13章 さようなら。また会う日まで!
カスミと別れを告げ、ミズカはマサラタウンへ向かっていたのだが、
「ねぇ、エーフィ……。チコリータ……。ここどこだろう?」
道に迷っていた。なんせ、いつもは近くにサトシたちがいた。道のど真ん中で、ポケモンと自分だけは初めてだ。しかもリュックを見れば地図も入っていない。
マサラタウンに向っているとは思うのだが、本当に正しいのかわからなかった。
「あ~、なんか、サトシ達がいたありがたみが……」
エーフィとチコリータはこの頼りないトレーナーに呆れた顔を見せる。ミズカはそれを見て苦笑した。
「どうしよう……」
とりあえず、道標もなく歩き続ける。一度、もとの世界へ戻って、ポケモン世界に来たが、マサラタウンには行かせてもらえない。それどころかサトシやピカチュウの近くでもなかった。自分が歩んだ道の続きだ。
しかし、よく考えてみれば、今までのほうが変だ。ミズカは、そもそも最初からサトシ達のいる付近に勝手に飛ばされていた。
なんでなのかを考えても、オーキドがそうしたからという理由しか出てこない。いや、しかし、だったら今の状況はなんなのか。とにかく、前回の続きを行かなければならないということは、自力でマサラタウンに行くしかない。
手鏡は思っていたより、気まぐれなのかもしれない。
――今日はここらへんにしとこう……。
ミズカは、エーフィとチコリータをボールに戻した。そして、リュックの中にはオーキド宛に、『地図をください』とお願いのメモを残して、もとの世界に帰っていった。
翌週、サトシがホウエン地方に到着したのをアニメで観た。ミズカはサトシと合流すべく、変わらずマサラタウンを目指す。リュックの中には、オーキドが地図を入れていてくれた。それを頼りに、道行く人に道を聞き、やっと自分がどの辺を歩いているのか理解できた。
「うわぁ……! ここが……!」
2日くらい掛けて、ようやくマサラタウンに着いた。ミズカは町の人にオーキド研究所の場所を聞き、オーキドを訪ねた。
インターホンを鳴らすと、出てきたのはケンジである。ケンジはサトシがオレンジ諸島で旅をしていたときに一緒に旅をしていた仲間だ。
「あ! 君は!」
「どうも! オーキド博士は?」
「いるよ。博士~!」
ケンジがオーキドを呼ぶ。ミズカとケンジは何度かサトシとオーキドの通話で会っており、そこで紹介は済んでいる。
ケンジが呼ぶと、オーキドが部屋から出てきた。
「お~、よく来たのう!」
「だいぶ、迷いましたけどね……」
ミズカは苦笑した。とりあえず着いてよかったとミズカは思う。オーキドに客室へ案内された。そこにはサトシの母親がいた。
「あら、ミズカちゃんじゃない!」
「こんにちは!」
ミズカはお辞儀する。サトシの母、ハナコは遊びに来ていたらしい。ケンジからお茶をもらい、一息ついたところでオーキドが口を開いた。
「早速じゃがお前さんは、サトシが行ったホウエン地方に行くつもりかのう?」
「はい!」
オーキドの質問にミズカは頷いた。そのためにここに来た。ホウエン地方の行き方なんてミズカは知らない。
オーキドは立ち上がると、棚にあった引き出しを開く。ミズカは首を傾げる。今立ち上がったときのオーキドの顔は少し複雑そうに感じた。
「ねぇ、エーフィ……。チコリータ……。ここどこだろう?」
道に迷っていた。なんせ、いつもは近くにサトシたちがいた。道のど真ん中で、ポケモンと自分だけは初めてだ。しかもリュックを見れば地図も入っていない。
マサラタウンに向っているとは思うのだが、本当に正しいのかわからなかった。
「あ~、なんか、サトシ達がいたありがたみが……」
エーフィとチコリータはこの頼りないトレーナーに呆れた顔を見せる。ミズカはそれを見て苦笑した。
「どうしよう……」
とりあえず、道標もなく歩き続ける。一度、もとの世界へ戻って、ポケモン世界に来たが、マサラタウンには行かせてもらえない。それどころかサトシやピカチュウの近くでもなかった。自分が歩んだ道の続きだ。
しかし、よく考えてみれば、今までのほうが変だ。ミズカは、そもそも最初からサトシ達のいる付近に勝手に飛ばされていた。
なんでなのかを考えても、オーキドがそうしたからという理由しか出てこない。いや、しかし、だったら今の状況はなんなのか。とにかく、前回の続きを行かなければならないということは、自力でマサラタウンに行くしかない。
手鏡は思っていたより、気まぐれなのかもしれない。
――今日はここらへんにしとこう……。
ミズカは、エーフィとチコリータをボールに戻した。そして、リュックの中にはオーキド宛に、『地図をください』とお願いのメモを残して、もとの世界に帰っていった。
翌週、サトシがホウエン地方に到着したのをアニメで観た。ミズカはサトシと合流すべく、変わらずマサラタウンを目指す。リュックの中には、オーキドが地図を入れていてくれた。それを頼りに、道行く人に道を聞き、やっと自分がどの辺を歩いているのか理解できた。
「うわぁ……! ここが……!」
2日くらい掛けて、ようやくマサラタウンに着いた。ミズカは町の人にオーキド研究所の場所を聞き、オーキドを訪ねた。
インターホンを鳴らすと、出てきたのはケンジである。ケンジはサトシがオレンジ諸島で旅をしていたときに一緒に旅をしていた仲間だ。
「あ! 君は!」
「どうも! オーキド博士は?」
「いるよ。博士~!」
ケンジがオーキドを呼ぶ。ミズカとケンジは何度かサトシとオーキドの通話で会っており、そこで紹介は済んでいる。
ケンジが呼ぶと、オーキドが部屋から出てきた。
「お~、よく来たのう!」
「だいぶ、迷いましたけどね……」
ミズカは苦笑した。とりあえず着いてよかったとミズカは思う。オーキドに客室へ案内された。そこにはサトシの母親がいた。
「あら、ミズカちゃんじゃない!」
「こんにちは!」
ミズカはお辞儀する。サトシの母、ハナコは遊びに来ていたらしい。ケンジからお茶をもらい、一息ついたところでオーキドが口を開いた。
「早速じゃがお前さんは、サトシが行ったホウエン地方に行くつもりかのう?」
「はい!」
オーキドの質問にミズカは頷いた。そのためにここに来た。ホウエン地方の行き方なんてミズカは知らない。
オーキドは立ち上がると、棚にあった引き出しを開く。ミズカは首を傾げる。今立ち上がったときのオーキドの顔は少し複雑そうに感じた。