悪戯な贈り物
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13時に中庭で待ち合わせ
待ちきれなくてソワソワしながら12時半には着くと、一十木くんももう着ていた
『い、一十木くん!おはよう…っは、早いね!』
私が声を掛けるとびくっと身体を跳ねさせて振り返った
「お、おはよう!なんか寝付けなくって…あはは」
『わ、私も…』
「えっ!?」
『えっ?』
「……(ど、どういう意味だろう)」
『……(わ、私何か変なこと言ったかな…?)』
「い、行こっか…?」
『う、うん』
一十木くんと肩を並べて歩き出す
今日は天気も良くて日差しがポカポカと暖かく気持ちがいい
行き先も特に決めずに、とりあえず街の通りにでる
休日だからか人でごった返している
あまりの人の多さに避けても避けても、肩をぶつけそうになる
『わっ…休みなだけあって人多いね』
「そうだね。逸れないかな…あ、て…手繋ごうか」
すっと手を差し出された
『えっ』
ドキッとして一十木くんを見ると、照れて頬を染めながらも今度は引っ込める様子もなく黙って私が握り返すのを待っている
『……』
ドキドキしながらそっと手をのせると、キュッと優しく握られた
「これなら逸れる心配ないよね」
ニコッと微笑みながらも一十木くんは照れて、すぐ視線を逸らした
私も胸のドキドキが繋いだ手を通して伝わってしまうんじゃないかって思って、顔を上手く見れない
(私、今身体入れ替わってて良かったな…もし一十木くんの大きな手で同じことされてたら心臓ドキドキし過ぎて止まってたかもしれない)
お互い黙ったまましばらく歩く
沈黙が続いたけど、とくに嫌でもなく心地いい
「よ…よし!どこ行こっか!?春歌行きたいとこある!?」
まだ少し頬を染めながら一十木くんが振り返って笑顔で聞いてきた
『え、えっと…じゃあ…』
それから2人で服屋やアクセサリーショップ、ゲーセンやカフェ
色んなところを回った
一十木くんと行く場所は何処も楽しくて、2人で沢山笑った
(…本当の姿でデート出来たらもっと嬉しかったな
でも本当の姿に戻ったらもうこうして一十木くんと一緒に楽しくお喋りしたり一緒に出掛けたりなんて…出来ないんだろうな)
本当は体が入れ替わった原因を知ってる
きっと私が一十木くんともっと仲良くなりたいって強く願って、こうなった
だからそれを伝えたら元の姿に戻れるかもしれない
でも……
私は一十木くんと一緒に居られて嬉しい気持ちから
少し、元の姿に戻るのが怖くなっていた
(言わなきゃいけないのに…)
「わぁ、もうすっかり暗くなっちゃったね。そろそろ帰ろっか」
『あ、そ、そうだね』
(帰りたくないな…)
もしかしたらこれが一十木くんとの最初で最後のデートかもしれない
そう思って顔を見れずに返事をすると、急にぐいっと腕を引っ張られた
突然のことでビックリしながら見ると、一十木くんと狭い路地裏に体を密着させている
『!? い、一十…』
「しっ!!クラスの奴らだ!」
"見られたらまずいでしょ"と小さく囁かれた
先程まで歩いてた通りを見ると確かにクラスの人が数人、歩いている
(でも…この状況は…)
体は私、なのに中身は一十木くんで喋り方や仕草も一十木くん
だから見た目は私なのにドキドキしてしまって息ができない
ぎゅ…っ
繋いでいる手に力が加わる
ばくばくと心臓が煩く音を立てる
(こんな密着してたら一十木くんに音が聞こえちゃうかも…っ!)
