12章 エーフィvsピカチュウ
お互いの気持ちを知った今、ミズカは言うべきか迷った。が、もし仮に言って、二人の関係が変に拗れてしまったら、嫌だと思う。タケシが突っ込まないのだ。これはきっと触れないほうがいい。
「どうしたんだよ?」
「とにかく戻るんなら、あたしも行く」
そう言って、ミズカは食器を持って立ち上がった。
「なんか言ってることがおかしくないか?」
サトシが顔をしかめる。
「気のせい。さ、戻ろうよ」
ミズカは、カチャカチャ食器に音を立てながら、勝手に歩いていく。誤魔化し方がわからない。
「おい、待てよ!」
サトシはそんなミズカの背中を追いかける。そんなサトシは首を傾げた。カスミへの気持ちはわかった。他の女の子とは友達だと言うこともわかった。
――じゃあ、ミズカは?
ミズカだって友達だ。一緒にいて楽しい友達。でも、兄弟のような友達。そんな兄弟みたいな感覚になった友人はサトシにはミズカしかいない。
不意に「お兄ちゃん」と呼ばれる声が聞こえた気がした。後ろを振り向くが誰もいない。
こないだ見た夢のせいだろうかと、サトシは思う。
小さい女の子と一緒に、ナゾノクサやイーブイと遊ぶ夢を見た。そこには確かにシゲルもいたのだが、女の子の顔は思い出せない。でも、少しミズカに似ていた気もする。黒髪の女の子で、好奇心旺盛で。その女の子に対しての気持ちをサトシは全く思い出せない。決して、楽しそうな夢ではなかった記憶はある。
サトシは考えることを放棄した。あの夢がなんだったかは考えても仕方がない。考えたくなかった。
「ミズカ!」
「何……?」
食器を運ぶミズカを見て、唐突にバトルをしたくなった。
「バトルしようぜ!」
「いいよ! 戻ったらすぐね!」
ミズカはその話に乗った。口角を上げて、とても嬉しそうだ。
「リーグ前だから負けないぜ!」
「あたしだって!」
ミズカとサトシはバトルをする事にした。
「どうしたんだよ?」
「とにかく戻るんなら、あたしも行く」
そう言って、ミズカは食器を持って立ち上がった。
「なんか言ってることがおかしくないか?」
サトシが顔をしかめる。
「気のせい。さ、戻ろうよ」
ミズカは、カチャカチャ食器に音を立てながら、勝手に歩いていく。誤魔化し方がわからない。
「おい、待てよ!」
サトシはそんなミズカの背中を追いかける。そんなサトシは首を傾げた。カスミへの気持ちはわかった。他の女の子とは友達だと言うこともわかった。
――じゃあ、ミズカは?
ミズカだって友達だ。一緒にいて楽しい友達。でも、兄弟のような友達。そんな兄弟みたいな感覚になった友人はサトシにはミズカしかいない。
不意に「お兄ちゃん」と呼ばれる声が聞こえた気がした。後ろを振り向くが誰もいない。
こないだ見た夢のせいだろうかと、サトシは思う。
小さい女の子と一緒に、ナゾノクサやイーブイと遊ぶ夢を見た。そこには確かにシゲルもいたのだが、女の子の顔は思い出せない。でも、少しミズカに似ていた気もする。黒髪の女の子で、好奇心旺盛で。その女の子に対しての気持ちをサトシは全く思い出せない。決して、楽しそうな夢ではなかった記憶はある。
サトシは考えることを放棄した。あの夢がなんだったかは考えても仕方がない。考えたくなかった。
「ミズカ!」
「何……?」
食器を運ぶミズカを見て、唐突にバトルをしたくなった。
「バトルしようぜ!」
「いいよ! 戻ったらすぐね!」
ミズカはその話に乗った。口角を上げて、とても嬉しそうだ。
「リーグ前だから負けないぜ!」
「あたしだって!」
ミズカとサトシはバトルをする事にした。