9章 ピチューを救え!

「あなた自分の命を何だと思ってるの!」
「すみません」

タケシと合流したミズカ、サトシ、カスミはポケモンセンターにいた。今は、ミズカがジュンサーから説教を受けている。もうかれこれ一時間、こんな内容の話を聞かされて怒られている。

――早く終わってくれないかな……。

ミズカはそれをなるべく顔に出さないようにした。顔に出すと、また、そのことで「聞く気がない」だの、「ちゃんと聞きなさい」だの言われるからである。

飛び降りたのは事実だが、自分はちゃんと助かるようにポケモンの手を借りた。それで良いではないかとミズカは思っていたのだが、そうはいかないらしい。

ジュンサーからすれば、まずロケット団に子供一人で立ち向かうことが駄目なのだ。それをヘリに乗り込み、飛び降りたなど……。エーフィがいなかったら、どうするつもりだったのだと訴えたい。


そんな中、隣にいたジョーイが助け船を出してくれた。

「ジュンサー、もういいじゃない。彼女もかなり反省してるみたいよ」
「……そうね、わかったわ。今後は気をつけるようにね!」

ジュンサーはミズカに厳しい口調で釘を刺した。やっとのことでミズカは解放される。ミズカは、どっと疲れたのを感じながら部屋に戻る。

「ただいま……」
「ずいぶん遅かったわね……。そんなに説教受けてたの?」

カスミがトゲピーのお世話をしながら、ミズカに目を向けた。

「ジョーイさんが助け船を出してくれて。助け船出してもらえなかったら、きっとまだ……」 
「自業自得だな」

ため息をつくミズカに、タケシはもっともなことを言う。

「まあ、そうだけどさ……。でも、自分のポケモンを助けるためにやったんだよ?」

ミズカはまたため息をつく。

「あんたのは無鉄砲っていうの!! 普通、飛び降りないわよ!」
「だって、逃げ道はそれしかなかったんだもん……」
「その前に、ロケット団のヘリコプターに一人で乗り込む自体間違ってるな」
「……そうか?」

仲間からも説教され、ミズカが膨れていると、黙ってサトシがやっと口を開いた。

「なんで、サトシはとめなかったのよ!」

サトシの一言で、カスミの的はミズカではなく、サトシになる。
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