with横山
編集部から届いた、封筒にまた返却かよと苛立つ。
でも、開けてみたら中に一枚の手紙が入ってた。
ペンで書かれた、大きめの文字。
今月号の新人コーナーの漫画すごく好きでした。
描いてくれてありがとう。
「…え?」
たった1ページ。
編集にも感想は言われなかったし、誰も見てないと思ってた。
「…え、マジで?」
思わず声が漏れる。もう一回、手紙を読む。
三回読んで、四回目で、じわっと目元が熱くなった。
「……っ…、なに泣いてんだよ、俺……」
手紙を胸に抱えたまま倒れ込み、誰にも見られていないのに、顔を隠す。
嬉しいなんてレベルじゃなかった。
ちゃんと見てる人がいた。
あの1ページに、誰かが心を動かしてくれた。
たった一通。
でも、横山にはそれで十分だった。
「描いてて、よかった…」
しばらく、目をつむったまま、何度も手紙を握りしめる。
息を吐いて、鼻をすする。
そして、起き上がる。
もう次のページを描きたくなっていた。
今度は、もっとでかく刺さる絵を描いてやる。横山は笑って、またペンを取った。