「ごめんね、苦しいよね」
『えっ!?う、ううん…大丈夫』
「もうちょっとだけ我慢してね」
本当はもう心臓が持ちそうになかったけど、同時にずっとこのままで居たいとも思った
(やっぱり言えないよ…)
***
あの後、クラスの人にはなんとか見つからずに無事学園まで戻って来れた
『あの、一十木くん!今日はどうも有難う』
「ううん、こっちこそ!俺凄く楽しかった!」
『私も』
にこっと笑って、じゃあねと一十木くんが踵を返して寮へ戻ろうとする
(バイバイかぁ…淋しいな)
きゅっ
「!」
私は無意識に一十木くんの服の袖を掴んでいた
『…あっ!!』
気付いて赤面しながらパッと手を離す
「……ねぇ、春歌」
『ご、ごめん…っ何でもないの!気にしないで!』
恥ずかしくて顔を見れずに焦って寮へ戻ろうとする私の手を今度は一十木くんが掴んだ
「待って!」
『一十木くん…?』
待ちきれなくてソワソワしながら12時半には着くと、一十木くんももう着ていた
『い、一十木くん!おはよう…っは、早いね!』
私が声を掛けるとびくっと身体を跳ねさせて振り返った
「お、おはよう!なんか寝付けなくって…あはは」
『わ、私も…』
「えっ!?」
『えっ?』
「……(ど、どういう意味だろう)」
『……(わ、私何か変なこと言ったかな…?)』
「い、行こっか…?」
『う、うん』
一十木くんと肩を並べて歩き出す
今日は天気も良くて日差しがポカポカと暖かく気持ちがいい
行き先も特に決めずに、とりあえず街の通りにでる
休日だからか人でごった返している
あまりの人の多さに避けても避けても、肩をぶつけそうになる
『わっ…休みなだけあって人多いね』
「そうだね。逸れないかな…あ、て…手繋ごうか」
すっと手を差し出された
『えっ』
ドキッとして一十木くんを見ると、照れて頬を染めながらも今度は引っ込める様子もなく黙って私が握り返すのを待っている
『……』
ドキドキしながらそっと手をのせると、キュッと優しく握られた
「これなら逸れる心配ないよね」
ニコッと微笑みながらも一十木くんは照れて、すぐ視線を逸らした
私も胸のドキドキが繋いだ手を通して伝わってしまうんじゃないかって思って、顔を上手く見れない
(私、今身体入れ替わってて良かったな…もし一十木くんの大きな手で同じことされてたら心臓ドキドキし過ぎて止まってたかもしれない)
お互い黙ったまましばらく歩く
沈黙が続いたけど、とくに嫌でもなく心地いい
「よ…よし!どこ行こっか!?春歌行きたいとこある!?」
まだ少し頬を染めながら一十木くんが振り返って笑顔で聞いてきた
『え、えっと…じゃあ…』
それから2人で服屋やアクセサリーショップ、ゲーセンやカフェ
色んなところを回った
一十木くんと行く場所は何処も楽しくて、2人で沢山笑った
(…本当の姿でデート出来たらもっと嬉しかったな
でも本当の姿に戻ったらもうこうして一十木くんと一緒に楽しくお喋りしたり一緒に出掛けたりなんて…出来ないんだろうな)
本当は体が入れ替わった原因を知ってる
きっと私が一十木くんともっと仲良くなりたいって強く願って、こうなった
だからそれを伝えたら元の姿に戻れるかもしれない
でも……
私は一十木くんと一緒に居られて嬉しい気持ちから
少し、元の姿に戻るのが怖くなっていた
(言わなきゃいけないのに…)
「わぁ、もうすっかり暗くなっちゃったね。そろそろ帰ろっか」
『あ、そ、そうだね』
(帰りたくないな…)
もしかしたらこれが一十木くんとの最初で最後のデートかもしれない
そう思って顔を見れずに返事をすると、急にぐいっと腕を引っ張られた
突然のことでビックリしながら見ると、一十木くんと狭い路地裏に体を密着させている
『!? い、一十…』
「しっ!!クラスの奴らだ!」
"見られたらまずいでしょ"と小さく囁かれた
先程まで歩いてた通りを見ると確かにクラスの人が数人、歩いている
(でも…この状況は…)
体は私、なのに中身は一十木くんで喋り方や仕草も一十木くん
だから見た目は私なのにドキドキしてしまって息ができない
ぎゅ…っ
繋いでいる手に力が加わる
ばくばくと心臓が煩く音を立てる
(こんな密着してたら一十木くんに音が聞こえちゃうかも…っ!)
「ごめんね、苦しいよね」
『えっ!?う、ううん…大丈夫』
「もうちょっとだけ我慢してね」
本当はもう心臓が持ちそうになかったけど、同時にずっとこのままで居たいとも思った
(やっぱり言えないよ…)
***
あの後、クラスの人にはなんとか見つからずに無事学園まで戻って来れた
『あの、一十木くん!今日はどうも有難う』
「ううん、こっちこそ!俺凄く楽しかった!」
『私も』
にこっと笑って、じゃあねと一十木くんが踵を返して寮へ戻ろうとする
(バイバイかぁ…淋しいな)
きゅっ
「!」
私は無意識に一十木くんの服の袖を掴んでいた
『…あっ!!』
気付いて赤面しながらパッと手を離す
「……ねぇ、春歌」
『ご、ごめん…っ何でもないの!気にしないで!』
恥ずかしくて顔を見れずに焦って寮へ戻ろうとする私の手を今度は一十木くんが掴んだ
「待って!」
『一十木くん…?』