17章 泣き虫キルリア
「なんだよ?」
サトシは、ミズカが何かバトルの事でも言い出すのではないかと思った。
「あのね……」
聞きたい事を口にしようとした瞬間、そんな場合ではなくなった。ロケット団、ムサシ、コジロウ、ニャースに、ピカチュウどころか、エーフィまでも捕まってしまったのだ。
――うわ、すっかり油断してた……。てか、存在忘れてた。
かなり酷い事を思っているが、存在を忘れてても無理はない。彼女は今、アニメを見ていないのだから。
「ロケット団!?」
いつものごとく、サトシ達は声を揃えて叫んだ。ロケット団は、檻の中にピカチュウとエーフィを入れる。もちろん、帯電式になっているわけで、しかも、そこにエーフィがいては何も出来ない。
エーフィも、サイコキネシスでなんとかしようとするが、いつもより、彼らは頭が冴えているのか、電気以外の技でも効かなかった。どうやら、あの檻ごと、取り返すしかないらしい。
「にゃ~っはっは! ピカチュウに、久しぶりのジャリガールのエーフィまで捕まえたにゃ!」
ニャースが言う。
「……まだ、そんな事やってたの?」
呆れた表情でミズカは、ロケット団を指差す。その言葉で、ロケット団のいつもの口上を彼らは言おうとしたのだが、
「いつもの台詞はいいから! てか、エーフィとピカチュウ、返しなさいよ!」
と、ミズカが止めた。その言葉でタイミングを失ったロケット団は、いつもの登場台詞を言わずに終わった。
「返すわけないでしょ!」
ムサシが返事する。当然だろう、あっさり返したら、意味がない。
「じゃあ、バトルで勝負よ! キルリア! よろしく!!」
その言葉に、サトシ達はビックリする。まさか、ミズカが新たにポケモンをゲットしていたなんて思っていなかったからだ。
「ミズカ、キルリアゲットしてたの!?」
マサトが声を上げた。ミズカは、ニッと笑った。
「さっき捕まえたの」
なぜ、キルリアを出したかと言うと、ただ純粋にキルリアと一緒にバトルしたかったからである。しかし、さっき捕まえたばかりのキルリアで勝つことが出来るのか。久しぶりのロケット団とのバトルは幕を開けた。
「いけ~、ハブネーク!」
「ハブ!」
ムサシは、ハブネークを出した。その顔が怖いのか、キルリアは少し泣きそうな顔になってミズカを見た。
ミズカは、ニコッと笑った。
「平気だよ、キルリア! こいつらは、別に、怖くもなんともないから!」
と言った。その言葉にキルリアは安心したのか、前を向き直しバトルの体勢に入った。
「何よ! あんたがタダ単に馬鹿にしてるだけじゃない!」
「ロケット団は、泣く子も黙る悪の組織。怖いに決まってるだろ!」
「そうだにゃ。本気を出せば、お前にゃんか倒せるニャ!!」
今の、言葉が気に触ったのか、ムサシもコジロウもニャースも反論する。
「どこが……」
サトシ達は、呆れた表情で声を揃えて、ロケット団に言う。ロケット団は、とうとう怒り出した。
「こうなったら、おみゃーら! やるにゃ!!」
「言われなくても、わかってるって! 行け、サボネア!」
「サボサボ!」
サボネアは、コジロウに抱きつこうとした。実は、このサボネア、かなりコジロウの事が好きらしく毎回モンスターボールから出すとこうなるのだ。コジロウをなんとかそれをかわした。キルリアは怖くなり、一歩下がった。
サトシは、ミズカが何かバトルの事でも言い出すのではないかと思った。
「あのね……」
聞きたい事を口にしようとした瞬間、そんな場合ではなくなった。ロケット団、ムサシ、コジロウ、ニャースに、ピカチュウどころか、エーフィまでも捕まってしまったのだ。
――うわ、すっかり油断してた……。てか、存在忘れてた。
かなり酷い事を思っているが、存在を忘れてても無理はない。彼女は今、アニメを見ていないのだから。
「ロケット団!?」
いつものごとく、サトシ達は声を揃えて叫んだ。ロケット団は、檻の中にピカチュウとエーフィを入れる。もちろん、帯電式になっているわけで、しかも、そこにエーフィがいては何も出来ない。
エーフィも、サイコキネシスでなんとかしようとするが、いつもより、彼らは頭が冴えているのか、電気以外の技でも効かなかった。どうやら、あの檻ごと、取り返すしかないらしい。
「にゃ~っはっは! ピカチュウに、久しぶりのジャリガールのエーフィまで捕まえたにゃ!」
ニャースが言う。
「……まだ、そんな事やってたの?」
呆れた表情でミズカは、ロケット団を指差す。その言葉で、ロケット団のいつもの口上を彼らは言おうとしたのだが、
「いつもの台詞はいいから! てか、エーフィとピカチュウ、返しなさいよ!」
と、ミズカが止めた。その言葉でタイミングを失ったロケット団は、いつもの登場台詞を言わずに終わった。
「返すわけないでしょ!」
ムサシが返事する。当然だろう、あっさり返したら、意味がない。
「じゃあ、バトルで勝負よ! キルリア! よろしく!!」
その言葉に、サトシ達はビックリする。まさか、ミズカが新たにポケモンをゲットしていたなんて思っていなかったからだ。
「ミズカ、キルリアゲットしてたの!?」
マサトが声を上げた。ミズカは、ニッと笑った。
「さっき捕まえたの」
なぜ、キルリアを出したかと言うと、ただ純粋にキルリアと一緒にバトルしたかったからである。しかし、さっき捕まえたばかりのキルリアで勝つことが出来るのか。久しぶりのロケット団とのバトルは幕を開けた。
「いけ~、ハブネーク!」
「ハブ!」
ムサシは、ハブネークを出した。その顔が怖いのか、キルリアは少し泣きそうな顔になってミズカを見た。
ミズカは、ニコッと笑った。
「平気だよ、キルリア! こいつらは、別に、怖くもなんともないから!」
と言った。その言葉にキルリアは安心したのか、前を向き直しバトルの体勢に入った。
「何よ! あんたがタダ単に馬鹿にしてるだけじゃない!」
「ロケット団は、泣く子も黙る悪の組織。怖いに決まってるだろ!」
「そうだにゃ。本気を出せば、お前にゃんか倒せるニャ!!」
今の、言葉が気に触ったのか、ムサシもコジロウもニャースも反論する。
「どこが……」
サトシ達は、呆れた表情で声を揃えて、ロケット団に言う。ロケット団は、とうとう怒り出した。
「こうなったら、おみゃーら! やるにゃ!!」
「言われなくても、わかってるって! 行け、サボネア!」
「サボサボ!」
サボネアは、コジロウに抱きつこうとした。実は、このサボネア、かなりコジロウの事が好きらしく毎回モンスターボールから出すとこうなるのだ。コジロウをなんとかそれをかわした。キルリアは怖くなり、一歩下がった。