※P4主人公の名前は瀬多総司で固定
空腹ハニー!
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全てのきっかけは、とあるお昼休みのことだった。
「今日天気いいし、一年生の三人も呼んでみんなで屋上でごはん食べよーって話になっててさ!」
「もし良かったら、鈴ちゃんも一緒にどう?」
午前の授業が終わり、机にずっと向かっててこり固まった体をぐーっと伸ばし、さてごはんだー!とカバンから取り出そうとした時、なんともいいタイミングで隣のクラスの千枝ちゃんと雪子ちゃんからお誘いが来た。
勿論私の答えはOKで、いつも教室で一緒に食べている友人に一言二言断ってから、二人と一緒に屋上へ目指した。
屋上に着くと、いつものスペースにリーダーの瀬多くん、花村、完二くん、りせちゃん、直斗くんとこれまたいつものメンバーがもう揃っていた。
「あっ、鈴せんぱーい! こっちこっち!」
「鈴先輩、ちわっす」
「こんにちは、藤田先輩」
「おーみんなこんちは! 一年生組は今日も可愛いねー」
りせちゃん完二くん直斗くんの頭をよしよーしと撫でてから(完二くんは「可愛いって…俺もっすか?」と訝しげな表情をしていたがスルー)、輪の空いていた空間に適当に座る。
「よし…全員集まった所だし、食べようか」
「いっただきまーす!」
「相変わらず里中の弁当は茶色だな…」
「なによー、なんか悪い?」
「あっ! 完二のお弁当のおかずおいしそー!ねぇ、私のがんもとひとつ交換しよ!」
「はあ? …あぁ、まあいいけどよ」
「直斗くんのお弁当も美味しそうだね。自分で作ってるの?」
「ええまあ…天城先輩のもとても美味しそうですね。さすが天城屋旅館、でしょうか」
「板前さんが作ってくれたの。本当は私が作りたいんだけどいつも止められちゃって…」
わいわいがやがやという擬音が当てはまるほど、和気あいあいとした雰囲気。
いやーみんなお弁当美味しそうだなあ…私もおかずちょっと分けてもらおうかな、なんてことを考えながら自分もお昼ご飯を食べようとしたところで、視線を感じて顔を上げたらちょうど向かい側に座っていた瀬多くんと目が合った。
「藤田……」
「ん? 何、瀬多くん」
「お前…いつもパンなのか…?」
私の手元を指差して、怪訝そうな表情でそれを見つめる瀬多くん。
今日のお昼ご飯は、昨日ジュネスのバイト後に買ったメロンパンとこしあんコロネだ。
「んー、まあ大体そうだけど、それが何か?」
「確か、先週俺たちのクラスで食べていた時も、先々週もパンだったよな…」
「う、うん」
あの、なんで眉間に皺寄せてるんですかセンセイ。なんか顔が怖い。
そこで、彼の隣に座っていた花村が話に入ってきた。
「あーこいつ、ジュネスの売れ残りのパンとか、賞味期限ギリギリの弁当とか普通にもらって食べてるからなー、今時の女子高生とは思えねーよな」
「仕方ないでしょー? こちとら一人暮らしの貧乏女子高生なの!」
「とか言って、本当は料理すんの面倒くさいだけなんだろー?」
「てへっ、ばれた?」
「………お前はどこぞの自称エリート刑事(27)か!!!」
いきなりの瀬多くんの大声に、一瞬で場の空気が凍りつく。
え、なに、わたしなんか悪いことした…!? そりゃ、みんなのお弁当に比べたら私のお昼ごはんなんて浮いてるとは思うけど、そんなに怒ること!?
突然の瀬多くんの怒り様にここはひとまず謝ったほうがいいのか、どうしたらいいのか分からずおろおろしていると、瀬多くんはそんな私もお構いなしに、急に立ち上がったと思ったら私の襟首を掴んでずりずり出口のほうに引きずり出したではないか!
「ちょ!ちょちょちょ瀬多くん!? いきなりどうしたの!?」
「お前に食生活のなんたるかを教えてやる。来い」
「いやいや私まだパンたべてないんですけど!? ちょっとぉ!?」
私の言葉には聞く耳持たず、ずんずか私を引きずる瀬多くん。ちょっとは人の話聞いてよ!激昂状態か!!ヒランヤいる!?
遠ざかる他のみんなにヘルプを求めるも、みんな怒気を放つ瀬多くんが怖いらしく、遠目で見守るだけで助けてくれない…花村の奴なんか合掌してた…あとでアイツぶん殴る。
「だ、誰か助けてええ!?」
屋上に、助けを求める私の声が虚しく響く。
…これが、瀬多くんと私の奇妙な関係のはじまりだった。
(怒った瀬多くん超怖い…!)
足立ファンの人ごめんなさい