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ノーマル


日も傾きはじめたころにようやく一段落ついて、遅めの休憩。
車を停めて、コンビニで買った軽食を頬張っていた。

「志摩ぁ、“熱中症”ってゆっくり言ってみて」
「は?」
「いいから一回言ってみてよ」

突然のお願いに、志摩は怪訝そうに眉を寄せる。
これは流石に想定内。

「伊吹」
「結構すんなよ?」
「伊吹」
「やだやだ、一回だけ!ねぇ志摩ぁぁぁ」

でも駄々をこねれば、志摩はちょっと面倒くさそうに息を吐き、それでも付き合ってくれる。
これも想定内、志摩ちゃん優しい。

「熱中症!Say!」
「…ねぇ、ちゅーしよ?」

その瞬間、時が止まった気がした。
心臓が跳ね上がって、まるで空気ごと甘い蜜に包まれたみたいな感覚。
引っかかったって、ちゅーって言ったって。
そんな風に揶揄おうと思ったのに、きゅるってした。

「い、いま“熱中症”じゃなかったよね?確実に“ちゅーしよ”って言ったよね!?」
「ふはっ、なんだよお前が言わせたのに何照れてんだ」
「…志摩ちゃんハレンチ」
「なんでだよ!」

怒った顔まできゅるきゅるで、どうしたらいいのかわからない。
わからないまま、気づいたら志摩の横顔に手を伸ばしていた。

「…なんだよ」
「ちゅー、する?」
「…しねぇよ、ばーか」

そう言いながらリスよりも頬にパンを詰め込む志摩の耳はほんのり赤くなっている。
そんな姿にまたドキドキして、顔も身体も熱を持っているのが自分でもわかった。
俺は、熱中症かもしれないと誤魔化すようにペットボトル一本を一気に飲み干した。

(ibが照れないわちゃわちゃ)
「やばい、可愛すぎ。もっかい言って」
「絶対嫌」
「ねーねー、お願い」
「はいはい、熱中症熱中症」
「それじゃない!きゅるいやつ!」
「なんだよきゅるいやつって」

(smが仕掛けてib頭の中ハテナ)
「伊吹、熱中症ってゆっくり言ってみろ」
「え?ねっちゅーしよー?」
「仕事中に浮ついたこと考えてんじゃねぇ」
「え?ええ?どゆこと?」
『あれは伊吹さん可哀想なんじゃ』
『ほっとけ、見ろ志摩の満足そうな顔』
『小学生ですね』
『本当にな』

(smが仕掛けて逆にやられる)
「伊吹、熱中症ってゆっくり言ってみろ」
「えー?ねっちゅーしよー?」
「はい、ちゅーしよって言った」
「していーの?」
「は?」
「志摩ちゃんが言わせたんだから、オッケーってことだよね?」
「いや、え、何おまえ」
「じゅんじょーを弄んじゃだめだよ、志摩」
「え、ちか、いぶ、いぶき」
「んふふ、今日はほっぺで我慢してあげるー出発するよー志摩ちゃん」
「は?はぁぁ?」
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