14章 ホウエンの地、サトシ達を探せ

「あれ~? ここら辺にサトシ達いるはずなんだけどな……。さてはまた迷った!?」

ミズカの言葉にエーフィは呆れた顔をした。サトシたちと合流するつもりが思ったよりも時間がかかっている。

ミズカは地図を確認した。アニメで観たときに、この森は記憶にある。何度も、何度も今来た道を確認する。別に迷ったわけではないらしい。サトシたちがまだまだ先にいるだけなのを確認し、ミズカは前へ進んだ。

先に進むと、何かが倒れているのに気づいた。黄色いポケモンみたいだ。ミズカとエーフィは、顔を見合わせるとポケモンのところへ駆け寄る。なんと、それはピカチュウだった。気を失っている。

「ピカチュウ! なんでこんなところに……」

ミズカはピカチュウを抱き上げる。ピカチュウは気がついたらしく、目をぱっちり開ける。そして、ミズカの姿を捉えた。

「ピピカ!」

ピカチュウは驚いた顔をするが、すぐに安心した顔を見せた。

「だいぶ傷だらけだけど大丈夫?」

ミズカは聞く。ミズカは全く事情がわかっていないが、ピカチュウの体は、気球から落ちたせいで傷だらけになっていた。

「ピカ……!」

ピカチュウは頷いた。

「サトシ達は?」
「ピカ……」

ピカチュウは俯いた。すぐにミズカはサトシ達とは、はぐれたのだとわかる。だとすれば、考えられる原因は一つしかない。

「そっか。はぐれたんだ……。ロケット団のせい?」
「ピカ!」

ピカチュウは、ムッとした表情で深く頷いた。

「やっぱり、それじゃあ、のんきにしてる場合じゃないね。エーフィ。急ぐよ!」
「フィー」

ミズカはピカチュウを抱きしめ、エーフィと一緒に走ってサトシ達を探しに行くことにした。サトシも相当心配をしているはずだ。早く会わせてあげたい。

そんなわけで、サトシ達を探すが、なかなか見つからないでいた。エーフィに匂いを追ってもらっているが、向こうもピカチュウを探すのに動いているのだろう。全然見つからない。

そして、先に見つかったのはロケット団だった。ロケット団は、ミズカと一緒にいるピカチュウを狙おうと前に立ち塞がる。

「ジャリガール! ピカチュウをさっさと渡しなさいよ!」
「無理!」

ムサシの言葉に、ミズカはもちろん否定する。

「エーフィ、お願い!」
「フィ!」

ミズカはバトルに持ち込むことにした。
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