悪戯な贈り物
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昼休みー
翔くんに呼び出されて、私達は屋上に集まった
「も~!今日は食堂でカレー食べようと思ってたのになぁ」
「黙れっ!!お前らの為にこうして俺ら集まってるんだろうが!カレーくらい我慢しろっ!」
「ちぇー」
『あの、今日もなんかいけないとこありました…?』
最近は元の体に戻れるように7人で集まって定期的に"作戦会議"を開くようになった
時には、戻れるようにの作戦の話し合い
時には、私や一十木くんがそれぞれ本人らしく振る舞えているかどうかを指摘して貰ったりして改善していったり
「お前ら…今日の自分振り返ってみてどうだった?」
「う~ん、今日は座学多くて疲れたな~!俺歌ったり体動かす授業の方が好きだし」
「そんなこと聞いてねーよっ!!春歌らしく振る舞えたと思ってるかどうかを聴いてるんだ!!」
「うん!女の子らしくって難しいなって思うけど、結構春歌らしく出来てるんじゃないかな!俺って才能あるかも!なんて思っちゃった!!」
「………」
一十木くんの横で聖川さんがげんなりした顔で小さくため息を吐いた
『わ、私も完璧とは言えないですけど…俺って言うのもまだ恥ずかしさはあるけど大分慣れてきたし、割と一十木くんらしく振る舞えてるかなって…』
「前みたいに内股の音也くんも可愛かったですけど、最近の春歌ちゃんはとってもかっこいいです!僕も勉強今度教えてくれると嬉しいなぁ」
『え、ほんと!?ありがとう…えへへ!勉強ならいつでも…』
「だーーーーっ!!!!!おっまっえっら…ぜんっぜんなってねぇ!」
「ええっ!?」
『ど、どこがですか…!?』
「んーレディはよく頑張ってると思うけど…イッキが"Aクラスの神宮寺レン"て言われてるのを聞いたよ」
『ええっじ、神宮寺さんみたいってことですか!?』
そ、それってむしろ光栄っていうか…!
でも今は一十木くんらしく見えてなきゃいけないからダメなんだよね…
「なんていうのかな…前はイッキはあまりレディ達とそんなに喋ってなかったけど、レディと仲良くなったよね?」
『あ、確かに…私は女子トークのつもりでしたけど、よく考えたら私は今一十木くんだからちょっと違いますね』
「大分ニュアンスが変わりますよ。女子同士でしたら貴女の会話は女子トークでしょうが、男が女子にああいったトークをするのは端から見れば女たらしにも見えます」
『そうなんですか…!き、気をつけますっ!』
「イッチー?なんか今言葉に刺を感じたんだけど気のせいかな」
「気のせいでしょう」
「で、問題は音也!お前だ!!」
「え、俺っ!?」
「聖川、コイツの普段の様子見ててどうだ」
「……以前の春歌とは真逆だな」
「ええっ嘘ぉ!??」
「お前らの様子が気になって、ちょくちょく見に行ったり聖川から様子聞いてたりしたけど……お前!早弁して昼食もガッツリ食べて授業中は居眠りして休み時間は外出てサッカーしたり走るなっつった廊下も走ってんじゃねぇか!!!」
「あ、あはは…ちょっとまずかった?」
翔くんは怒る元気もない、といった感じで頭を抱えて深いため息を吐いた
「もうお前らの中身が元に戻るまで気が気じゃねーよ…」
『ご、ごめんね!翔くん!私頑張るからっ!!』
「春歌…」
「まぁこれまでそれぞれ女性や男として生きてきたのだ、急に性別が変わって本人達も戸惑っている。多少は仕方あるまい」
「聖川は甘ぇなぁ~」
「マサ~~~っ!!!!大好きっ!」
一十木くんが聖川さんの優しい言葉に感動して思わず涙目で抱きついた
「あっ!馬鹿、お前…っ」
「!! わあああああっそ、その身体で抱きつくな…っ!!!!」
聖川さんは顔を真っ赤にして、ドンっと突き放した
「わっ」
「おい、聖川。身体はレディなんだから」
「す、すまない…!今のは反射的に…っ!!」
『……』
私が聖川さんに抱きついたわけではないのに、なんだか恥ずかしい上に申し訳ない気持ちになった
(もう…一十木くんたら…っ)