12章 エーフィvsピカチュウ
「あんた、好きな人とかいないの?」
昼食中、唐突にカスミがミズカに聞いた。ミズカはタケシ特性のホワイトシチューを口に入れながら、首を傾げる。
「好きな人? どういう意味の?」
「恋よ!」
カスミはそんなこともわからないのかとミズカに言いたくなかった。ということは、シゲルのことはどうでも良くなったのだろうか、と思う。
最近はシゲルのことを話さなくなった。カスミはミズカがシゲルを好きなのではないかと思っていたのだが、だったら、ここまで話題に出ないだろうかとも思う。
だから、聞いてみたのだ。
「残念ながら、いないよ」
「いないの?」
聞いてみるとミズカはキョトンとする。
「もとの世界とかは?」
そういえば、ミズカのコミュニティはここだけではない。もとの世界もあるではないかと、カスミは思った。
「いや、まったく」
「仲良い男の子とかは?」
「いるけど、サトシみたいな感じだよ?」
肩を竦めるミズカ。なるほど、この抽象的な話では、ミズカは話が掴めないのかもしれない。もとの世界にはいないなら、シゲルは? とは、流石にカスミは聞けなかった。
「やっぱ、お子ちゃまねぇ」
「うるさいな。いないんだからしょうがないでしょ」
大人ぶるカスミにミズカは口を尖らせる。カスミがここで話を終わらせようとすると、
「なぁ」
と、サトシが話に入ってきた。サトシはシチューを頬張ることをやめて、二人の話を聞いていたようだ。すっかりスプーンが置いてある。
「なに?」
怪訝になってカスミが聞く。
「恋って、好きになるってことだよな?」
サトシの質問に三人の動きは一瞬止まった。ミズカはサトシに熱があるんじゃないかと思う。恋愛話なんて、彼には似合わない。口を開けば、いつもポケモンのことしか話さない。なのに、まさかサトシの口からそんな言葉が出るとは……。
「あ~ら、お子ちゃまのサトシにしてはよくわかってるじゃない!」
カスミは少し感心したように言った。サトシは目をパチクリさせると、三人に質問をぶつける。
「でさ、その好きってどういう気持ちなんだ?」
三人は転けた。わかっているようで、まったくわかっていない。これがサトシクオリティだった。
昼食中、唐突にカスミがミズカに聞いた。ミズカはタケシ特性のホワイトシチューを口に入れながら、首を傾げる。
「好きな人? どういう意味の?」
「恋よ!」
カスミはそんなこともわからないのかとミズカに言いたくなかった。ということは、シゲルのことはどうでも良くなったのだろうか、と思う。
最近はシゲルのことを話さなくなった。カスミはミズカがシゲルを好きなのではないかと思っていたのだが、だったら、ここまで話題に出ないだろうかとも思う。
だから、聞いてみたのだ。
「残念ながら、いないよ」
「いないの?」
聞いてみるとミズカはキョトンとする。
「もとの世界とかは?」
そういえば、ミズカのコミュニティはここだけではない。もとの世界もあるではないかと、カスミは思った。
「いや、まったく」
「仲良い男の子とかは?」
「いるけど、サトシみたいな感じだよ?」
肩を竦めるミズカ。なるほど、この抽象的な話では、ミズカは話が掴めないのかもしれない。もとの世界にはいないなら、シゲルは? とは、流石にカスミは聞けなかった。
「やっぱ、お子ちゃまねぇ」
「うるさいな。いないんだからしょうがないでしょ」
大人ぶるカスミにミズカは口を尖らせる。カスミがここで話を終わらせようとすると、
「なぁ」
と、サトシが話に入ってきた。サトシはシチューを頬張ることをやめて、二人の話を聞いていたようだ。すっかりスプーンが置いてある。
「なに?」
怪訝になってカスミが聞く。
「恋って、好きになるってことだよな?」
サトシの質問に三人の動きは一瞬止まった。ミズカはサトシに熱があるんじゃないかと思う。恋愛話なんて、彼には似合わない。口を開けば、いつもポケモンのことしか話さない。なのに、まさかサトシの口からそんな言葉が出るとは……。
「あ~ら、お子ちゃまのサトシにしてはよくわかってるじゃない!」
カスミは少し感心したように言った。サトシは目をパチクリさせると、三人に質問をぶつける。
「でさ、その好きってどういう気持ちなんだ?」
三人は転けた。わかっているようで、まったくわかっていない。これがサトシクオリティだった。