16章 仲間と夢と
その頃……、
「だからですね! あたしはカスミ達と友達なんです!」
そのミズカは今、お城の外の扉の前にいた。よくわからないが、声を張り上げている。
「ダメです! 部外者は立ち入り禁止です!」
警備員がミズカを止める。
「お願いします! 入らせて下さい!」
ミズカが退くわけがなかった。先週は案の定、時空間が閉鎖されて行けなかった。
今回は行けないと思っていたのだが、来ることができた。サトシに、以前、行きたい場所を言えば、行かせてくれるのではないかと言われた。
だったら、アニメ中でも場所と時間を指定すれば行けるのではないかと考えた。こないだは無理だったが、今回はアニメ中に空白の時間が存在する。
それが、夜である。ミズカは一瞬だけと、トイレに入り、ドアを出した。時空間はうまく開いてくれて、今ここにいる。せっかく試行錯誤して親友のカスミに会いに来たのに引き返せるわけがない。
「ハンゾウの手下の可能性がある。ただの子供でも入れさせるわけにはいかないんです」
警備員もミズカを追い出そうとする。
ハンゾウとは、最低最悪の奴のこと。今回、カスミ達をこの国に連れてきた首謀者である。カスミ達は、大変な事件に巻き込まれた。王の主導権を、この国――ミラージュ王国の王女であるセーラ姫が持っていた。
ミラージュ王国は別名トゲピーの王国と呼ばれ、国の長はトゲピーを保有している必要があった。しかし、姫はトゲピーを持っておらず、それをいい事に、ハンゾウ(プラス、ロケット団の三人)はカスミのトゲピーを狙って、王になろうとしていたのである。
事件は無事に解決した。カスミのトゲピーが進化しトゲチックとなり、カスミ達と協力してこの国を助けたのである。そして、トゲチックはミラージュ王国にある、普通では入れない不思議なトゲピーの楽園という所で、トゲピー達を守るため、カスミのもとを離れた。
今回、ミズカが飛んできたのも、これが大きい。ずっと大切にしていたトゲピー……、いやトゲチックと別れなければならないなんて。
ミズカだって悲しかった。カスミは強がっているように見えたが、本当は心底悲しいはずだ。
「ちょっと勘弁して下さいよ! ハンゾウの手下って、あたし、そんな悪い奴じゃありません!」
ミズカは少し怒り口調になる。ミズカはこの事件に関わっていない。アニメで知ってるだけだったりした。
「とにかく、ダメなものはダメです!」
警備員はミズカを睨んだ。両者とも、引く気はない。
「どうしたのですか?」
後ろから声がした。この国の次期国王、セーラ姫である。
「姫は下がっていて下さい!」
警備員はセーラ姫に言う。
「どういうことですか?」
「あたし、カスミの友達なの! それで、中に入りたいんだけど……」
ミズカは警備員を見て言った。
「姫、この子供はハンゾウの手下かもしれないんです」
警備員はセーラ姫に訴えかける。
「だから違う!」
セーラ姫は困った表情で二人を交互に見る。
「どうしたんですか?」
そこへまた後ろから声がした。少年の声だ。ミズカには聞き覚えがある声……。ミズカはその声を聞きみるみる笑顔になる。
「サトシ!」
そう、サトシだった。
「だからですね! あたしはカスミ達と友達なんです!」
そのミズカは今、お城の外の扉の前にいた。よくわからないが、声を張り上げている。
「ダメです! 部外者は立ち入り禁止です!」
警備員がミズカを止める。
「お願いします! 入らせて下さい!」
ミズカが退くわけがなかった。先週は案の定、時空間が閉鎖されて行けなかった。
今回は行けないと思っていたのだが、来ることができた。サトシに、以前、行きたい場所を言えば、行かせてくれるのではないかと言われた。
だったら、アニメ中でも場所と時間を指定すれば行けるのではないかと考えた。こないだは無理だったが、今回はアニメ中に空白の時間が存在する。
それが、夜である。ミズカは一瞬だけと、トイレに入り、ドアを出した。時空間はうまく開いてくれて、今ここにいる。せっかく試行錯誤して親友のカスミに会いに来たのに引き返せるわけがない。
「ハンゾウの手下の可能性がある。ただの子供でも入れさせるわけにはいかないんです」
警備員もミズカを追い出そうとする。
ハンゾウとは、最低最悪の奴のこと。今回、カスミ達をこの国に連れてきた首謀者である。カスミ達は、大変な事件に巻き込まれた。王の主導権を、この国――ミラージュ王国の王女であるセーラ姫が持っていた。
ミラージュ王国は別名トゲピーの王国と呼ばれ、国の長はトゲピーを保有している必要があった。しかし、姫はトゲピーを持っておらず、それをいい事に、ハンゾウ(プラス、ロケット団の三人)はカスミのトゲピーを狙って、王になろうとしていたのである。
事件は無事に解決した。カスミのトゲピーが進化しトゲチックとなり、カスミ達と協力してこの国を助けたのである。そして、トゲチックはミラージュ王国にある、普通では入れない不思議なトゲピーの楽園という所で、トゲピー達を守るため、カスミのもとを離れた。
今回、ミズカが飛んできたのも、これが大きい。ずっと大切にしていたトゲピー……、いやトゲチックと別れなければならないなんて。
ミズカだって悲しかった。カスミは強がっているように見えたが、本当は心底悲しいはずだ。
「ちょっと勘弁して下さいよ! ハンゾウの手下って、あたし、そんな悪い奴じゃありません!」
ミズカは少し怒り口調になる。ミズカはこの事件に関わっていない。アニメで知ってるだけだったりした。
「とにかく、ダメなものはダメです!」
警備員はミズカを睨んだ。両者とも、引く気はない。
「どうしたのですか?」
後ろから声がした。この国の次期国王、セーラ姫である。
「姫は下がっていて下さい!」
警備員はセーラ姫に言う。
「どういうことですか?」
「あたし、カスミの友達なの! それで、中に入りたいんだけど……」
ミズカは警備員を見て言った。
「姫、この子供はハンゾウの手下かもしれないんです」
警備員はセーラ姫に訴えかける。
「だから違う!」
セーラ姫は困った表情で二人を交互に見る。
「どうしたんですか?」
そこへまた後ろから声がした。少年の声だ。ミズカには聞き覚えがある声……。ミズカはその声を聞きみるみる笑顔になる。
「サトシ!」
そう、サトシだった。