1章 ポケモン世界へ!?
「あーもうやっちゃうよ!!」
部屋いっぱいに響く声。自分の声の大きさを気にすることなく、一人の少女は慌ててリモコンに向かってダイブする。
自慢の黒い髪がふわりと揺れた。
リモコンを握って、赤い電源ボタンを押した。
「OK!!」
同時にテレビから始まりの合図が聞こえる。
「間に合った~!!」
少女はほっと息をついた。
たまたま、少女の観たいテレビ番組だった。
この番組の名前はポケットモンスター略してポケモン、今のはオープニング曲の歌詞である。
少女の名前はミズカ。ポケモンが大好きな小学二年生で八歳だ。
――この世界にもポケモンがいたらいいのに……。
ポケモンを見るたびにそう思う。
ポケモンはなんたってかわいいし、かっこいいし、存在感あるし、時には気持ち悪いと思うのもいるが、ミズカはまとめて全部好きだった。
気持ち悪いポケモンだって、実際に動けば愛嬌がある。性格だって良いやつもいる。だから好き。
ミズカはこの日、サトシとピカチュウの旅を満足気に観ていた。
夜、十時。ミズカは、ちょうど眠たくなり布団の中に入った。
しかし、布団に入った瞬間、眠気はどこへやら。まったく寝られる感じがしない。
しばらく、悶々としていると、急に足元に不思議な感じがした。どんな風にかと言われると彼女には答えられない。モヤモヤしているのかと思うと、温かさも感じて、なんだかよくわからない。
とりあえず、寝転がったまま布団を持ち上げて、足元を見た。ミズカは目の前に起こっている非現実的な出来事に目をパチクリさせた。
彼女の足元が光っている。もちろん、ミズカの足が光っているわけではない。
「何? この光……」
眩しいぐらいの光。そんなものが布団にあるとは何事だ。怪訝になる。少し触れることが怖い気がしたが、好奇心の強いミズカはそれが何かを知るために布団に潜ることにした。
布団を抜けて頭から布団に入る。
「うっ……」
眩しくて前がよく見えない。とにかく前に進んだ。
やっと抜けられたと思ったのは急に浮遊感があったからだ。ミズカは目を開くと、そのまま真ん丸に目を見開いた。
「ここは??」
なんと空の上だった。浮遊感は当然。ミズカは急に重力に支配され、真下に急降下した。
「いやー!! 落ちる!!」
当然、重力に逆らえるはずもない。
なぜ、外に出ているのか考える余地もないまま、ミズカは空から落ち、気を失ってしまった。
一方、ジョウトリーグを目指し旅を続けるサトシ達は次の町を目指し、木々に囲まれた道をただひたすらに歩いていた。
「あぁ、腹減った……」
「何言ってるのよ、さっき食べたばっかりでしょ」
お腹を抑えて空腹を耐えるサトシに、カスミが少し引き気味になりながらツッコミを入れる。というのも、つい一時間前にご飯を食べたばかり。
サトシの燃費の悪さが目立つ。
「いいじゃん別に! タケシ、なんか食べ物ないか?」
「サトシ食べ過ぎはよくないぞ」
タケシにまで言われてしまっては、サトシも我儘が通らないことがわかっている。
サトシは仕方なく諦めた。
「ピカピ!」
そんなサトシの肩にピカチュウが何か焦った様子で乗ってきた。
「ピカチュウどうしたんだ?」
「ピッカー!」
ピカチュウは指を差した。彼らは会話していて気づかなかったが、前方にはサトシ、カスミと同い年ぐらいの少女が倒れていた。
サトシ達は駆け寄った。
どういうわけか、道のど真ん中で倒れている少女。彼女は旅の途中なのか、黒いベストに黒いハーフパンツを履き、薄黄色のリュックを背負っていた。
黒く長い髪は乱れている。
「この子どうしたんだ?」
「どうして、こんな所に倒れてるのよ」
「話は後にしよう、今はこの子を助けるのが先だ!」
「うん!」
サトシ達はその少女を助けることにした。
