13章 さようなら。また会う日まで!
「いえいえ、お譲ちゃん大切な友達が見つかって良かったね!」
「はい! 本当にありがとうございました!」
「それじゃ、気をつけてね」
そういって、トラックの運転手はミズカを置いて去っていった。カスミは自分の目を疑いながらも自転車を降りた。
「はぁい! カスミ!」
ミズカは呑気に声をかける。
「なんであんた、こんな所にいるのよ!」
自分は割りと自転車を漕いできた。ハナダシティで出会すならまだしも、ここまで追いかけてくるとは思っていなかった。
「なんかカスミとお別れみたいだったから、もとの世界から、こっちに来たの。出てきたのが三人が別れた道だったから、エーフィにお願いして、匂いを辿っていたんだけど、トラックのおじさんが声をかけてくれて。それで、頼んじゃった」
ミズカは頭を掻きながら言った。結構、こういうのは苦手だった。だから照れてしまったのである。
「そうじゃなくて! なんで会いに来たのよ!」
カスミは嬉しいんだか、何なんだか、よくわからなかった。
「だって、散々迷惑かけたのに挨拶しないなんて嫌なんだもん……。それに約束もしてないしね!」
「約束……?」
カスミが聞き返す。なにか約束することがあったのだろうか。約束なんてミズカとした記憶はない。首を傾げると、ミズカは話し始めた。
「あたし……、これからホウエン地方に行こうと思う。多分、サトシもそうだと思う。それで、もしカスミがホウエン地方に来たら、どんなに忙しくても絶対にカスミに会いに行く!」
「それが約束?」
「うん!」
カスミは目をパチクリさせる。段々とミズカの言っていることが理解できてきた。自転車から手を放すわけにいかないが、ミズカに抱きつきたい思いだった。
「ミズカらしいわね!」
「でしょ!」
二人は笑い合う。カスミのその言葉だけで、十分喜んでもらえているのがわかる。
「そういえば、タケシには会いに行かないわけ?」
「カスミの前に。タケシは歩きだったから、すぐ会えた」
「そう」
「タケシは家に帰るだけでしょ? 用事済んだら、サトシ追いかけるかもだって」
「結局、追いかけていくわけね。タケシは……」
呆れるカスミは、少しミズカとタケシが羨ましくなった。自分はしばらく留守番。しかも、あの姉たちのことだ。自分が帰れば、そのままジムリーダーを押し付けて来るだろう。
姉のことは自分がよくわかっている。
「それじゃ、あたしは早くハナダに戻らないと……」
カスミは再び自転車にまたいだ。
「うん、また会う日まで。お互い、頑張ろうね」
「えぇ。まあ、気が向いたらハナダに電話してよ」
ミズカが頷くと、カスミはゆっくり自転車を漕ぎ始めた。ミズカはそれが見えなくなるまで、見送っていたのだった。
「はい! 本当にありがとうございました!」
「それじゃ、気をつけてね」
そういって、トラックの運転手はミズカを置いて去っていった。カスミは自分の目を疑いながらも自転車を降りた。
「はぁい! カスミ!」
ミズカは呑気に声をかける。
「なんであんた、こんな所にいるのよ!」
自分は割りと自転車を漕いできた。ハナダシティで出会すならまだしも、ここまで追いかけてくるとは思っていなかった。
「なんかカスミとお別れみたいだったから、もとの世界から、こっちに来たの。出てきたのが三人が別れた道だったから、エーフィにお願いして、匂いを辿っていたんだけど、トラックのおじさんが声をかけてくれて。それで、頼んじゃった」
ミズカは頭を掻きながら言った。結構、こういうのは苦手だった。だから照れてしまったのである。
「そうじゃなくて! なんで会いに来たのよ!」
カスミは嬉しいんだか、何なんだか、よくわからなかった。
「だって、散々迷惑かけたのに挨拶しないなんて嫌なんだもん……。それに約束もしてないしね!」
「約束……?」
カスミが聞き返す。なにか約束することがあったのだろうか。約束なんてミズカとした記憶はない。首を傾げると、ミズカは話し始めた。
「あたし……、これからホウエン地方に行こうと思う。多分、サトシもそうだと思う。それで、もしカスミがホウエン地方に来たら、どんなに忙しくても絶対にカスミに会いに行く!」
「それが約束?」
「うん!」
カスミは目をパチクリさせる。段々とミズカの言っていることが理解できてきた。自転車から手を放すわけにいかないが、ミズカに抱きつきたい思いだった。
「ミズカらしいわね!」
「でしょ!」
二人は笑い合う。カスミのその言葉だけで、十分喜んでもらえているのがわかる。
「そういえば、タケシには会いに行かないわけ?」
「カスミの前に。タケシは歩きだったから、すぐ会えた」
「そう」
「タケシは家に帰るだけでしょ? 用事済んだら、サトシ追いかけるかもだって」
「結局、追いかけていくわけね。タケシは……」
呆れるカスミは、少しミズカとタケシが羨ましくなった。自分はしばらく留守番。しかも、あの姉たちのことだ。自分が帰れば、そのままジムリーダーを押し付けて来るだろう。
姉のことは自分がよくわかっている。
「それじゃ、あたしは早くハナダに戻らないと……」
カスミは再び自転車にまたいだ。
「うん、また会う日まで。お互い、頑張ろうね」
「えぇ。まあ、気が向いたらハナダに電話してよ」
ミズカが頷くと、カスミはゆっくり自転車を漕ぎ始めた。ミズカはそれが見えなくなるまで、見送っていたのだった。