好きだから怖いんです
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那っちゃんとお付き合いを始めてから、早1ヶ月
最近どうも那っちゃんの様子がおかしい
『音也おはよー』
「春歌、おはよう!あっ、那月もおはよ!」
『! 那っちゃん!?』
一体いつの間に後ろに…
「…おはようございます」
寂しそうな表情をして那っちゃんが後ろに立っていた
と、思うとすっと自分の席へと着いてしまう
どうしたんだろう…具合でも悪いのかな
「那月どうしたのかな?最近ずっとああだよね」
『うーん、私も分からないんだよね…』
「春歌、一十木おはよう」
「マサ、おはよう」
『あっ真斗、おはよ』
「…む、四ノ宮と喧嘩でもしたのか?」
『え?』
「先程からずっとこちらをちらちらと見ているようだが…」
『えっ、あ、ほんとだ』
那っちゃんの方を見ると、そわそわしながらこちらの様子を伺っているようだ
でも目が合うとパッと逸らされちゃう…何なんだろう?
『喧嘩してはいないんだけど…私何かしたかな?』
「本人に聞いてみてはどうだ?思い過ごしということもあるかもしれん」
「そうだね、なんか那月聞いて欲しそうにしてるし」
『うん…そうだね、聞いてみる!!』
ドキドキと緊張しながら那っちゃんに近づいていく
後ろで音也が小さい声で"がんばっ!"と言って背中を押してくれる
那っちゃんの机の前まで来ると、私が近づいてくるのに気付いた様子の那っちゃんがそわそわしだした
『那っちゃん』
なるべく明るい調子で声を掛ける
「な、なんですか?」
『あの………いい天気だねっ!!!』
「そうですね」
(がんばれっ!!)
後ろの方で音也と真斗が見守りながら応援してくれてるのが分かる
うう…何言ってんだろ、本題に入らなきゃ
『そのぅ…あの、ね…』
「はい」
『私…何かした?』
「え…?」
やっと言えた!!
言った後もドキドキする
『最近なんか那っちゃんの様子変だし、もしかして私のせいなのかなって…』
「ぼ、僕はいつも通りですよ?」
『え、いやでも』
「別に寂しくなんかないですし…」
『寂しい?』
「えっ!?あっ!ち、違います…っ別に春歌ちゃんがもっと僕だけ見ててくれたらとかそんなこと考えてないです!」
『へ!?』
「ああっち、違うんです…っ!他の皆とあまり仲良くしないで欲しいとかそんなこと全然…っ!!」
「あー那月、嫉妬してたんだ!」
「こら、一十木…っ」
「!! ち…ち、違いますっ!!」
バンッ
顔を真っ赤にした那っちゃんが勢いよく教室から飛び出して行った
『あっ那っちゃん、待って!』
思わず私も後を追いかける
『那っちゃん待ってー!!』
全速力で追いかけるけど、足の長さの差だろうか
距離は遠ざかる一方だ
でも目的地はなんとなく分かる、那っちゃんが向かっているのは多分屋上だ
『ぜぇぜぇ…つ、着いた…っ』
屋上の扉の前で一度息を整えて、ドアを勢いよく開けた
ゴンッ
鈍い音と同時に、聞き覚えのある声がドアの後ろから聞こえた
「い、痛…っ」
『な、那っちゃん!?ごごごめん、そんなとこにいると思わなくて…っ』
ドアの後ろを覗いて見ると、屋上のドアを開けた真横に那っちゃんが大きな身体をぎゅっと小さくして体育座りをしていた
ドアがぶつかったのであろう頭に両手を当てながら私を見上げ、驚いた表情をしたかと思うと一瞬で悲しそうな表情に変わってまたすぐ俯いて腕を組んで顔を埋めてしまった
「…っ!春歌ちゃん、どうしてここだと…あっいえ、あの…さっきのことは忘れてください…っ」
『……でも私、嬉しかったよ』
「……!」
『……』
「……」
『…ほんとに忘れていいの?』
今日はとっても空が青くて、日差しが暑い
強い太陽の光が、屋上のタイルに私と那っちゃんの影を作っている
那っちゃんの影が伸びて私の影と繋がった
ぎゅっ
と右手だけ伸ばして俯いたまま、私のシャツを掴んだ
「やっぱり……忘れちゃ嫌です」
『うん…っ』
「僕の話、聞いてくれますか?」
『うん』
「聞いても…嫌いにならないでくれますか?」
私のシャツを掴んでいる那っちゃんの手をゆっくり取り、私の左手と那っちゃんの右手をきゅっと繋ぐ
そして、にっこり笑って私も那っちゃんの横へと腰掛けた
『うん』
