14章 ホウエンの地、サトシ達を探せ
一方、サトシとハルカの耳には、ピカチュウが十万ボルトを放つ声が聞こえていた。
「今のピカチュウの十万ボルトだ……」
「サトシ、行くわよ!」
「あぁ!」
二人はピカチュウに何かあったのかもしれないと、すぐさま声のする方へ走った。そして、やっとピカチュウを見つけた。サトシは完全にピカチュウを探す目線――つまり、地面を見て探してたいため、ミズカには気づいていない。
「ピカチュウ!」
「ピカピ!」
ピカチュウはサトシの胸に飛び込んだ。
「ピカチュウ! 大丈夫だったか!」
「ピッカ!」
「ほらサトシ、先に……」
ハルカはサトシに、通りすがりの人にお礼をしよう、と言おうとした。サトシもハルカが言い終わる前に気づく。
「あ! そうだった……。ピカチュウを助けてもらって――」
ありがとうをいうより先に、サトシは顔を上げる。そして、やっと黒髪のカチューシャ姿を捉えた。
「……って、ミズカじゃないか!」
「何、その言い方。せっかくピカチュウを助けてあげたのに!」
「悪い悪い……。ミズカが一緒にいてくれてよかったぜ。サンキュー」
サトシは苦笑しながらミズカにお礼を言った。ミズカは気を取り直して、ハルカを見た。
「えっと、あなたがハルカね。あたしはミズカ! 出身は……簡単に言うと別の世界! よろしく!」
ミズカは軽く、自己紹介した。ハルカは目をパチクリさせる。別の世界が出身。それに、先程アニメでやっていると言っていた。だから、自分のことを知っているのだと理解する。
「すごいかも! サトシとタケシが言ってたこと本当だったのね!」
ハルカは興奮する。ようやくミズカが違う世界の人間だと信じた。
「だから、そうだって……!」
「何が……?」
サトシがやっとホッとする。ミズカは話についていけず、首を傾げた。サトシは一連の説明をする。
「で、ようするに、あたしがこの世界の人間じゃないことを信じなかったってこと? ……まぁ、たしかに、信じないのが普通だよね。サトシ達に最初会った時はすぐに信じてもらっちゃってびっくりしたもん……」
ミズカは苦笑する。たしかに、ミズカがこの世界に来た最初、サトシ達はすぐに信じてくれた。普通じゃありえないだろう。
「ホントにあたし達の事アニメでやってるの?」
「やってなきゃ、今頃、ピカチュウはロケット団に連れ去られてる……。どこにいるかわからないし……」
「確かにな! ところでカスミとは連絡とったのか?」
「船の中でね。暇だから電話してた。カスミ大変らしいよ」
「そうか……」
「あ、そうそう。サトシのママさんからの伝言」
ミズカはサトシの母、ハナコからの伝言を思い出した。
「ママに会ったのか?」
「ちょうど、オーキド研究所行ったときにいた」
「それでなんだって?」
「たまには電話しなさい……! だって!」
「別に真似までしなくていいんじゃないか?」
ミズカのハナコの真似が妙に似ていて、サトシが顔をしかめながらツッコミを入れた。
「ちょっと、サトシ! それよりマサトとタケシ、探したほうがいいかも!」
マイペースに会話するミズカとサトシに痺れを切らせ、ハルカに言う。サトシは苦笑した。ミズカはやっとタケシとマサトが別行動していたことに気づく。
「今のピカチュウの十万ボルトだ……」
「サトシ、行くわよ!」
「あぁ!」
二人はピカチュウに何かあったのかもしれないと、すぐさま声のする方へ走った。そして、やっとピカチュウを見つけた。サトシは完全にピカチュウを探す目線――つまり、地面を見て探してたいため、ミズカには気づいていない。
「ピカチュウ!」
「ピカピ!」
ピカチュウはサトシの胸に飛び込んだ。
「ピカチュウ! 大丈夫だったか!」
「ピッカ!」
「ほらサトシ、先に……」
ハルカはサトシに、通りすがりの人にお礼をしよう、と言おうとした。サトシもハルカが言い終わる前に気づく。
「あ! そうだった……。ピカチュウを助けてもらって――」
ありがとうをいうより先に、サトシは顔を上げる。そして、やっと黒髪のカチューシャ姿を捉えた。
「……って、ミズカじゃないか!」
「何、その言い方。せっかくピカチュウを助けてあげたのに!」
「悪い悪い……。ミズカが一緒にいてくれてよかったぜ。サンキュー」
サトシは苦笑しながらミズカにお礼を言った。ミズカは気を取り直して、ハルカを見た。
「えっと、あなたがハルカね。あたしはミズカ! 出身は……簡単に言うと別の世界! よろしく!」
ミズカは軽く、自己紹介した。ハルカは目をパチクリさせる。別の世界が出身。それに、先程アニメでやっていると言っていた。だから、自分のことを知っているのだと理解する。
「すごいかも! サトシとタケシが言ってたこと本当だったのね!」
ハルカは興奮する。ようやくミズカが違う世界の人間だと信じた。
「だから、そうだって……!」
「何が……?」
サトシがやっとホッとする。ミズカは話についていけず、首を傾げた。サトシは一連の説明をする。
「で、ようするに、あたしがこの世界の人間じゃないことを信じなかったってこと? ……まぁ、たしかに、信じないのが普通だよね。サトシ達に最初会った時はすぐに信じてもらっちゃってびっくりしたもん……」
ミズカは苦笑する。たしかに、ミズカがこの世界に来た最初、サトシ達はすぐに信じてくれた。普通じゃありえないだろう。
「ホントにあたし達の事アニメでやってるの?」
「やってなきゃ、今頃、ピカチュウはロケット団に連れ去られてる……。どこにいるかわからないし……」
「確かにな! ところでカスミとは連絡とったのか?」
「船の中でね。暇だから電話してた。カスミ大変らしいよ」
「そうか……」
「あ、そうそう。サトシのママさんからの伝言」
ミズカはサトシの母、ハナコからの伝言を思い出した。
「ママに会ったのか?」
「ちょうど、オーキド研究所行ったときにいた」
「それでなんだって?」
「たまには電話しなさい……! だって!」
「別に真似までしなくていいんじゃないか?」
ミズカのハナコの真似が妙に似ていて、サトシが顔をしかめながらツッコミを入れた。
「ちょっと、サトシ! それよりマサトとタケシ、探したほうがいいかも!」
マイペースに会話するミズカとサトシに痺れを切らせ、ハルカに言う。サトシは苦笑した。ミズカはやっとタケシとマサトが別行動していたことに気づく。