2章 ポケモン達を救え!?

「最近、友達になったミズカって言うんだ」
「初めまして。ミズカです!」
「おぉ! サトシ達と一緒じゃったか……」
「え?」

オーキドがまるでそうあって欲しくなかったような言葉を出すが、二人はそれほど気にならなかった。それよりも、ミズカを知っていることに驚いた

「博士……、ミズカの事知ってるんですか?」
「知ってるも何も、ミズカはわしが呼んだんじゃよ」
「えーっ!!」

オーキドがミズカを知ってる……。しかも、ミズカを呼んだ張本人だと言う。二人はさっきよりもビックリした。

気を取り直し、オーキドは咳払いをした。

「ミズカ、手紙は読んだかの?」
「はい、あれって博士が書いたんですか?」
「そうじゃ!」
「でも、なんでわざわざ名前を隠したんですか? Mr.Ⅹって……」

そう。別に名前を隠さなくても良いだろうというのが、ミズカの考えだった。名前を隠したということは、オーキドはミズカと会うつもりがなかったということになる。

だったら、どんな理由があるのだろうか。ミズカには、皆目見当もつかなかった。

「色々、大人の事情があるんじゃよ」
「そうですか……」
「オーキド博士はなんでミズカを呼んだんですか?」

サトシの質問にオーキドは少し反応する。ミズカをちらりと見るが、首を横に振った。

「今はまだ早い、いずれ教えるわい」
「まだ早いって、どういうことですか?」
「これも大人の事情じゃ!」
「そうですか……」

大人の事情を一点張りするオーキドは、名前を隠した理由も、ミズカを呼んだ理由も教えてくれそうにない。しかも、ミズカが納得しないうちに、話を変えてきた。

「ところでじゃな、手鏡の事なんじゃが……。手鏡の裏にボタンがあるんじゃが」
「はい、ありました」
「そのボタンを使うことだけ教えておこう。後は簡単じゃからな」
「はあ……」

あまりに適当なオーキドの説明にミズカは眉をひそめる。オーキドは気にせず、話を続けた。

「まあ、サトシ達といるなら問題ないじゃろう。サトシ、リーグ頑張るんじゃぞ」
「はい」
「じゃあ、切るぞ」
「それじゃあ、また連絡します!」
「おぉ、待っておるぞ!」

オーキドとの通話が切れた。ミズカは肩を竦める。

「結局、手鏡のボタンを押すことしか聞いてないね……」
「そうだな……。あ、ママにも電話しないと……。ミズカの事、紹介したいし」
「いいよ」

オーキドに電話しても、手紙の主がオーキドということしかわからなかった。

気を取り直して、サトシは家にも電話した。ママにも、ということは家にも全然連絡していないということだろう。コール音が何度か鳴ると、サトシの母――ハナコは出た。
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