ライラックが散るまで:4
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「佐倉春葉、ね。お前のことはさっき調べたよ」
「!」
とんとん、と霧島が自分自身の喉を軽く指で叩く。
「その声ってさぁ。生まれつきじゃないんだろ?」
「…」
「ってことはさ、喉本来の機能が死んでるわけじゃないだろ?そしたらちょっと試してみたいなぁ…。本当に何をしても声がでないのか」
ギラリと目の前で光ったのは、春葉の顔ほども刃渡りのあるサバイバルナイフだった。頬に冷たい刃物が当てがわれた瞬間、底冷えするような恐怖が全身を突き抜けた。先ほどの表情から一変、恐怖の表情を浮かべた春葉の反応を楽しむように、霧島は面白半分にナイフを頬に当てた。あまりにも慎重さに欠ける手の動きに目が離せずにいると、突然霧島はナイフを振りかぶった。
「…っ!」
反射的に目をつぶるが、覚悟していた痛みが襲ってくることはない。おそるおそる目を開けると、素肌がひんやりとした空気に晒されていた。
「!?」
「お、意外に胸あるな」
ぎゅうっと感触を確かめるように下着の上から胸を握りこまれ、一気に羞恥で顔に血が上る。驚いて前を見ると「男」の目で春葉のことを見つめる視線とぶつかった。初めて向けられる種類の視線に身体が硬直している。
「そういう顔のほうが俺は好きだな~♪」
こねるように下着の上を霧島の手が這う。男性に触れられることはおろか、下着姿を見られたことすら経験の無い春葉は先ほどナイフを向けられていたときとは違う恐怖を感じていた。
子どもだと思っていた自分の身体が、既に成人男性には性対象になるほど成長しているということを唐突に悟ってしまい、薄ら寒いこわさを感じた。
為す術もなくただ震えていると、霧島の指先が下着の縁にかかった。ぞくっと燃えるような嫌悪感が胸奥を焼くと、込み上がってきた叫びが喉につっかえ、変に息を飲んでしまって激しく噎せた。それすら構わない様子で霧島は下着を引っ張る。逃げるように身体を後ろへと仰け反らせるが手足は拘束されたままで、ソファに背中がついてしまい、一層追い詰められるだけだ。
ぎしっとソファにもう一人分の体重が乗り、軋む。ずらされた下着からは自分の胸の先端が見えて、春葉は半ばパニックへと陥った。