1章 ポケモン世界へ!?
「あ……、あなたスイクン? スイクンなの?」
スイクン……。ジョウトに伝わる伝説と言われるポケモンである。スイクンは間違いなく、こちらを見ていたのだが、何も反応することなく、やがて森の奥へ消えていった。
ミズカは追いかけることをしなかった。
まるで金縛りにあったよう。森の奥を見つめているだけ。追いかけたい気持ちもあったが、追いかけてはいけないような気もして、動けなかった。
「イーブイ、今の見た?」
「ブイ……!!」
「多分、今のはスイクンっていう伝説のポケモンよ! まさか、本物が見られるなんて……」
ミズカの心はすごく穏やかになった。穏やかになりながらも少し興奮していた。今まで味わったことのない気持ちである。
これがミズカとスイクンの出会いだった。
スイクンがどんな気持ちで彼女に会いに来たのか、今のミズカには知る由もない。
この出会いは偶然ではなかった。
「また、スイクンに会えるといいね」
「ブイブイ!」
「さっ、戻ろう。みんなが心配しちゃうよ」
そういってミズカとイーブイは、また耳を済ましてポケモンの鳴き声を聞きながら、三人の待つ場所へ戻った。
「ただいま!」
「おかえり! どうしたの?そんなニコニコして……?」
カスミはミズカの様子に気がついた。ミズカが森に帰ってから、やけにテンションが高い。いや、元々テンションが高いが、一つ一つの行動が弾んで見えた。
「なんでもない! ね、イーブイ」
「ブイ~!」
ミズカとイーブイは誤魔化した。二人共、その場でスイクンに会ったということもできたのだが、言う気にならなかった。
「二人とももう寝る時間だぞ」
話してるミズカとカスミにタケシが言った。
「はーい」
タケシに言われ、二人は寝袋を出して寝転がった。ちなみにサトシもピカチュウもすでに寝ている。
みんなが眠りについた頃。ミズカはなかなか来ない眠気に困りながら、寝返りを打った。昨日も実は眠れていない。実際は、少し眠っているようなのだが、寝た気がまったくしていなかった。
こういう森の中で寝ることが、初めてだと言うこともあった。だが、夜になると急に考えてしまうことが原因だった。もとの世界にちゃんと帰れるのか。それが心配になる。少しホームシックになっていた。
「寝られないの?」
寝たはずのカスミが小声で話しかけてきた。カスミはカスミで、元気なテンションとは裏腹にミズカの目の下に薄ら浮かぶ隈が気になっていた。
だから、ミズカの様子を少し心配していた。
スイクン……。ジョウトに伝わる伝説と言われるポケモンである。スイクンは間違いなく、こちらを見ていたのだが、何も反応することなく、やがて森の奥へ消えていった。
ミズカは追いかけることをしなかった。
まるで金縛りにあったよう。森の奥を見つめているだけ。追いかけたい気持ちもあったが、追いかけてはいけないような気もして、動けなかった。
「イーブイ、今の見た?」
「ブイ……!!」
「多分、今のはスイクンっていう伝説のポケモンよ! まさか、本物が見られるなんて……」
ミズカの心はすごく穏やかになった。穏やかになりながらも少し興奮していた。今まで味わったことのない気持ちである。
これがミズカとスイクンの出会いだった。
スイクンがどんな気持ちで彼女に会いに来たのか、今のミズカには知る由もない。
この出会いは偶然ではなかった。
「また、スイクンに会えるといいね」
「ブイブイ!」
「さっ、戻ろう。みんなが心配しちゃうよ」
そういってミズカとイーブイは、また耳を済ましてポケモンの鳴き声を聞きながら、三人の待つ場所へ戻った。
「ただいま!」
「おかえり! どうしたの?そんなニコニコして……?」
カスミはミズカの様子に気がついた。ミズカが森に帰ってから、やけにテンションが高い。いや、元々テンションが高いが、一つ一つの行動が弾んで見えた。
「なんでもない! ね、イーブイ」
「ブイ~!」
ミズカとイーブイは誤魔化した。二人共、その場でスイクンに会ったということもできたのだが、言う気にならなかった。
「二人とももう寝る時間だぞ」
話してるミズカとカスミにタケシが言った。
「はーい」
タケシに言われ、二人は寝袋を出して寝転がった。ちなみにサトシもピカチュウもすでに寝ている。
みんなが眠りについた頃。ミズカはなかなか来ない眠気に困りながら、寝返りを打った。昨日も実は眠れていない。実際は、少し眠っているようなのだが、寝た気がまったくしていなかった。
こういう森の中で寝ることが、初めてだと言うこともあった。だが、夜になると急に考えてしまうことが原因だった。もとの世界にちゃんと帰れるのか。それが心配になる。少しホームシックになっていた。
「寝られないの?」
寝たはずのカスミが小声で話しかけてきた。カスミはカスミで、元気なテンションとは裏腹にミズカの目の下に薄ら浮かぶ隈が気になっていた。
だから、ミズカの様子を少し心配していた。