悪戯な贈り物
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『え…っ』
「あ、その…っれ、レンも言ってたようにもしかしてもっと気持ちがシンクロ出来るのかもって…思ったんだけど…」
『……』
「い、嫌かな…っ」
『えっそのっい、嫌じゃないよ!嫌じゃないけど…っ顔は私だしちょっと自分にキスするみたいで抵抗あるっていうか…』
「う…確かに。俺も自分にキスするって…でも中身が春歌だからかな?見た目は俺なのに春歌にも見えるんだよね」
…同じ気持ちだったんだ
『わ、私も…見た目は私だけど一十木くんに見える』
ぎゅっ
と一十木くんが私の手を握った
『!』
「春歌…」
(ど、どうしよう…っ目って瞑るべき!?)
ぎゅっと目を瞑って待った
しばらくしてもキスされる様子もなくそっと目を開くと、何故だか一十木くんは凄く落ち込んだ表情をしている
『……?』
「あの、ごめん、すっごく情けないんだけど俺からだと今は身長が届かないんだ」
『! そ、そうだよね…っ!』
「…うん」
『……!!えっ待って!そうだよねって…わ、わ、私から一十木くんにきききキスするってこと!??』
「だ、だって俺からはほんと背伸びしてもちょっと届かないよっ…」
ん~~っっと一十木くんはつま先で頑張って伸びてみるけど、ほんとに足りてない
少なくとも私が屈まないと届きそうにない
自分の身長を恨んだのは初めてかもしれない
(私から一十木くんにキス…っ!!!)
既に失神しそうなほど心臓は煩かった
「…じゃあ屈んでくれる?」
『え』
「やっぱりその…この姿とはいえ俺からしたいし」
『……!』
ドキドキしながら膝を曲げて少し屈む
私の顔が目の前に来た瞬間、生まれてからずっと見てきた自分の顔なのに、視界に入ったその顔は目が一十木くんで思わずドキッとする
「目…閉じて」
『…うん』
きゅっと目を閉じると
唇に柔らかい感触が当たった
「ん…っ」
『…い、ときく…ん…っ』
これ以上ないという程の幸せを感じた瞬間、
ドクンッーーー
『…!』
「うっ…!!」
心臓をぎゅっと鷲掴みされたような痛みが走り、心臓に手を当てて2人共その場に崩れ落ちた
目の前が一瞬真っ暗になる
あの日見た夢と同じように…ーー
"悪戯失敗だな…いや、お前等にとっちゃ成功か"
"まぁいい…俺も楽しませて貰ったぜ"
"悪戯解除"
ドクンッーー
2度目の痛みが心臓を貫くと、パッと元の世界が視界に広がる
『はぁはぁ…な、何?今の…』
「はぁはぁ…春歌、大丈夫?」
『うん、一十木くんはだい…』
『!』
「!」
お互い顔を上げて目を見開く
「戻ってる…!」
目の前には、自分の姿をした一十木くんではなく、正真正銘本来の姿の一十木くんがいた
一十木くんの驚いた顔をまじまじと見つめた後、自分の手のひらを見つめる
大きなゴツゴツした男の人の手ではなく、小さな私の手が映っている
そっと手を自分の頬に、髪に、体に触れる
『も、戻ってる…!!一十木くんっ私達元に戻れ…』
言いかけた途中で言葉は遮られ、ぎゅっと勢いよく一十木くんがまた私を強く抱きしめた
「やったああああっ戻った!やったね、春歌!俺達戻れたんだ!」
『い、一十木くん…っ』
自分の小さな体にではなく、今度は本物の一十木くんの体で抱きしめられて心臓がまたバクバクと跳ね上がる
でもこうして体も元に戻れて、一十木くんと想いまで通じ合えた…
「あっご、ごめん!」
歓喜のあまり勢いよく抱きついてきた体を、我に返って離そうとした背に手を回して今度は私もぎゅっと抱きしめる
「春歌…!」
『よ、良かったぁ~~…っ』
一十木くんと離れたくない
そんな気持ちから元に戻りたくないなんて思った時もあったけど、やっぱり自分の体に戻れて嬉しい
安心して私は思わずぽろぽろと涙を零す
「わっ春歌…泣かないで」
一十木くんが自分の服の袖で私の涙を拭ってくれる
でも涙はなかなか止まってくれない
『戻れて…ほんとによかったぁ…っ』
「…そうだね、やっとこうして春歌を自分の手で抱きしめられるし」
ぎゅっと抱きしめて、あやすように私の頭をそっと優しく撫でてくれる
優しい手つきに安心して涙は自然に止まった
「なんてね…へへっ」
照れ笑いする一十木くんが愛しくて、思わず笑みが溢れる
『うん』
「どうやら元に戻れたようですね」
「と…トキヤ!?それに皆も…」
『い、いつから…っ』
もしかして一部始終見られてた…!?
