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R風味


休日の昼下がり、伊吹は買い出しに出かけたがおれは家に残っている。
いつもなら、ひとりの静かな時間を楽しむのに今日はどうも落ち着かない。

なんだか頭がふわふわとぼんやりしている。
なんとなく近くにあったブランケットを抱きしめて鼻を寄せると、ほのかに伊吹の匂いがして安心した。

「ん…」

気づくと指先が勝手に毛布を掴み、クッションをも集め始めていた。
それから伊吹の着ていたパーカー。
どれもこれも抱えて、自分のまわりに積み上げてゆく。

「これも…」

伊吹がさっきまで着ていた部屋着を胸元に抱き、目を細める。
じんわり溶けていくみたいにそこにうずくまった。

「…ぃうき」

くたっとした声で名前を呼び、服の奥に顔を埋める。
すると、だんだんまぶたが重たくなり眠りに落ちていった。

「ただいまー…って、え?」

玄関を開けて、靴を脱ぐ手を一瞬止めた。
部屋の中にふわりと漂う甘ったるい匂いは発情期特有のもの。
予定日はまだだったけど少し早まったのだろうか。
今日はお留守番させて正解だったなと思う。

「…志摩?」

部屋に入ると目の前の光景に目を丸くした。
ブランケットやらクッションやら、自分の服やらが山のように積まれていて、その真ん中に小さくうずくまる志摩がいる。

「ふふ、なーにしてんの?」

近づくと、とろんとした表情の志摩が顔を上げる。
頬はほんのり上気して、呼吸も少しだけ早くなっている気がした。

「これ、巣?かわいーねぇ?」

そう言えば、照れて顔を隠してしまうがその行動がまた可愛い。
俺は着ていたパーカーを脱いで、志摩の上にそっと置いた。

「ぁ…いぅき、の、これ…っ」
「んふ、興奮してる志摩ちゃんかわいぃ」
「ゃ、ん…」
「俺の匂いでいっぱいにしたかったの?」

頷くと、伊吹が腕を広げてくれたから素直に飛び込んだ。
胸元に顔を埋めると、すぐに馴染みのある匂いが鼻をくすぐる。
やっぱりこれがいいと、ふわふわした頭のまま無意識にそう呟いた。

「いっぱい…いぶきの匂い、集めたけど…やっぱり、ほんものが、いちばん、すき…」

志摩は顔をぐりぐりと甘えるようにこすりつけ、さらに続ける。
その声は底知れない色気を纏っていた。

「ぃうき、ここ…もっと、匂いつけて…?」

志摩は、ぽやぽやとした顔のまま自分のおなかのあたりを撫でるように触れる。
薄く汗ばんだ肌の上を、指先が無意識にさまよった。

「ん"…なんて?」

志摩は俺の手に自分の手を重ねて、再度自身のおなかに導いた。
そして、濡れたようなまなざしで囁くように言う。

「ここ…いっぱい、いぶきの匂い、ほしい…」

顔を朱に染め、誘うように腰をわずかにくねらせるのは無意識だろうか。
そのイヤラシイ仕草を見て、奥底にあった本能がびくりと震えた。
ゆっくりとそのおなかに唇を落とす。
リップ音をたてるたびに、志摩は身を捩らせた。

「ん、ふ、、ぁ…っ」

びくびくと震えるおなかの感触が心地よくて、何度もキスをした。
陶酔してしまいそうな匂いが巣の中を満たしている。

「志摩ちゃん、こっち触るよ?」

恥ずかしげに震える志摩の脚をゆっくり開かせた。
その奥はすでに濡れそぼり、欲を滲ませた匂いを漂わせている。

「とろとろだねぇ、えっちになってる」
「ゃ、っん…ぁ…」
「ここも俺の匂いでいっぱいにしようねぇ」

舌を這わせ、繊細で柔らかなそこを丁寧に舐める。
中を掬うように舌を差し入れると、背を反らせて志摩は声を零した。

「あ、っ、ん……ぁ、んんっ……」

涙を滲ませて喘ぐ姿にますます欲情してしまう。
舌を離し、指先で様子を確かめるとソコはすっかり甘くとろけていた。

「んふ、ぐちゅぐちゅ音するね」
「ゃ、いわな、で…っいぅき、ね、きらいしないで、」
「えぇ?どうしたら嫌いなるの?こんなに可愛い志摩ちゃん誰にも渡さないよ」
「ほんと、?」
「本当、何してほしい?」
「んっ、はぁ…いぅきの、ほしい、」

自分のモノを志摩の入り口に宛てがい、ゆっくりと押し入れる。
熱く濡れた中が包み込んでいく感触に、思わず声が漏れた。

「…は、ぁ…すご…気持ちいい……」
「んっ…ぁ、っ……ぁっ、ん、んん…っ」

奥まで繋がった瞬間、志摩のおなかの上からそっと手を当てる。
少し膨らんだ腹の奥で、自身が脈打つのを感じた。

「わかる?ここ、奥まで俺のはいってる」
「ん、んっ…わかる、あッ…ここ、ぃう、き、いるのっ」

ゆっくりと志摩の奥を擦るように、深く腰を動かす。
志摩の途切れがちな息づかいが甘く響き、俺の理性はとっくに溶けていた。

「気持ちいい?志摩」
「きも、ち…っ、は、ぁ…ッ」

こめかみにかかる汗も、声にならない声も、全部がたまらなく愛しい。
指先が縋るように背を這ってきて、もう限界がすぐそこにあるとわかっていた。

「あ、っい、いく、っ、も…っん……ッ」

最後の深い突き上げでふたりは同時に達し、甘い吐息と余韻が漂う。
繋がったまま、志摩は自らの腹の上に手を置いてふにゃりと顔を崩した。
どこもかしこも、最愛の香りでいっぱいだった。
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