「じゃ、探しに……、ってその必要ないみたいよ？」
「え？」
「そこそこ」

ミズカは指差す。見ると木が揺れている。そして、そこから、マサトとタケシが出てきた。

「いたた……、あちこち傷だらけだよ……」
「やっと道に出たな……」

マサトとタケシは、ピカチュウを探すのに、道なき道を行っていたらしい。途中で道を見失い、やっと出られたようだ。

「ホントだ……」
「ミズカ、よくわかったかも！」
「まあね！」

サトシとハルカは、ミズカの観察力に感心する。そして、ハルカはマサトを呼んだ。二人はやっとこっちに気づく。

「お久しぶり。タケシ！」
「ミズカ、合流してのか」
「え？　この人がミズカ……？」

ミズカとタケシが再会を喜ぶ。マサトが黒髪にカチューシャの少女をまじまじと見つめた。

「あたしミズカ。マサト、よろしくね！」
「こちらこそ、よろしく！　……ところでさ～」
「あたしがどこ出身なのか聞きたいんでしょ？　サトシとハルカから聞いた！」
「本当に別の世界に住んでるの？」
「うん、そうだよ！　あたしの世界にはポケモンがいないの！」
「へぇ～、嘘っぽい！」

ミズカの説明に、マサトは信じてくれるかと思ったが、違った。ミズカ達はこけた。

「いい加減信じたっていいだろう！」
「なかなか手強いわね……」

サトシは嘘つき呼ばわりが嫌らしい。ミズカは苦笑する。

「嘘なんでしょ？」
「嘘じゃないよ……。まあ、それならあたしが帰るときを見ればわかってもらえるかな？」
「わかった！　嘘ついたらピカチュウの十万ボルト浴びてよ！」
「わかったわかった！」

ミズカは余裕な表情を見せながら、頷いた。

「さ、行こ！」

なんとか再会を果たしたミズカ達、カナズミシティを目指し歩き始めたのだった。