「すまん、お前たちが元に戻れるよう俺達に出来ることはないかとこっそり見守っていたのだ」
「僕達に何か出来ることはないかなって皆で話し合って、今日1日仕掛け人さんをしてたんです」
「ええっ!?」
「クラスの連中とか…ね。だけど余計な心配だったようだね」
『じゃああの時クラスの人が通ったのは偶然じゃなかったんですね…』
(じゃあ路地裏で抱きついてたのも見られてたんだ…)
今更ながら恥ずかしさが込み上げて耳まで真っ赤に染まる
「まぁでも!戻れて良かったよな!ずっとこのままだったらどうしようかってヒヤヒヤしたぜ!」
『皆さん…有難う御座います…っ!!沢山皆さんにも迷惑掛けちゃって…』
また止まっていた涙がぽろりと溢れ出す
「レディが元の姿に戻れてオレも凄く嬉しいよ。だからほら…泣かないでレディ、涙を拭いて」
神宮寺さんが私のところへ来て涙を拭ってくれる
『す、すみません…っ』
「ちょっとレン!春歌に言い寄るのはもうダメだからねっ!」
「おや、なんでかな?」
「なんでって…み、見てたなら分かるでしょ?」
「それがオレは大事なところを見逃しちゃったみたいでね」
「おい、神宮寺」
「イッチーもだろ?」
「何がです」
「とぼけなくてもいいさ、レディに好意を寄せてたのは知ってるんだぜ」
『へ!??』
「ええっ!?そうなの、トキヤ!?」
「な、何を馬鹿なことを…っ」
「まぁ2人が本当に恋人同士になれたっていうんなら…オレは手を引いてもいいけど」
「…じゃあ見ててよ」
『えっ……』
ちゅっ
皆の前で一十木くんが私にキスをする
皆さんの視線が一斉に私達に集中して、神宮寺さんがピュウッ♪と口を鳴らす音がした
「分かった!?春歌に手を出したら俺が許さないからね!」
「……え、おい…?」
「まさか…」
『?』
「聞いてる!?レン!」
「レディ?」
『はい』
「イッキ……?」
「……なに?」
「お、お前ら…また…」
「え」
『え』
バッと一十木くんとお互いの顔を見ると、そこにはまた自分の姿が映っていた
「『ええーーーーーっ!??』」
「なんでどうして!?」
「お前等戻ったんじゃなかったのかよっ!!」
「さっきまでは確実に…!」
『ま、また一十木くんになってるーーーっ!!』
"…と思ったけど、面白いからもうちょっとこのまま楽しませて貰うぜ"
終わり。
「あ、その…っれ、レンも言ってたようにもしかしてもっと気持ちがシンクロ出来るのかもって…思ったんだけど…」
『……』
「い、嫌かな…っ」
『えっそのっい、嫌じゃないよ!嫌じゃないけど…っ顔は私だしちょっと自分にキスするみたいで抵抗あるっていうか…』
「う…確かに。俺も自分にキスするって…でも中身が春歌だからかな?見た目は俺なのに春歌にも見えるんだよね」
…同じ気持ちだったんだ
『わ、私も…見た目は私だけど一十木くんに見える』
ぎゅっ
と一十木くんが私の手を握った
『!』
「春歌…」
(ど、どうしよう…っ目って瞑るべき!?)
ぎゅっと目を瞑って待った
しばらくしてもキスされる様子もなくそっと目を開くと、何故だか一十木くんは凄く落ち込んだ表情をしている
『……?』
「あの、ごめん、すっごく情けないんだけど俺からだと今は身長が届かないんだ」
『! そ、そうだよね…っ!』
「…うん」
『……!!えっ待って!そうだよねって…わ、わ、私から一十木くんにきききキスするってこと!??』
「だ、だって俺からはほんと背伸びしてもちょっと届かないよっ…」
ん~~っっと一十木くんはつま先で頑張って伸びてみるけど、ほんとに足りてない
少なくとも私が屈まないと届きそうにない
自分の身長を恨んだのは初めてかもしれない
(私から一十木くんにキス…っ!!!)