顔を埋めたまま、ちらりと私を見た那っちゃんの頬は少し赤く色付いて見えた
目だけしか見えていないけど、薄っすら微笑んでいるのがわかった
安心、してくれたのかな
「僕…春歌ちゃんが好き過ぎて、音也くんや真斗くんに黒い感情を抱いてしまいました。友達なのに…」
那っちゃんは左腕の中に顔を埋めたまま、目はどこかずっと遠くを見るような目で真っすぐ前を見ている
「僕ずっと春歌ちゃんの一番でいたいです。春歌ちゃんの傍にいるのも一緒に笑うのも話すのも全部全部僕だけが独り占めしたいんです。だから音也くん達と春歌ちゃんが楽しそうに笑っているのを見ると…苦しくって…。でもこんな我が儘言ったら春歌ちゃんに嫌われてしまうかもって怖くて…」
『………以上ですか?』
「はい……」
私も両足を立てて体育座りの体勢をとり、右腕で顔を隠せるだけ隠す
『それは…私も一緒です』
「…え?」
『那っちゃんモテるし…他の女の子が那っちゃんに話しかけるだけで嫌だし怖い。気が気じゃないよ。那っちゃん皆に優しいし…』
「そんなことないですっ!!僕が一番大事にしてるのは春歌ちゃんだけですっ!」
『…ほんとに?』
「ほんとです。信じられませんか?」
『…ううん、信じてる』
私がそう言うと、那っちゃんは嬉しそうに優しい笑顔で笑った
『ねぇ那っちゃん。私も…那っちゃんを一番大事にしてるよ。信じて…ほしいな』
「春歌ちゃん…!ありがとう…はい、僕も信じてます。信じているんですけど、好きだから不安になっちゃうんですね。たまにこうして言葉で聞いてもいいですか…?」
『今すぐキスしてくれたら…いいよ』
「ふふ…っイケない子ですね」
ちゅっ
雲ひとつない青い青い空の下、屋上で2人の影が重なった
お互いにちょっと顔を赤く染めながら微笑みあう
繋いでいる手の体温が上がったような気がした
『不安になったらまたこうして話してね、約束だよ』
「はい、約束です」
私たちは手をぎゅっと繋いだまま、またキスをした
-----
20万打企画小説* 8位 那っちゃん
※この小説は、リクエスト案くださった方が無記名だった為お持ち帰り自由です。
那っちゃんの嫉妬ということでリクエスト案頂きました~ありがとうございます!
個人的に那っちゃんは嫉妬する以前に、周りの目気にせず「僕のですよ~ふふふっ」とか平気で言うしアピールするし抱きついて離さないというイメージなので、どう書けばいいのか全く思いつかなくて苦戦しましたw
嫉妬=拗ねる、という方程式で書いてみました~^^*
2013/6/2
最近どうも那っちゃんの様子がおかしい
『音也おはよー』
「春歌、おはよう!あっ、那月もおはよ!」
『! 那っちゃん!?』
一体いつの間に後ろに…
「…おはようございます」
寂しそうな表情をして那っちゃんが後ろに立っていた
と、思うとすっと自分の席へと着いてしまう
どうしたんだろう…具合でも悪いのかな
「那月どうしたのかな?最近ずっとああだよね」
『うーん、私も分からないんだよね…』
「春歌、一十木おはよう」
「マサ、おはよう」
『あっ真斗、おはよ』
「…む、四ノ宮と喧嘩でもしたのか?」
『え?』
「先程からずっとこちらをちらちらと見ているようだが…」
『えっ、あ、ほんとだ』
那っちゃんの方を見ると、そわそわしながらこちらの様子を伺っているようだ
でも目が合うとパッと逸らされちゃう…何なんだろう?
『喧嘩してはいないんだけど…私何かしたかな?』
「本人に聞いてみてはどうだ?思い過ごしということもあるかもしれん」
「そうだね、なんか那月聞いて欲しそうにしてるし」
『うん…そうだね、聞いてみる!!』
ドキドキと緊張しながら那っちゃんに近づいていく
後ろで音也が小さい声で"がんばっ!"と言って背中を押してくれる
那っちゃんの机の前まで来ると、私が近づいてくるのに気付いた様子の那っちゃんがそわそわしだした
『那っちゃん』
なるべく明るい調子で声を掛ける
「な、なんですか?」
『あの………いい天気だねっ!!!』
「そうですね」
(がんばれっ!!)
後ろの方で音也と真斗が見守りながら応援してくれてるのが分かる
うう…何言ってんだろ、本題に入らなきゃ
『そのぅ…あの、ね…』
「はい」
『私…何かした?』
「え…?」
やっと言えた!!
