10章 幽霊ハナのお願い
「どうしたのよ?」
カスミが聞いた。肩に乗ったピチューも訝しげにミズカを見つめる。ミズカは一点をジッとみている。そして、何か確信がついたらしく、ミズカは木の横に行った。
「あなた……、私が見えるの……?」
何かがミズカに話しかけてきた。ミズカにしか届いていない声だ。ミズカには、はっきりとその姿を捉えられていた。長く繊維の細い髪に、薄い唇。白いワンピース……。
ミズカは、その正体を理解しながらも、話しかけてきた彼女にゆっくりと頷いた。この奇妙な行動に、隣にいたカスミはもちろん、サトシとタケシも驚く。
「ミズカ、どうしたんだ?」
サトシが聞くが、ミズカの反応はない。幽霊に集中していて、それどころではないようだ。それは、それでサトシには不気味で肩に乗る相棒ピカチュウと顔を見合わせた。タケシも固まる。幽霊道路なんて名ばかり。そう思っていた。
しかし、ミズカのこの行動。幽霊が見えるという発言。まるで、テレビで観るような霊媒師のようだ。サトシもタケシも、それから未だにミズカの腕にくっついているカスミも固唾をのんで見守る。
幽霊に頷いたミズカは、幽霊に喜ばれていた
「私が見えるのですね!」
幽霊とは思えないほど明るいテンション。今まで出会った幽霊と、彼女は少し違った。
「突然で、すみません! あなたの身体を少しお借りしますね!」
頭を勢いよく下げたかと思うと、幽霊はミズカの中に飛び込んできた。
「え~!!」
ミズカはビックリする。次の瞬間には真顔になっていた。
「ミズカ……?」
カスミはミズカの様子に気づく。ピチューも不気味がって、カスミの肩に乗った。この場にいるトゲピーだけが、わけもわからず首を傾げている。
ミズカは、唐突に頭を下げた。
「こんにちは、私はハナと申します。この方の体をお借りしました」
唐突に、ミズカの声で、ミズカではない口調で話しかけられる。身体を借りた。三人とも顔が青ざめていく。
「ミズカは……? ってことは、あなたは幽霊!!」
唐突にいなくなったミズカに混乱し、カスミはミズカの腕から離れた。そして勢いよく今度はサトシの後ろに隠れる。心なしかタケシもサトシの後ろにいる。実際に幽霊に出会せば、誰だって怖い。
幽霊のハナは想像の範疇らしく、気にせずに微笑む。
「はい。でも大丈夫、話が終わったら、すぐにミズカさんの身体から離れます」
そういうハナに、サトシは直感で警戒心を解いた。相変わらず、サトシの後ろの二人はビビっているのだが、サトシだけは話を聞く気になった。
そういえば、幽霊ポケモンだって、襲ってばかりではない。決して悪い奴らではなかった。だったら、人間だって同じだろう。本当に必要としてミズカを頼ったなら、彼女は悪い幽霊ではないはずだ。サトシは考えた。
カスミが聞いた。肩に乗ったピチューも訝しげにミズカを見つめる。ミズカは一点をジッとみている。そして、何か確信がついたらしく、ミズカは木の横に行った。
「あなた……、私が見えるの……?」
何かがミズカに話しかけてきた。ミズカにしか届いていない声だ。ミズカには、はっきりとその姿を捉えられていた。長く繊維の細い髪に、薄い唇。白いワンピース……。
ミズカは、その正体を理解しながらも、話しかけてきた彼女にゆっくりと頷いた。この奇妙な行動に、隣にいたカスミはもちろん、サトシとタケシも驚く。
「ミズカ、どうしたんだ?」
サトシが聞くが、ミズカの反応はない。幽霊に集中していて、それどころではないようだ。それは、それでサトシには不気味で肩に乗る相棒ピカチュウと顔を見合わせた。タケシも固まる。幽霊道路なんて名ばかり。そう思っていた。
しかし、ミズカのこの行動。幽霊が見えるという発言。まるで、テレビで観るような霊媒師のようだ。サトシもタケシも、それから未だにミズカの腕にくっついているカスミも固唾をのんで見守る。
幽霊に頷いたミズカは、幽霊に喜ばれていた
「私が見えるのですね!」
幽霊とは思えないほど明るいテンション。今まで出会った幽霊と、彼女は少し違った。
「突然で、すみません! あなたの身体を少しお借りしますね!」
頭を勢いよく下げたかと思うと、幽霊はミズカの中に飛び込んできた。
「え~!!」
ミズカはビックリする。次の瞬間には真顔になっていた。
「ミズカ……?」
カスミはミズカの様子に気づく。ピチューも不気味がって、カスミの肩に乗った。この場にいるトゲピーだけが、わけもわからず首を傾げている。
ミズカは、唐突に頭を下げた。
「こんにちは、私はハナと申します。この方の体をお借りしました」
唐突に、ミズカの声で、ミズカではない口調で話しかけられる。身体を借りた。三人とも顔が青ざめていく。
「ミズカは……? ってことは、あなたは幽霊!!」
唐突にいなくなったミズカに混乱し、カスミはミズカの腕から離れた。そして勢いよく今度はサトシの後ろに隠れる。心なしかタケシもサトシの後ろにいる。実際に幽霊に出会せば、誰だって怖い。
幽霊のハナは想像の範疇らしく、気にせずに微笑む。
「はい。でも大丈夫、話が終わったら、すぐにミズカさんの身体から離れます」
そういうハナに、サトシは直感で警戒心を解いた。相変わらず、サトシの後ろの二人はビビっているのだが、サトシだけは話を聞く気になった。
そういえば、幽霊ポケモンだって、襲ってばかりではない。決して悪い奴らではなかった。だったら、人間だって同じだろう。本当に必要としてミズカを頼ったなら、彼女は悪い幽霊ではないはずだ。サトシは考えた。