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R風味


伊吹の誕生日プレゼントが思いつかないなんて相談誰にすればいいんだと思っていたところにちょうど現れてしまったのが運の尽き。
九重は普段の姿を想像できないくらい面倒な絡み酒に合っていた。

「…志摩さん、結構酔ってますよね?その辺にしておいた方がいいんじゃないですか」
「うるさい。いぶきのプレゼント決定するまで帰らないからなぁ」

志摩は顔を赤らめたまま腕を伸ばして、机に突っ伏した。
九重は酔いもあったが、ほぼやけになって、どこからか持ってきた赤いリボンを志摩の手首に巻きつける。

「できました」
「…なに、これ」
「伊吹さんの誕生日プレゼントです。何がいいか悩んで決まらなさそうなので、自分がプレゼントって言ってみたらどうですか?伊吹さんそういうの好きそうですし」

普段なら即座に否定するようなことも、アルコールの頭では判断できない。
何よりほかに何も浮かばない以上これが最適解だと、志摩は思うしかなかった。

「ありがと、九ちゃん」

ふらりと立ち上がりお金と後輩を置いて、志摩はそのまま店を出た。
手首には、きゅっと結ばれた赤いリボン。

「おかえり」

耳のいい恋人は、きっと足音に気づいたのだろう。
鍵を回すとほぼ同時に玄関で出迎えてくれた。

「これ」
「んふふ、リボンつけてどうしたの?かわいいねぇ」
「…あげる」

ぽつりと呟いたその瞬間、伊吹の瞳がゆっくりと深く染まっていくのを見た。
甘やかな熱と、底の見えない欲に溶けるような色。

「いいの?」
「…ん、すきにして」

頭が回らないのは、アルコールのせいなのか目の前の男のせいなのか。
唇を塞ぐキスはいつもより強引だった。

「ん…ぁ、はぁ……っ」

指が肌を滑り、リボンを解かずにそのまま腕を頭の上で纏められる。
おれの腕を縛る伊吹の掌は大きくて熱くて年甲斐なくドキドキした。

「かわいい、ここでシてい?」
「おふろ」
「待てない」

そう言いながらも無理矢理はしてこない誠実さが好きだった。
セックスするつもりは最初からあったからとりあえず朝準備は済ませている。

「汚くてもいいなら、いいよ」
「綺麗だよ」

紛れもない本心でそう言って、志摩の太腿に手を添える。
そのままぐっと腕を回し、軽々と持ち上げた。

「わ……ちょ、ま」

脚を自分の腰に絡むようにしてそのまま壁際に押しつけた。
舌で耳朶をなぞると、快感に耐えるように脚に力がはいったのがいじらしい。

「んふ、勃ってる」

チャックをおろして下着越しに触れると、指先に熱い湿り気が絡んだ。
わざと声に出せば、もとより赤かった志摩の頬はより熱を持つ。

「だって、いぶきが…」
「えー俺のせい?」
「……ぅん」

そんなふうに甘えた声で応えられて、耐えられるはずがない。
志摩のシャツを無造作に捲り上げ、露わになった白い肌を舐め回す。
そのたび志摩の身体はびくびくと震え、小さく喘ぎ声を漏らした。

「かぁいい、ねぇ、本当にいい?」

自分の熱を押しつけると、志摩の身体が一度びくんと跳ねた。
志摩は恥ずかしそうに顔を逸らし、でも甘えるように腕を首に回してくれる。

「ぁ…いぶ、きっ…」
「っつ…志摩ちゃんの中あっちぃね、きもちぃ」

そのままゆっくりと、志摩の中に自分を沈めていく。
狭くて熱くて、吸い込まれるような感触。
志摩の爪が背中に食い込み、息が詰まるような甘い声が漏れる。

「ん、ぁっ…やっ、ふ、かい」

腰をぐっと押し上げ、志摩の体重ごと持ち上げる。
狭い玄関に淫靡な音が響いた。

「ん、あっ、…ゃ、ぃうき……っ」
「っは、ん、きもちぃねぇ?」

何度も腰を打ちつけ奥を擦るたび、志摩の顔が蕩けていく。
そのまま駅弁の体勢でさらに深く突き上げる。

「っ、ぃぶ…んッぁ……っ、まって、ねッ」

もうまともに言葉にならない声の中でストップがかかる。
志摩待てはいつだって俺の絶対だから、腰を止めてあげた。

「っん、ごめ、いぶき…」
「んーん、痛かった?」
「ちがう、ごめん、あの、お誕生日おめでと、ってまだ言ってなくて…」

何それ可愛い。
こんなに乱されている最中にそんなこと考えてたの。
妖艶な雰囲気と子どもみたいな発言のギャップで死にそうになる。

「あの、どうせこの後まともに喋れないだろうし、でも当日にちゃんといいたくて、あの、止めてごめん…」
「いーよ、嬉しい」
「んふ、いぶき、お誕生日おめでとう…」
「ありがとう」

1番好きな人からのおめでとうは胸がぎゅっとなった。
何度も軽いキスを落とす。

「んふふ、動いていーよ、いぶき、だいすき」

しがみつきながら甘えた声でそう言うから、腰を震わせ、最後まで志摩を突き上げた。
重なった熱と甘い声に、一回だけでは終われない。
そのあともベッドに移動して何度も交わって、志摩は自分の予言通り最後は譫言のように喘ぎながら意識を飛ばした。
赤いリボンは最後まで志摩の腕に結ばれたままだった。
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