既に失神しそうなほど心臓は煩かった
「…じゃあ屈んでくれる?」
『え』
「やっぱりその…この姿とはいえ俺からしたいし」
『……!』
ドキドキしながら膝を曲げて少し屈む
私の顔が目の前に来た瞬間、生まれてからずっと見てきた自分の顔なのに、視界に入ったその顔は目が一十木くんで思わずドキッとする
「目…閉じて」
『…うん』
きゅっと目を閉じると
唇に柔らかい感触が当たった
「ん…っ」
『…い、ときく…ん…っ』
これ以上ないという程の幸せを感じた瞬間、
ドクンッーーー
『…!』
「うっ…!!」
心臓をぎゅっと鷲掴みされたような痛みが走り、心臓に手を当てて2人共その場に崩れ落ちた
目の前が一瞬真っ暗になる
あの日見た夢と同じように…ーー
"悪戯失敗だな…いや、お前等にとっちゃ成功か"
"まぁいい…俺も楽しませて貰ったぜ"
"悪戯解除"
ドクンッーー
2度目の痛みが心臓を貫くと、パッと元の世界が視界に広がる
『はぁはぁ…な、何?今の…』
「はぁはぁ…春歌、大丈夫?」
『うん、一十木くんはだい…』
『!』
「!」
お互い顔を上げて目を見開く
「戻ってる…!」
目の前には、自分の姿をした一十木くんではなく、正真正銘本来の姿の一十木くんがいた
一十木くんの驚いた顔をまじまじと見つめた後、自分の手のひらを見つめる
大きなゴツゴツした男の人の手ではなく、小さな私の手が映っている
そっと手を自分の頬に、髪に、体に触れる
『も、戻ってる…!!一十木くんっ私達元に戻れ…』
言いかけた途中で言葉は遮られ、ぎゅっと勢いよく一十木くんがまた私を強く抱きしめた
「やったああああっ戻った!やったね、春歌!俺達戻れたんだ!」
『い、一十木くん…っ』
自分の小さな体にではなく、今度は本物の一十木くんの体で抱きしめられて心臓がまたバクバクと跳ね上がる
でもこうして体も元に戻れて、一十木くんと想いまで通じ合えた…
「あっご、ごめん!」
歓喜のあまり勢いよく抱きついてきた体を、我に返って離そうとした背に手を回して今度は私もぎゅっと抱きしめる
「春歌…!」
『よ、良かったぁ~~…っ』
一十木くんと離れたくない
そんな気持ちから元に戻りたくないなんて思った時もあったけど、やっぱり自分の体に戻れて嬉しい
安心して私は思わずぽろぽろと涙を零す
「わっ春歌…泣かないで」
一十木くんが自分の服の袖で私の涙を拭ってくれる
でも涙はなかなか止まってくれない
『戻れて…ほんとによかったぁ…っ』
「…そうだね、やっとこうして春歌を自分の手で抱きしめられるし」
ぎゅっと抱きしめて、あやすように私の頭をそっと優しく撫でてくれる
優しい手つきに安心して涙は自然に止まった
「なんてね…へへっ」
照れ笑いする一十木くんが愛しくて、思わず笑みが溢れる
『うん』
「どうやら元に戻れたようですね」
「と…トキヤ!?それに皆も…」
『い、いつから…っ』
もしかして一部始終見られてた…!?
「すまん、お前たちが元に戻れるよう俺達に出来ることはないかとこっそり見守っていたのだ」
「僕達に何か出来ることはないかなって皆で話し合って、今日1日仕掛け人さんをしてたんです」
「ええっ!?」
「クラスの連中とか…ね。だけど余計な心配だったようだね」
『じゃああの時クラスの人が通ったのは偶然じゃなかったんですね…』
(じゃあ路地裏で抱きついてたのも見られてたんだ…)
今更ながら恥ずかしさが込み上げて耳まで真っ赤に染まる
「まぁでも!戻れて良かったよな!ずっとこのままだったらどうしようかってヒヤヒヤしたぜ!」
『皆さん…有難う御座います…っ!!沢山皆さんにも迷惑掛けちゃって…』
また止まっていた涙がぽろりと溢れ出す
「レディが元の姿に戻れてオレも凄く嬉しいよ。だからほら…泣かないでレディ、涙を拭いて」
神宮寺さんが私のところへ来て涙を拭ってくれる
『す、すみません…っ』
「ちょっとレン!春歌に言い寄るのはもうダメだからねっ!」
「おや、なんでかな?」
「なんでって…み、見てたなら分かるでしょ?」
「それがオレは大事なところを見逃しちゃったみたいでね」
「おい、神宮寺」
「イッチーもだろ?」
「何がです」
「とぼけなくてもいいさ、レディに好意を寄せてたのは知ってるんだぜ」
『へ!??』
「ええっ!?そうなの、トキヤ!?」
「な、何を馬鹿なことを…っ」
「まぁ2人が本当に恋人同士になれたっていうんなら…オレは手を引いてもいいけど」
「…じゃあ見ててよ」
『えっ……』
ちゅっ
皆の前で一十木くんが私にキスをする
皆さんの視線が一斉に私達に集中して、神宮寺さんがピュウッ♪と口を鳴らす音がした
「分かった!?春歌に手を出したら俺が許さないからね!」
「……え、おい…?」
「まさか…」
『?』
「聞いてる!?レン!」
「レディ?」
『はい』
「イッキ……?」
「……なに?」
「お、お前ら…また…」
「え」
『え』
バッと一十木くんとお互いの顔を見ると、そこにはまた自分の姿が映っていた
「『ええーーーーーっ!??』」
「なんでどうして!?」
「お前等戻ったんじゃなかったのかよっ!!」
「さっきまでは確実に…!」
『ま、また一十木くんになってるーーーっ!!』
"…と思ったけど、面白いからもうちょっとこのまま楽しませて貰うぜ"
終わり。
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