2章 ポケモン達を救え!?

「ごちそうさま!」
「早いわよ、二人とも……」

カスミが呆れる。カスミはまだ半分しか食べてなかった。大好物でゆっくり食べたいという気持ちがあったからである。

「カスミが遅い」
「大好物な物はゆっくり食べたいでしょ?」
「まあ、それもあるかもね」

カスミの言い分にミズカは頷く。それに、それは美味しいという何よりの証拠だ。ミズカは口角を上げた。


タケシの言ったとおり夕方には、ポケモンセンターについた。初めて入るポケモンセンターに、ミズカはキョロキョロと辺りを見回す。

正面に受付がある。ミズカがアニメで見慣れたピンク色の髪の毛を持つナースが笑顔で立っている。

「ジョーイさん! 自分はタケシと申します!一緒にお茶でも……」

タケシは、そのナース――ジョーイを見るなり、アタックした。

ジョーイはどこのポケモンセンターにもいる。しかも、いつも同じ顔に同じピンク色の髪だ。もちろん、一人が瞬間移動しているわけではない。姉妹だったり、従姉妹だったり、親戚だったりするらしい。端から見たら、双子にしか見えない。

「はいはい、一人でお茶飲もうね~」

カスミはタケシの耳を引っ張った。

――本当にいつも、ああなんだ……。

ミズカはそれを見て苦笑した。
タケシは、いつも穏やかで頼りになる人物だが、お姉さんに弱いという弱点がある。綺麗なお姉さんを見る度に、ああやってナンパをするのだ。

それに心底呆れて頭を抱えているのが、カスミだった。確かに、ナンパなんて目の前で見たいものではない。だからか、カスミはタケシの耳を引っ張って止めに入っている。

「ジョーイさん、俺のポケモンお願いします!!」

サトシは鈍感なのか、慣れてるのか。気にせず自分のポケモンを預けた。正気になったタケシに、それからカスミもポケモンを預ける。

「ミズカは預けないのか?」

サトシは、ミズカがイーブイのボールを預けないことに首を傾げる。ミズカは頷いた。決して忘れていたわけではなく、最初からそのつもりだったらしい。

というのも、出会ってからここまでバトルはまったくしておらず、ミズカはイーブイと一緒にいたいという気持ちがあった。

「うん。一緒にいたいんだよね。イーブイも大丈夫だと思うし」
「そっか。そうだ、オーキド博士に電話しようぜ!!」
「あ、うん!」

サトシはミズカの言い分に納得すると、ハッとオーキドを思い出した。ミズカがもとの世界に帰るきっかけになれば……。そう思って声をかけると、ミズカも頷いた。

「お久しぶりです! オーキド博士!」
「おぉ、サトシ!! 元気じゃったかの?」

オーキドに、サトシはずいぶん連絡をしていなかったらしい。ミズカはサトシらしいな、と思いつつ、会話を見守った。

「はい!」
「そうか。そうか元気が一番じゃ。 ……? そこにおるのは……?」

オーキドは、ふと、ミズカを見た。怪訝に見られて、ミズカは首を傾げる。
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