ライラックが散るまで:3
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明智さん明智さん明智さん。
銀糸のような髪、理知的な透き通った瞳。今日会ったばかりのその姿。遠い昔のことのように感じるくらい、彼と会っていた時間はあっという間で離れてからの時間は長い。
メモ帳を開いては、閉じ、そしてまた開く。このメモがなければきっと自分の見た夢なのではないかと思うほど、現実に起こったことだとは信じられなかった。しかし、このメモの上にある文字が今日起こった現実を証明してくれる。
初めて会ったあの日。あのときとは比べ物にならないほど、想いが膨らんでいる。もう自分では収拾がつかず、何をしていても明智との時間のことを思い出してしまう。会って話せばきっと違う一面も見えて、もしかしたら理想とは違う一面も見えるのではとネガティブな予感もあったが、それは打ち消された。
春葉のようにコミュニケーションにハンデのある人間相手にも、明智は優しく真摯に接してくれた。長年抱えていた不安やコンプレックスを、こんなにも焦がれている相手に肯定してもらえたことは春葉には特別なことだった。そんな嬉しさが明智への恋慕を増幅させている。
ごろり、と自室のベッドの上に転がる。
明智と初めて会ったときもこんな風に彼のことを考え、メモと彼のペンを眺めていた。会えば収まると思っていた気持ちは、満たされたと思った瞬間から飢えはじめ、浅ましくも次を欲しがっている。
また、会いたい。
この間よりも強く、そう思った。
内側から聞こえた声を押し込むように、身体を丸める。とめどなく溢れてくる気持ちに支配されそうだった。彼に会えるためならば、今は何だってできるような気がする自分が別人のようで少しだけこわい。しかし、どれだけ焦がれても春葉にはもう明智に会う手立てはない。彼のペンももう手元を離れてしまった。いくらクラスメイトの金田一が繋がりがあるとはいえ、金田一だって明智と友達というわけではない。
重たい溜息が静かな部屋の中で響く。心に黒い靄が絡まって、眠るような気分ではないが無理矢理瞳をとじた。この気持ちを満たしてくれるような「次」を望むことは到底できない悲しみで頭がいっぱいだった。
銀糸のような髪、理知的な透き通った瞳。今日会ったばかりのその姿。遠い昔のことのように感じるくらい、彼と会っていた時間はあっという間で離れてからの時間は長い。
メモ帳を開いては、閉じ、そしてまた開く。このメモがなければきっと自分の見た夢なのではないかと思うほど、現実に起こったことだとは信じられなかった。しかし、このメモの上にある文字が今日起こった現実を証明してくれる。
初めて会ったあの日。あのときとは比べ物にならないほど、想いが膨らんでいる。もう自分では収拾がつかず、何をしていても明智との時間のことを思い出してしまう。会って話せばきっと違う一面も見えて、もしかしたら理想とは違う一面も見えるのではとネガティブな予感もあったが、それは打ち消された。
春葉のようにコミュニケーションにハンデのある人間相手にも、明智は優しく真摯に接してくれた。長年抱えていた不安やコンプレックスを、こんなにも焦がれている相手に肯定してもらえたことは春葉には特別なことだった。そんな嬉しさが明智への恋慕を増幅させている。
ごろり、と自室のベッドの上に転がる。
明智と初めて会ったときもこんな風に彼のことを考え、メモと彼のペンを眺めていた。会えば収まると思っていた気持ちは、満たされたと思った瞬間から飢えはじめ、浅ましくも次を欲しがっている。
また、会いたい。
この間よりも強く、そう思った。
内側から聞こえた声を押し込むように、身体を丸める。とめどなく溢れてくる気持ちに支配されそうだった。彼に会えるためならば、今は何だってできるような気がする自分が別人のようで少しだけこわい。しかし、どれだけ焦がれても春葉にはもう明智に会う手立てはない。彼のペンももう手元を離れてしまった。いくらクラスメイトの金田一が繋がりがあるとはいえ、金田一だって明智と友達というわけではない。
重たい溜息が静かな部屋の中で響く。心に黒い靄が絡まって、眠るような気分ではないが無理矢理瞳をとじた。この気持ちを満たしてくれるような「次」を望むことは到底できない悲しみで頭がいっぱいだった。