10章 幽霊ハナのお願い

「ハナは悪くないよ! かと言って、ガーディが悪かったわけでもない!」
「ミズカ……」

目に涙を浮かべて訴えるミズカ。サトシ達はようやく、ハナがすぐ側にいることがわかった。ジョーイもわかっていた。

「隣に飼い主さんがいるのね?」

ジョーイが聞く。ミズカは震えながらゆっくり頷いた。

「そう……」

それっきり、会話は止まってしまった。ミズカ達は借りた部屋に行った。入ると、すぐにミズカはベッドに寝て顔をうずめた。

――なんで生き物は死ななきゃならないんだろう……。

ミズカ達はそれぞれ声を殺して泣いていた。そして、泣くところまで泣き、ガーディの最後をしっかりと見届けてあげようという話になった。一人じゃ可哀想だと。

彼らは病室に戻り、一晩、付き添っていることにした。

次の朝、ガーディは静かに息を引き取った。その直後、ハナも姿を消した。きっと、向こうでガーディに会いに行ったのだろうと、ミズカは心の中で思った。

ガーディにとってはハナさんに会えたんだから良かったのかもしれない、とミズカは思う。そして今日もミズカ達は歩き出す。悲しみを心の隅にしまって……。

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