15章 プラスルとマイナン!
完全に野宿決定の二人はお腹が空いていた。
「え~と……」
ミズカはリュックを漁る。
「あった~!」
「何が……?」
「食べ物!」
ミズカはリュックの中から缶詰二つとペットボトル二本を出した。ポケモンフーズもある。
「やっぱり。オーキド博士、入れといてくれたんだ! 道理で重いと思った」
「これで今日の夜は大丈夫だな!」
「うん!」
ミズカはまたお腹を鳴らした。
「あ……」
「もう食べようぜ」
「そうだね……。食べよう……」
ミズカとサトシは缶詰を開けた。プラスルとマイナンもポケモンフーズを食べる。
「そういえば、割りと遅めに来たよな」
ご飯を食べながら、サトシが口を開いた。
「ん?」
「いや、ミズカならハルカ達見たら、電光石火で来そうだからさ」
「ああ……。手鏡がホウエン行かせてくれなかった」
「手鏡が?」
「うん。サトシとカスミとタケシが別れたところに出たあと、どんなに手鏡使っても、自分がいた場所にしか出られなくて……」
「へぇ」
「そもそも今まで、サトシたちの近くに出てたことが不思議なんだけどね」
苦笑するミズカにサトシは首を傾げる。確かに、なぜミズカは、自分たちのところに出られていたのだろうか。当たり前になっていたから考えたことがなかったが、変な話だ。
「最近、ミズカってあまり手鏡に何か言う事なくなったよな」
「え?」
「いや、前は帰してくれって言わないと帰れなかったけど、今は何も言わずにドア出してるよなって」
「そういえば……。来るときも、あまり声に出すことなくなったかも」
「だから、もしかしたら、こっち来るときに、言えばいいんじゃないか? 行きたい場所」
サトシに言われて、ミズカは納得する。それはあるかもしれない、と。次回から試すことにした。
すっかり夜になった。凶暴なポケモンが出るかもと構えていたが、出ることはなかった。ミズカもサトシも何かあったらと起きているつもりだったが、そのうち寝てしまっていた。