ライラックが散るまで:2
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「いらっしゃいませ!」
警視庁近くのファミリーレストラン。先を歩く剣持が5人、と人数を告げると店員が一言断り、奥へと入る。
「すいません…只今大変混雑しておりまして、4名テーブルと2名テーブルで分かれてしまうのですが…」
「3人、2人か。」
「俺こっち~。」
「あ、はじめちゃん!」
金田一が先に歩き出し、案内された4名用のテーブルに座ると、そのすぐ後ろに美雪が続いた。そして何も言わずに剣持が座ってしまった。必然的に取り残された春葉と明智。
「それじゃあ私たちはこちらのテーブルに座りましょうか。」
「…。」
明智に促されて2人用のテーブルに座る。3人が座ったテーブルからは通路を挟んでいるだけなので、そこまで離れてはいない。
ちらりと3人を見ると、3人ともにこりと笑って手を振っていた。3人が何を思ってこんなことをしているのかはもうわかりきっている。正直なところ、ありがたいと思う気持ちと、憎らしい気持ちと半々だ。この食事の機会を喜んだのは事実だが、まさかここで明智と2人で面と向かって食事をすることになるとは思っていなかった。
自分はおしゃべりができない。美雪のように慣れた人間ならばこのようなシーンでももう困ることはないが、相手は明智だ。春葉が声が出ないことを知ってはいても、春葉の相手に慣れているわけではない。
しかしそれは言い訳で、きっと声がでたって同じことだっただろう。春葉は金田一とだってそんなに話すことが得意ではない。普通に会話ができない春葉に対して、同級生の男子達は交流することを最初から諦めている者が殆どだった。金田一が悪い人間ではないことは知っている。しかしこれは単純に「男子との会話」に慣れていない問題なのだ。
前に立つだけで緊張してしまう程の明智に対して、一体どうすればいいのか皆目検討がつかない。3人の好意は嬉しいがこれは明智にとって…。
「…嫌ではありませんか?」
「!」
まさしく思っていたことが目の前の男性から発せられて驚く。
殆ど反射で首を横に振ると、明智が苦笑した。
「私相手にそんなに緊張することはないですよ。警察だからと言ってこわいものではありません。」
苦笑する明智に、きっと春葉よりも何倍も気を使っているのは明智のほうなのだと理解する。いつまでたっても緊張が抜けない、春葉の態度が明智にも十分伝わってしまっているのだろう。
こんな状態ではダメだ、と思いぎゅうっと一度目を瞑り、ばしばしと頬を何度も叩いた。
「ふふっそれは一体どういう意味ですか?」
「…っ」
くすりと笑われ、顔に熱が一気に集まる。熱を冷ますように顔を振る。
「いらっしゃいませ!」
警視庁近くのファミリーレストラン。先を歩く剣持が5人、と人数を告げると店員が一言断り、奥へと入る。
「すいません…只今大変混雑しておりまして、4名テーブルと2名テーブルで分かれてしまうのですが…」
「3人、2人か。」
「俺こっち~。」
「あ、はじめちゃん!」
金田一が先に歩き出し、案内された4名用のテーブルに座ると、そのすぐ後ろに美雪が続いた。そして何も言わずに剣持が座ってしまった。必然的に取り残された春葉と明智。
「それじゃあ私たちはこちらのテーブルに座りましょうか。」
「…。」
明智に促されて2人用のテーブルに座る。3人が座ったテーブルからは通路を挟んでいるだけなので、そこまで離れてはいない。
ちらりと3人を見ると、3人ともにこりと笑って手を振っていた。3人が何を思ってこんなことをしているのかはもうわかりきっている。正直なところ、ありがたいと思う気持ちと、憎らしい気持ちと半々だ。この食事の機会を喜んだのは事実だが、まさかここで明智と2人で面と向かって食事をすることになるとは思っていなかった。
自分はおしゃべりができない。美雪のように慣れた人間ならばこのようなシーンでももう困ることはないが、相手は明智だ。春葉が声が出ないことを知ってはいても、春葉の相手に慣れているわけではない。
しかしそれは言い訳で、きっと声がでたって同じことだっただろう。春葉は金田一とだってそんなに話すことが得意ではない。普通に会話ができない春葉に対して、同級生の男子達は交流することを最初から諦めている者が殆どだった。金田一が悪い人間ではないことは知っている。しかしこれは単純に「男子との会話」に慣れていない問題なのだ。
前に立つだけで緊張してしまう程の明智に対して、一体どうすればいいのか皆目検討がつかない。3人の好意は嬉しいがこれは明智にとって…。
「…嫌ではありませんか?」
「!」
まさしく思っていたことが目の前の男性から発せられて驚く。
殆ど反射で首を横に振ると、明智が苦笑した。
「私相手にそんなに緊張することはないですよ。警察だからと言ってこわいものではありません。」
苦笑する明智に、きっと春葉よりも何倍も気を使っているのは明智のほうなのだと理解する。いつまでたっても緊張が抜けない、春葉の態度が明智にも十分伝わってしまっているのだろう。
こんな状態ではダメだ、と思いぎゅうっと一度目を瞑り、ばしばしと頬を何度も叩いた。
「ふふっそれは一体どういう意味ですか?」
「…っ」
くすりと笑われ、顔に熱が一気に集まる。熱を冷ますように顔を振る。