば、それで良いのかもしれない。
でも、それなら、このトレーナーのポケモンはどうなるのだろう?
もし、自分の意志とは違うことをやらされていたとしたら……。このままにしておくわけにしかない。
「来ればいいじゃん。知ってた? 今、オニドリル、動揺してるよ?」
その言葉に、最低トレーナーだけでなく、サトシ達も驚いた表情をする。
「何言ってんだ、てめぇ」
「エーフィにバトルでもなく、怪我を負わせるの嫌だったんどと思う」
ミズカは、暗い表情になる。そして、拳を握る。怖いが、こうしないと解決しない。エーフィが身体を張って守ってくれた。このままにするわけにいかない。
「なんだ、ただの馬鹿か」
「賭けてもいい。そこのオニドリルはもうあたしを攻撃できない!」
言い放つミズカの瞳は至極真っ直ぐだ。
「ミズカ、無茶はダメ!」
「そうだぜ! もしオニドリルが攻撃してきたら、ミズカは軽い怪我じゃすまさないぞ!」
「やめなよ!」
驚いたハルカもサトシもマサトも止めようとした。タケシも治療に専念しているため、口を出せなかったが、同じ気持ちだ。チルタリスも嘴でミズカの服を引っ張るが、ミズカは断じて動こうとしない。
「いいな、面白い。オニドリル、この女に本気でドリルくちばしだ!」
「オニー!」
空高く飛び上がり、それに勢いをつけてオニドリルはミズカに攻撃をしようとしてきた。ミズカは瞬きもせず、オニドリルを真っ直ぐ見つめていた。