※P4主人公の名前は瀬多総司で固定
空腹ハニー!
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ええと、なぜこんなことになってしまったのだろう。
屋上から所変わって、瀬多くんに引きずられたどり着いた所は実習棟の空き教室だった。普段選択授業とか、たまに体育で更衣室代わりに使われるそこは、お昼になると誰も来ない。そもそもみんな大体教室棟の方で思い思いに昼食を過ごすため、お昼休みになると実習棟は自然と人気が無く、静かな所になる。
空き教室に入ると、私に席に座る様に促したので素直に従う。
教壇に立つ瀬多くんはいつの間にやら取り出したのか、なぜか例のメガネを付けていた。
メガネを人差し指でくいっと上げると、鋭い眼光が私を射抜く。
「……藤田」
「は、はいっ!」
瀬多くんから感じる威圧感にびびって、つい敬語になる。あああだからなんで怒ってるの…
「昨日の朝は何を食べた?」
「え?えーっと……食べてないや、昨日寝坊して遅刻しそうだったし…」
「…昼は?」
「ジュネスでパートのおばちゃんにもらった惣菜パン…」
「………夜は?」
「か、カップラーメンだったかな…あははは」
……やばい。すごい眉間に皺寄ってる。なんか答えるたびに瀬多くんの怒気が増しているのは気のせいだろうか…
「お前の噂は、前から耳にしていたが、まさかここまでとは…」
怒りを通り越して呆れるぞ…と言わんばかりに溜息をつく彼。…やめろ、そんな可哀想なものを見る目で私を見るな!
何か言い返したかったけど、正直ぐうの音も出なかった。普段の自分の生活を思い返せば、確かに忙しさで一食抜いたり、面倒くささで自炊せずジュネスのお弁当やインスタント食品に頼りきりだった。(決して自炊できないわけではない)
不意に真面目な顔で見つめてくる瀬多くんと目があった。
「不健康な食生活を続けて怪我や病気にでもなって、テレビの探索に支障が出たら困る」
そんなことを言われてしまえば、本当に何も言い返せず、ただ申し訳なさそうに「ハイ……」と小さな声を漏らし俯くしかなかった。
そして、彼は食生活について云々語り始めた。三食しっかり食べろだの、インスタント食品やパンばっかりだと栄養が偏るだの、野菜もきちんと食べろだの、黒板を使って話す瀬多くんの姿はまるで本当の先生のようで、ちょっと格好良かった。余所見したりしてまた彼が怒ると怖かったので仕方なく真面目に聞いていると、廊下から話し声と隣の教室の扉を開く音が聞こえてきた。ふと教室の時計を見やると、次の5時間目の時間が近づいてきていた。
瀬多くんも同じように時計を見やり、それに気づく。
「リーダーの俺がどうにかしなくては…」
そんなことを何やら俯いてブツブツ言っていたかと思うと、私の方に振り返る。
「藤田、また明日の昼にこの教室に来い」
「えっ…」
「次は英語だったな…ほら、早く戻るぞ」
「あ…ま、待って!」
教室を出て行く瀬多くんを追いかけて、私も駆け足で教室を出る。
そして始まった5時間目の授業で、瀬多くんに連れられたお陰でまだお昼のパンを食べていなかったお腹の虫が鳴き出して、私は授業中に赤っ恥をかくことになるのでした…
(さて、どうするべきか…)
(瀬多くんのばかあああ!)