ライラックが散るまで:6
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明智の先ほどからの言動と、「霧島」という言葉に春葉は思い出すことがあった。
急に自分の胸の辺りが気になって、思わず手を置くと、身に着けていたはずの下着がないことに気づき、やはりと思って顔が赤らむ。
「まさか…」
その春葉の様子に、明智が眉間に深く皺を寄せて、一層悲痛そうな顔を見せた。
「もう少し早く貴方を見つけていれば…まだ若い女性を大変な目に遭わせてしまった…」
悔恨を隠せない、明智の悲しげで暗い声色に春葉の中で小さな違和感が生まれる。
確かに男性に性的な眼で見られ、触れられることも、下着をとられるというような悪質ないたずらもすぐに許容できるほど春葉は大人ではなかった。
しかし、命すら危うかったことを考えると、あの程度のことは何でもないことだ。
一方で目の前の明智の表情と声は、深く大きな後悔を滲ませており、何かの食い違いを感じさせた。
その違和感がふと、春葉にひとつのことを思い当たらせた。
もしかしたら明智は、「あれ以上の行為」のことを言っているのかもしれない。
明智の発した「婦警」の言葉の意味も理解できたと同時に、好いた男性へ伝えるにはとてつもなく恥ずかしいことだと思えた。
しかし、このまま彼が勘違いをしたままでいるほうが嫌だと思い、自分の状態について細かに伝えなくてはと、春葉が辺りを見渡す。
春葉が何かを探すような素振りを見せていることに気づいた明智は、すぐさま春葉へメモとペンを渡した。
それは、初めて会ったときに春葉が渡してもらったものと全く同じ物だった。
あのときまで戻ることができたら、という思いが脳裏を横切ったが、そんな叶わぬことはすぐに思考から捨て、ペンを走らせる。
急に自分の胸の辺りが気になって、思わず手を置くと、身に着けていたはずの下着がないことに気づき、やはりと思って顔が赤らむ。
「まさか…」
その春葉の様子に、明智が眉間に深く皺を寄せて、一層悲痛そうな顔を見せた。
「もう少し早く貴方を見つけていれば…まだ若い女性を大変な目に遭わせてしまった…」
悔恨を隠せない、明智の悲しげで暗い声色に春葉の中で小さな違和感が生まれる。
確かに男性に性的な眼で見られ、触れられることも、下着をとられるというような悪質ないたずらもすぐに許容できるほど春葉は大人ではなかった。
しかし、命すら危うかったことを考えると、あの程度のことは何でもないことだ。
一方で目の前の明智の表情と声は、深く大きな後悔を滲ませており、何かの食い違いを感じさせた。
その違和感がふと、春葉にひとつのことを思い当たらせた。
もしかしたら明智は、「あれ以上の行為」のことを言っているのかもしれない。
明智の発した「婦警」の言葉の意味も理解できたと同時に、好いた男性へ伝えるにはとてつもなく恥ずかしいことだと思えた。
しかし、このまま彼が勘違いをしたままでいるほうが嫌だと思い、自分の状態について細かに伝えなくてはと、春葉が辺りを見渡す。
春葉が何かを探すような素振りを見せていることに気づいた明智は、すぐさま春葉へメモとペンを渡した。
それは、初めて会ったときに春葉が渡してもらったものと全く同じ物だった。
あのときまで戻ることができたら、という思いが脳裏を横切ったが、そんな叶わぬことはすぐに思考から捨て、ペンを走らせる。