ライラックが散るまで:2
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「ん。事情はわかった。じゃあさ、そのペン俺に貸してよ。」
「…?」
「ん?どうした?」
ほい、っと男子の大きな手を差し出してくる金田一。「貸してくれ」と言って差し出されたこの手に渡ったが最後、このペンはもう春葉が持つことは二度とないような気がした。
「な、なんでそんな不思議そうな目で俺を見るんだ…?明智さんがいたら俺が返しておくよ。」
「…!」
何か問題でもあるのか、不思議そうな目を向ける金田一。春葉は差し出された金田一の手から守るようにペンを隠す。
「は~じ~め~ちゃ~ん!」
「へ?俺、なんか変なこと言ってる?」
「馬鹿ねぇ!乙女心がわかってないんだから!」
「お、乙女心って…は、はぁぁ~!?佐倉、お前もしかしてあんな嫌味な警視のことが好きなのか!?」
まさかそんなことだろうとは全く思っていなかった金田一は思わず声を大きくする。教室内に残っている生徒は大分少なくなったとは言え、明らかに空気を変えた金田一の大きな声に注目を浴びる。それだけではなく、昨日美雪が春葉に言うのを避けた「好き」という言葉を、金田一にこんなにもストレートに言われてしまったことに恥ずかしさで身体が固まってしまった。きっと声が出れば金田一に負けないくらい大きな声で「違う!」と否定していたかもしれない。
どう弁解をしようか春葉が考える間もなく、ゴンッっと鈍い音がしたかと思うと、金田一の頭頂部に固く握りしめた拳を振り下ろしている美雪がいた。音から察するにかなり痛そうだ。
「いってぇ~!」
「デリカシー無さ過ぎ!」
「ちぇっ、そんなのわかるかよ…。」
ぶつぶつと文句を言う金田一を美雪が一瞥し、すぐに春葉に向き直る。
「春葉ちゃん、ごめんね…。はじめちゃんって本当に馬鹿で…。」
代わりに、と言った風に眉を潜めて申し訳なさそうに謝る美雪に首や手を振って「大丈夫」だということを伝える。美雪が謝ることもなければ、金田一が悪いことでもなかった。しかし、「好き」という言葉に反応を示した心臓が未だに痛く、煩い。
「はいはい、わかったよ。じゃあついてこいよ。呼ばれたのは剣持警部だけど、明智さんもいるかもしれねーし。」
「!」
「やったぁ!春葉ちゃん、行こう!」
鞄を持って歩き出す美雪と金田一。
手に持っていたペンケースを外から触れ、中にあるものを確かめる。
胸には昨日の明智の姿。
会えるのだ、と思うと身体中が熱くて仕方なかった。
「…?」
「ん?どうした?」
ほい、っと男子の大きな手を差し出してくる金田一。「貸してくれ」と言って差し出されたこの手に渡ったが最後、このペンはもう春葉が持つことは二度とないような気がした。
「な、なんでそんな不思議そうな目で俺を見るんだ…?明智さんがいたら俺が返しておくよ。」
「…!」
何か問題でもあるのか、不思議そうな目を向ける金田一。春葉は差し出された金田一の手から守るようにペンを隠す。
「は~じ~め~ちゃ~ん!」
「へ?俺、なんか変なこと言ってる?」
「馬鹿ねぇ!乙女心がわかってないんだから!」
「お、乙女心って…は、はぁぁ~!?佐倉、お前もしかしてあんな嫌味な警視のことが好きなのか!?」
まさかそんなことだろうとは全く思っていなかった金田一は思わず声を大きくする。教室内に残っている生徒は大分少なくなったとは言え、明らかに空気を変えた金田一の大きな声に注目を浴びる。それだけではなく、昨日美雪が春葉に言うのを避けた「好き」という言葉を、金田一にこんなにもストレートに言われてしまったことに恥ずかしさで身体が固まってしまった。きっと声が出れば金田一に負けないくらい大きな声で「違う!」と否定していたかもしれない。
どう弁解をしようか春葉が考える間もなく、ゴンッっと鈍い音がしたかと思うと、金田一の頭頂部に固く握りしめた拳を振り下ろしている美雪がいた。音から察するにかなり痛そうだ。
「いってぇ~!」
「デリカシー無さ過ぎ!」
「ちぇっ、そんなのわかるかよ…。」
ぶつぶつと文句を言う金田一を美雪が一瞥し、すぐに春葉に向き直る。
「春葉ちゃん、ごめんね…。はじめちゃんって本当に馬鹿で…。」
代わりに、と言った風に眉を潜めて申し訳なさそうに謝る美雪に首や手を振って「大丈夫」だということを伝える。美雪が謝ることもなければ、金田一が悪いことでもなかった。しかし、「好き」という言葉に反応を示した心臓が未だに痛く、煩い。
「はいはい、わかったよ。じゃあついてこいよ。呼ばれたのは剣持警部だけど、明智さんもいるかもしれねーし。」
「!」
「やったぁ!春葉ちゃん、行こう!」
鞄を持って歩き出す美雪と金田一。
手に持っていたペンケースを外から触れ、中にあるものを確かめる。
胸には昨日の明智の姿。
会えるのだ、と思うと身体中が熱くて仕方なかった。