11章 ポケモンダンス団と別れ道

「なんか面白い事ないかなぁ」
「あたしとバトルでもする?」
「カスミじゃ、相手にならないぜ!」

ジョウトリーグに出場するため、シロガネ山を目指すサトシ達一行は、順調に旅を続けていたはずなのだが……。

「それどういう意味よ!」
「そういう意味だろ! 俺はもうジョウトバッジ8個ゲットしてるんだぜ!」
「そうやって調子に乗ってるとリーグで足元救われるわよ!」
「なんだと?」
「なによー!?」

とまたしてもサトシとカスミはケンカになってしまった。タケシが止めに入ろうとしたのだが、その必要がなくなった。

「またケンカやってるの? 仲良いね……」

誰かが、後ろから二人に話しかける。二人は声をかけた人物が誰だかも確認せず、後ろをぐるんと振り向いた。

「よくない!」

二人は同時に声を上げる。一連の流れが揃いすぎて、仲悪いのか仲良いのかよくわからない。そして、さらに声をかけた人物を見て、同時に目をパチクリさせた。

「ミズカ!」

そう今の声はミズカだったのである。

「まったく、来て早々あんた達のケンカを見ると思わなかったよ」

呆れているミズカにサトシとカスミは苦笑した。

「さぁ! これからポケモンのダンスが始まるよ~! 今なら、タダで見せちゃうよ~ん!」

落ち着いたところで遠くから弾んだ声が聞こえた。

「ねぇ、ポケモンのダンスって、ポケモンがダンスするのかな?」

ミズカの目が輝く。ポケモンがダンスをしたところは、生では観たことがない。

「そうなんじゃないの?」

カスミが答える。

「あたし見てみたい!」
 
元気よく手を挙げるミズカにカスミも手を挙げる。

「あたしも!」
「じゃ、寄ってみようぜ!」

サトシの言葉に二人は頷く。タケシも興味津々そうだ。という事で、ミズカ達はポケモンのダンスを観覧していくことにした。

行ってみると、広場があり、大きなトラックが止まっていた。その隣で、スタッフやポケモンたちが何か準備をしている。


1/6ページ
スキ