言った後もドキドキする
『最近なんか那っちゃんの様子変だし、もしかして私のせいなのかなって…』
「ぼ、僕はいつも通りですよ?」
『え、いやでも』
「別に寂しくなんかないですし…」
『寂しい?』
「えっ!?あっ!ち、違います…っ別に春歌ちゃんがもっと僕だけ見ててくれたらとかそんなこと考えてないです!」
『へ!?』
「ああっち、違うんです…っ!他の皆とあまり仲良くしないで欲しいとかそんなこと全然…っ!!」
「あー那月、嫉妬してたんだ!」
「こら、一十木…っ」
「!! ち…ち、違いますっ!!」
バンッ
顔を真っ赤にした那っちゃんが勢いよく教室から飛び出して行った
『あっ那っちゃん、待って!』
思わず私も後を追いかける
『那っちゃん待ってー!!』
全速力で追いかけるけど、足の長さの差だろうか
距離は遠ざかる一方だ
でも目的地はなんとなく分かる、那っちゃんが向かっているのは多分屋上だ
『ぜぇぜぇ…つ、着いた…っ』
屋上の扉の前で一度息を整えて、ドアを勢いよく開けた
ゴンッ
鈍い音と同時に、聞き覚えのある声がドアの後ろから聞こえた
「い、痛…っ」
『な、那っちゃん!?ごごごめん、そんなとこにいると思わなくて…っ』
ドアの後ろを覗いて見ると、屋上のドアを開けた真横に那っちゃんが大きな身体をぎゅっと小さくして体育座りをしていた
ドアがぶつかったのであろう頭に両手を当てながら私を見上げ、驚いた表情をしたかと思うと一瞬で悲しそうな表情に変わってまたすぐ俯いて腕を組んで顔を埋めてしまった
「…っ!春歌ちゃん、どうしてここだと…あっいえ、あの…さっきのことは忘れてください…っ」
『……でも私、嬉しかったよ』
「……!」
『……』
「……」
『…ほんとに忘れていいの?』
今日はとっても空が青くて、日差しが暑い
強い太陽の光が、屋上のタイルに私と那っちゃんの影を作っている
那っちゃんの影が伸びて私の影と繋がった
ぎゅっ
と右手だけ伸ばして俯いたまま、私のシャツを掴んだ
「やっぱり……忘れちゃ嫌です」
『うん…っ』
「僕の話、聞いてくれますか?」
『うん』
「聞いても…嫌いにならないでくれますか?」
私のシャツを掴んでいる那っちゃんの手をゆっくり取り、私の左手と那っちゃんの右手をきゅっと繋ぐ
そして、にっこり笑って私も那っちゃんの横へと腰掛けた
『うん』
顔を埋めたまま、ちらりと私を見た那っちゃんの頬は少し赤く色付いて見えた
目だけしか見えていないけど、薄っすら微笑んでいるのがわかった
安心、してくれたのかな
「僕…春歌ちゃんが好き過ぎて、音也くんや真斗くんに黒い感情を抱いてしまいました。友達なのに…」
那っちゃんは左腕の中に顔を埋めたまま、目はどこかずっと遠くを見るような目で真っすぐ前を見ている
「僕ずっと春歌ちゃんの一番でいたいです。春歌ちゃんの傍にいるのも一緒に笑うのも話すのも全部全部僕だけが独り占めしたいんです。だから音也くん達と春歌ちゃんが楽しそうに笑っているのを見ると…苦しくって…。でもこんな我が儘言ったら春歌ちゃんに嫌われてしまうかもって怖くて…」
『………以上ですか?』
「はい……」
私も両足を立てて体育座りの体勢をとり、右腕で顔を隠せるだけ隠す
『それは…私も一緒です』
「…え?」
『那っちゃんモテるし…他の女の子が那っちゃんに話しかけるだけで嫌だし怖い。気が気じゃないよ。那っちゃん皆に優しいし…』
「そんなことないですっ!!僕が一番大事にしてるのは春歌ちゃんだけですっ!」
『…ほんとに?』
「ほんとです。信じられませんか?」
『…ううん、信じてる』
私がそう言うと、那っちゃんは嬉しそうに優しい笑顔で笑った
『ねぇ那っちゃん。私も…那っちゃんを一番大事にしてるよ。信じて…ほしいな』
「春歌ちゃん…!ありがとう…はい、僕も信じてます。信じているんですけど、好きだから不安になっちゃうんですね。たまにこうして言葉で聞いてもいいですか…?」
『今すぐキスしてくれたら…いいよ』
「ふふ…っイケない子ですね」
ちゅっ
雲ひとつない青い青い空の下、屋上で2人の影が重なった
お互いにちょっと顔を赤く染めながら微笑みあう
繋いでいる手の体温が上がったような気がした
『不安になったらまたこうして話してね、約束だよ』
「はい、約束です」
私たちは手をぎゅっと繋いだまま、またキスをした
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20万打企画小説* 8位 那っちゃん
※この小説は、リクエスト案くださった方が無記名だった為お持ち帰り自由です。
那っちゃんの嫉妬ということでリクエスト案頂きました~ありがとうございます!
個人的に那っちゃんは嫉妬する以前に、周りの目気にせず「僕のですよ~ふふふっ」とか平気で言うしアピールするし抱きついて離さないというイメージなので、どう書けばいいのか全く思いつかなくて苦戦しましたw
嫉妬=拗ねる、という方程式で書いてみました~^^*
2013/6/2
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