部屋いっぱいに響く声。自分の声の大きさを気にすることなく、一人の少女は慌ててリモコンに向かってダイブする。
自慢の黒い髪がふわりと揺れた。
リモコンを握って、赤い電源ボタンを押した。
「OK!!」
同時にテレビから始まりの合図が聞こえる。
「間に合った~!!」
少女はほっと息をついた。
たまたま、少女の観たいテレビ番組だった。
この番組の名前はポケットモンスター略してポケモン、今のはオープニング曲の歌詞である。
少女の名前はミズカ。ポケモンが大好きな小学二年生で八歳だ。
――この世界にもポケモンがいたらいいのに……。
ポケモンを見るたびにそう思う。
ポケモンはなんたってかわいいし、かっこいいし、存在感あるし、時には気持ち悪いと思うのもいるが、ミズカはまとめて全部好きだった。
気持ち悪いポケモンだって、実際に動けば愛嬌がある。性格だって良いやつもいる。だから好き。
ミズカはこの日、サトシとピカチュウの旅を満足気に観ていた。
夜、十時。ミズカは、ちょうど眠たくなり布団の中に入った。
しかし、布団に入った瞬間、眠気はどこへやら。まったく寝られる感じがしない。
しばらく、悶々としていると、急に足元に不思議な感じがした。どんな風にかと言われると彼女には答えられない。モヤモヤしているのかと思うと、温かさも感じて、なんだかよくわからない。
とりあえず、寝転がったまま布団を持ち上げて、足元を見た。ミズカは目の前に起こっている非現実的な出来事に目をパチクリさせた。
彼女の足元が光っている。もちろん、ミズカの足が光っているわけではない。
「何? この光……」
眩しいぐらいの光。そんなものが布団にあるとは何事だ。怪訝になる。少し触れることが怖い気がしたが、好奇心の強いミズカはそれが何かを知るために布団に潜ることにした。
布団を抜けて頭から布団に入る。
「うっ……」
眩しくて前がよく見えない。とにかく前に進んだ。
やっと抜けられたと思ったのは急に浮遊感があったからだ。ミズカは目を開くと、そのまま真ん丸に目を見開いた。
「ここは??」
なんと空の上だった。浮遊感は当然。ミズカは急に重力に支配され、真下に急降下した。
「いやー!! 落ちる!!」
当然、重力に逆らえるはずもない。
なぜ、外に出ているのか考える余地もないまま、ミズカは空から落ち、気を失ってしまった。
一方、ジョウトリーグを目指し旅を続けるサトシ達は次の町を目指し、木々に囲まれた道をただひたすらに歩いていた。
「あぁ、腹減った……」
「何言ってるのよ、さっき食べたばっかりでしょ」
お腹を抑えて空腹を耐えるサトシに、カスミが少し引き気味になりながらツッコミを入れる。というのも、つい一時間前にご飯を食べたばかり。
サトシの燃費の悪さが目立つ。
「いいじゃん別に! タケシ、なんか食べ物ないか?」
「サトシ食べ過ぎはよくないぞ」
タケシにまで言われてしまっては、サトシも我儘が通らないことがわかっている。
サトシは仕方なく諦めた。
「ピカピ!」
そんなサトシの肩にピカチュウが何か焦った様子で乗ってきた。
「ピカチュウどうしたんだ?」
「ピッカー!」
ピカチュウは指を差した。彼らは会話していて気づかなかったが、前方にはサトシ、カスミと同い年ぐらいの少女が倒れていた。
サトシ達は駆け寄った。
どういうわけか、道のど真ん中で倒れている少女。彼女は旅の途中なのか、黒いベストに黒いハーフパンツを履き、薄黄色のリュックを背負っていた。
黒く長い髪は乱れている。
「この子どうしたんだ?」
「どうして、こんな所に倒れてるのよ」
「話は後にしよう、今はこの子を助けるのが先だ!」
「うん!」
サトシ達はその少女を助けることにした。
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