10章 幽霊ハナのお願い
「どうしたのよ、ミズカ?」
カスミに呼ばれミズカは我に返った。
「ううん、なんでもない!」
「それじゃ、行こうぜ!」
サトシの言葉に三人は頷き、フスベシティを後にして進むことにした。
「なーんで、あたしまで入らなきゃならないのよ……」
「しょうがないでしょ。なんだったらカスミだけ遠回りすれば? そしたらたまたま迷い込んだ幽霊に襲われるかもよ?」
文句の言うカスミに、ミズカがおばけの真似をしながら脅かした。
「遠慮しておくわ」
カスミは、ため息をつきながら答える。幽霊になんて会いたくない。しかし、怖がりのカスミにとっては、独りにされる方が困る。
サトシとタケシは二人の会話に苦笑。
そんなやりとりをするミズカ達の前には、
『この先、遠回りか近道か近道をしたければここを通れ!』
と、見るからに怪しい看板が立っていた。
『近道は幽霊が出る可能性あり! 人呼んで幽霊道路!』
さらには、看板に小さい字で恐ろしいことが書かれている。カスミはそれで嫌がったわけである。
しかし、ミズカとサトシは行く気満々。多数決にしてみれば、二対一でミズカとサトシが勝つ。タケシはどちらにも手を挙げなかった。
「多数決であたし達の勝利!」
「待ってよ! タケシはどうなのよ!」
「俺は別にどっちでもいいが……」
「いいだろう? 別に一人で通るわけじゃないんだから!」
「そうだよ! 行こうよ!」
「大丈夫さ!」
そう言いながら、このままカスミが頷くよりも、先に歩いたほうがカスミは折れると踏んだ三人は勝手に幽霊道路を歩き始めた。
「ちょっと、待ってよ! おいてかないで!!」
結局、カスミも近道を行く事になってしまった。道は暗く不気味な感じだった。カスミはミズカの腕に絡みついた。
「カスミ、歩きにくい……」
「しょうがないじゃない……。怖いんだもん! ミズカだって……、あ、そういえばこの間言ってたわね」
カスミはこの間の事を思い出した。ミズカは幽霊が見える。だから、あまり怖さを感じないのだと。
「何の話だ?」
「え? あたしが時々、幽霊が見えるって話」
「ミズカ、幽霊が見えるのか! どっかにいるか!?」
サトシはテンションを上げた。キョロキョロと幽霊がいないのかと首を振る。
「だから、ときどきしか……」
ミズカはそう言いかけて、突然その場に立ち止まった。
カスミに呼ばれミズカは我に返った。
「ううん、なんでもない!」
「それじゃ、行こうぜ!」
サトシの言葉に三人は頷き、フスベシティを後にして進むことにした。
「なーんで、あたしまで入らなきゃならないのよ……」
「しょうがないでしょ。なんだったらカスミだけ遠回りすれば? そしたらたまたま迷い込んだ幽霊に襲われるかもよ?」
文句の言うカスミに、ミズカがおばけの真似をしながら脅かした。
「遠慮しておくわ」
カスミは、ため息をつきながら答える。幽霊になんて会いたくない。しかし、怖がりのカスミにとっては、独りにされる方が困る。
サトシとタケシは二人の会話に苦笑。
そんなやりとりをするミズカ達の前には、
『この先、遠回りか近道か近道をしたければここを通れ!』
と、見るからに怪しい看板が立っていた。
『近道は幽霊が出る可能性あり! 人呼んで幽霊道路!』
さらには、看板に小さい字で恐ろしいことが書かれている。カスミはそれで嫌がったわけである。
しかし、ミズカとサトシは行く気満々。多数決にしてみれば、二対一でミズカとサトシが勝つ。タケシはどちらにも手を挙げなかった。
「多数決であたし達の勝利!」
「待ってよ! タケシはどうなのよ!」
「俺は別にどっちでもいいが……」
「いいだろう? 別に一人で通るわけじゃないんだから!」
「そうだよ! 行こうよ!」
「大丈夫さ!」
そう言いながら、このままカスミが頷くよりも、先に歩いたほうがカスミは折れると踏んだ三人は勝手に幽霊道路を歩き始めた。
「ちょっと、待ってよ! おいてかないで!!」
結局、カスミも近道を行く事になってしまった。道は暗く不気味な感じだった。カスミはミズカの腕に絡みついた。
「カスミ、歩きにくい……」
「しょうがないじゃない……。怖いんだもん! ミズカだって……、あ、そういえばこの間言ってたわね」
カスミはこの間の事を思い出した。ミズカは幽霊が見える。だから、あまり怖さを感じないのだと。
「何の話だ?」
「え? あたしが時々、幽霊が見えるって話」
「ミズカ、幽霊が見えるのか! どっかにいるか!?」
サトシはテンションを上げた。キョロキョロと幽霊がいないのかと首を振る。
「だから、ときどきしか……」
ミズカはそう言いかけて、突然その場に立ち止まった。