ライラックが散るまで:2
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「それよりも本題だ。金田一。」
「例の話ってやつ?」
「あぁ。」
「な~んとなく予想はつくんだよなぁ…。」
未だテーブルの上に残ったままの食器とスプーンを金田一が指先で弄る。
「その予想通りでしょうね。"また"届いたんですよ。」
「高遠から、だろ。」
「えぇ。直々にご指名ですよ。私と、貴方が。」
「勿論俺も行くからな!」
剣持が差し出したのは一通ハガキ。送り先は警視庁のデスクだが、宛名は明智と金田一宛だ。これが何を意味するのかわからない2人ではなかった。
「そこに書かれた住所がおそらく予告場所でしょう。次の殺人劇のね…。」
「…。もう調べたのか?」
「長野県の山にある宿泊施設でした。宿泊施設としては普通の場所ですが、山の上にある為孤立した場所です。」
「わかった。呼ばれたなら行くっきゃないな。」
金田一の真剣な表情に、明智も剣持も頷く。
「1つ、お願いと言いますか…守って頂きたいことがあります。」
「なんだ?」
「今回は金田一君1人に来て貰いたい。」
「1人…1人ってことは…」
「七瀬さんは連れてこないで欲しいんです。」
「…一体なんでだ?」
「今はまだ説明できません。確証が持てたときに必ずお話します。ここに行くことを伝えるかどうかはお任せしますが、来るのは君一人だ。いいですね。」
明智の念押しに金田一も何かあるのだろうと感づく。それはきっと良くないことで、美雪を守る為に言っていることなのだと十分にわかる。
「わかった…。」
明智の言葉に潜む思いを受け止めた。金田一声は少し固かった。