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R風味


寝る前にキッチンで水を一杯飲んでいると、背中にぐりぐりと押しつけられる小さな頭。
志摩がするこの不器用な甘え方が好きで思わずにやけてしまう。

「なぁに」

声をかけて振り向くと、志摩は少しだけ視線を落として言いづらそうな表情をしていた。
話してくれるのを待ちながら、空いているほうの手で頬や耳朶を好きに弄っていると、小さく口が開く。

「今日…えっち、する?」

予想外のセリフに、思わずカップを持つ手が止まった。
静かな声だけど、その響きは甘やかで妙に耳に残る。

「したいの?」

照れて誤魔化すか何かぶっきらぼうに返すだろうと思いながら、軽く投げかけるように意地悪する。
すると志摩は、ほんの少し伏し目になりながら頬を染めて小さく頷いた。

「…うん」

その瞬間、完敗した。
ただでさえきゅるきゅるの志摩が、甘えてくれるならそれはもう天使以上の何かだ。
顔を覗き込むと、少し幼い顔をしながら耳まで赤くしている。

「ん"かわいーねぇ」

思わず砂糖漬けの甘ったるい声になってしまった。
志摩の頬に手を添えて、柔らかくキスを落とす。
唇を離せば、志摩の目の端にはうっすら涙がにじんでいて、俺の胸はますます満ちた。

「ベッド行こっか」

囁くと、志摩は再びこくんと小さく頷いて、手をそっと握ってきた。
途中で襲いたいのを堪えて寝室まで辿り着くと、なだれ込むようにベッドに身体を預ける。
志摩は俺にしがみつきながら、首筋に顔を埋めて掠れるように囁いた。

「…いぶき、好き」
「かわいぃ…志摩ちゃんなんかあった?」

あまりにイレギュラーな事態に、念の為そう尋ねながら志摩の身体をそっと撫でる。
鼓動が早まっているのが、胸越しに伝わってきた。

「…やだ、?」
「ん?」
「気分じゃないなら…」
「不安にしてごめんね志摩ぁ、無理してないか心配だっただけだよ」
「ほんと…?」

首がもげるくらい頷くと、小さく笑ってくれて安心する。
普段横暴な志摩は恋愛になるとどうも繊細で、すぐに一歩引いてしまうのを忘れていた。
せっかくの可愛いお誘いを逃さないように、しっかり引き止める。

「脱がせていーい?」
「…うん」

たった二文字が甘く響いて、胸がぎゅっと締めつけられる。
産まれたままのその姿は、薄暗い中でほんのりと輪郭をぼやかし艶やかに見えた。

「かわいーねぇ」

目に焼き付けるように見つめながら、ゆっくりとズボンも落としていく。
されるがままの志摩は、恥ずかしげに唇を噛み、視線を戸惑わせている。

「ふふ、口切れちゃうよ」

緊張をほぐすようにそっとキスをした。
それは次第に深くなり、ゆっくり絡められて吸われて、唾液が混ざる音がやけに響く。

「ん……っ、ぁ…」

頭がふわふわして、ちゃんと考えられない。
頬を撫でられるだけで気持ちよくて、ただ伊吹を求めて手を伸ばす。

「志摩ちゃん、ぎゅーしよ」

背中を起こされると、ぐっと伊吹の存在が近くなってそれだけで安心した。
ずっとこの腕の中にいたいと、そんな馬鹿みたいな願いをもってしまう。

「いぅき、」
「んー?今日はだっこでスる?」
「ちゅ、して」

そう求めれば子どもみたいなキスが幾度となく降り注いだ。
声にすると伊吹はなんでも叶えてくれる。

「志摩ちゃんずいぶんかわいーね?いつも可愛いけど」
「いぶきの、ほしい」

五人兄弟の二番目でほしいものはいつも取られてしまった。
叶えてくれる?ほしいもの全部くれる?

「ん"ん、もうあぁ、志摩ちゃん…ちょっと腰上げられる?」
「んっ」
「じょーず、そのまま腰下ろして」
「ん、ゃ…ぃうき、、ッぁ、」

快感が邪魔をして、沈めるのに時間がかかってしまう。
呆れられてしまっただろうか、飽きられてしまっただろうか。
取り上げられてしまわないか不安になって顔を上げると、熱を帯びた柔らかい視線に刺された。

「んふ、かわいーね?ゆっくりでいーよ」

志摩の内側は熱くて柔らかくて、俺のものを咥え込むたびにきゅうと締めつけてくる。
少しずつ慣れていくのを、甘やかすようにゆらゆら揺すった。

「ん、ん……っ、ぃう、き…ぁ、んっ、、」

志摩は涙を溜めながらぴくぴくと震えている。
その背中を包み込むように抱きしめて、耳元で囁いた。

「ちゃんと奥までできていいこだねぇ、志摩」

その声に小さく頷く動作が子どもみたいで愛おしい。
志摩は少し腰を浮かせてからまた沈め、抽挿しながら小さく喘いでいる。

「きもちぃ…いぅき、っね、きもちぃの…ッ」

そう繰り返しながら、じわじわと内側を擦られる甘さに耐えきれずにぴくりと背を反らせた志摩。
そんな可愛い存在の耳たぶに唇を落として軽く甘噛みをすれば、また身体がびくんと震える。

「えらいねぇ、もっと気持ちよくしてあげる」

快感に襲われて動けない志摩に代わり、ゆっくりと腰を突き上げる。
俺は、まだ終わらせたくないこの静かな甘さに溺れていた。
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