16章 仲間と夢と
「ありがとう」
「いえいえ!」
「まさか、あんたがこんな事言うと思わなかったわ……」
カスミが言うと、ミズカは笑った。
「まぁね! じゃ、戻ろうか!」
ミズカは城に戻り始める。カスミも後をついて行く。二人は城に入り、四人が待つ部屋の扉の前に来た。ミズカは扉を開けようとするが、その手を止めた。
「どうしたの?」
カスミはミズカの様子に気づいた。どこか暗くて、何かを恐れているような表情である。
「あたし、サトシ達に言う。後、まだカスミにも言ってない事があるからそれもね」
ドアノブをギュッと握るミズカは覚悟をした顔だった。
ミズカは今度いつこの世界に来られるかわからない。だから、このまま、サトシ達にもとの世界での事を黙ってるわけにはいかないと思ったのだ。カスミに相談したその日にミズカが考えていたことだった。
現実は変わらないのだ。もとの世界でも不安でいっぱいだ。だから、ミズカは、今回がカスミの来た日で良かったと思った。
今日は逃げない。いや、逃げちゃいけない。これは練習だ。もとの世界で友達にきちんと言うための練習なのだ。カスミやサトシ達にも言えなかったら、あっちの世界でも堂々としていられない。
だから、一番の仲間に、一番の友達に、ミズカは最初に伝えようと思った。ミズカは、深呼吸をして部屋の扉を開けた。カスミは驚きの表情でミズカを見る。彼女が何を言おうとしているのかはわかった。
しかし、まだ言ってない事、それがなんなのかはわからない。言われたとき、自分はミズカをフォローできるだろうか。自分とは違って、すっかり成長した彼女は、何を一番望んでいるのだろうか。
部屋に入ると、どこから入ったのか、ロケット団のムサシ、コジロウ、ニャースがいた。
「あれ? なんで、こいつらがいるの?」
ミズカは部屋に入って第一声に言ったのがこれだった。
「今回はありがとうを言いにきたのにゃ!」
「はぁ?」
カスミは聞き返す。わけがわからない。サトシ達も、わけがわからないと言った表情で肩を竦めていた。
「あの、ハンゾウやろう! 俺達をコケにしたんだ!」
コジロウは拳を作り顔の前までそれを突き上げながら言った。
「それは、自業自得じゃないの?」
ミズカはロケット団に言う。出来れば、早く消えて欲しい。自分の決心が揺らぐ前に。
「まぁそうなんだけどね! でも、手伝ってやったのに、もう用はないって酷くない? ……って、あんた久しぶりじゃない! 元気にしてた?」
ムサシはミズカがそんな事を考えてるとも知らずに、ミズカに手を振る。
「まあね」
ミズカは軽く答えた。ミズカはムサシと友達になった記憶はない。
「そんじゃ、それだけ言えたからいいにゃ!」
「さよならさ~ん!」
そう言って、ロケット団は消えて行った。
「いえいえ!」
「まさか、あんたがこんな事言うと思わなかったわ……」
カスミが言うと、ミズカは笑った。
「まぁね! じゃ、戻ろうか!」
ミズカは城に戻り始める。カスミも後をついて行く。二人は城に入り、四人が待つ部屋の扉の前に来た。ミズカは扉を開けようとするが、その手を止めた。
「どうしたの?」
カスミはミズカの様子に気づいた。どこか暗くて、何かを恐れているような表情である。
「あたし、サトシ達に言う。後、まだカスミにも言ってない事があるからそれもね」
ドアノブをギュッと握るミズカは覚悟をした顔だった。
ミズカは今度いつこの世界に来られるかわからない。だから、このまま、サトシ達にもとの世界での事を黙ってるわけにはいかないと思ったのだ。カスミに相談したその日にミズカが考えていたことだった。
現実は変わらないのだ。もとの世界でも不安でいっぱいだ。だから、ミズカは、今回がカスミの来た日で良かったと思った。
今日は逃げない。いや、逃げちゃいけない。これは練習だ。もとの世界で友達にきちんと言うための練習なのだ。カスミやサトシ達にも言えなかったら、あっちの世界でも堂々としていられない。
だから、一番の仲間に、一番の友達に、ミズカは最初に伝えようと思った。ミズカは、深呼吸をして部屋の扉を開けた。カスミは驚きの表情でミズカを見る。彼女が何を言おうとしているのかはわかった。
しかし、まだ言ってない事、それがなんなのかはわからない。言われたとき、自分はミズカをフォローできるだろうか。自分とは違って、すっかり成長した彼女は、何を一番望んでいるのだろうか。
部屋に入ると、どこから入ったのか、ロケット団のムサシ、コジロウ、ニャースがいた。
「あれ? なんで、こいつらがいるの?」
ミズカは部屋に入って第一声に言ったのがこれだった。
「今回はありがとうを言いにきたのにゃ!」
「はぁ?」
カスミは聞き返す。わけがわからない。サトシ達も、わけがわからないと言った表情で肩を竦めていた。
「あの、ハンゾウやろう! 俺達をコケにしたんだ!」
コジロウは拳を作り顔の前までそれを突き上げながら言った。
「それは、自業自得じゃないの?」
ミズカはロケット団に言う。出来れば、早く消えて欲しい。自分の決心が揺らぐ前に。
「まぁそうなんだけどね! でも、手伝ってやったのに、もう用はないって酷くない? ……って、あんた久しぶりじゃない! 元気にしてた?」
ムサシはミズカがそんな事を考えてるとも知らずに、ミズカに手を振る。
「まあね」
ミズカは軽く答えた。ミズカはムサシと友達になった記憶はない。
「そんじゃ、それだけ言えたからいいにゃ!」
「さよならさ~ん!」
そう言って、ロケット団は消えて行った。