そわそわお家デート
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あー…くっそ
なんで俺がこんな緊張してんだ
ただ彼女の家に遊びに来ただけじゃねーか
アイツが…春歌が週末家に遊びに来いっつーから来てやっただけで
別にそれだけじゃねーか
初めて彼女の家に行くからって何も緊張するようなことはねぇ
あの馬鹿女のことだ、どうせ何も考えずに呼んだだけだろ
そうに決まってる…何も期待すんな
いや、期待すんなって何だよ
何も期待してねーよ、馬鹿か俺!
あーーーくっそ!
もういい、さっさと入るか
ピンポーーン♪
春歌の家のチャイムを鳴らすと、はーいと中から声とぱたぱたと走ってくる音が聞こえて勢いよくドアが開いた
『蘭ちゃん、いらっしゃい!迷わなかった!?』
「おっまぇなぁ…誰か確認してから開けろよ。危ねぇな」
『え、あ、そっか。そうだよねぇ、えへへ気をつける!』
「…お前ほんとに分かってんのか」
ほんと抜けてるっつーか、危なっかしい奴だな
『まぁとにかく上がって上がって!今ねー丁度準備終わったとこ』
「? 何のだよ」
ぐいっと俺の手を引っ張って、リビングへと連れて行く
リビングに入る前の扉で、くるっと俺の方を向いて笑う
「?」
『蘭ちゃん、目…瞑って?』
「あ?」
『いいから。私が良いっていうまで開けちゃダメだよ?』
「…ああ」
言われるがまま目を瞑った状態で、ゆっくり手を引っ張られ誘導される
何も見えない、どこに何があるのか分からない状態で全てを春歌に任せて歩く
『ここ、ソファだからゆっくり座って』
春歌の手を握りながら、ゆっくり後ろへと身体を傾けるとぼふっとソファに腰掛けた感覚がした
てことは、リビングについたのか
「もういいか?」
『まだダメ』
なんだ?一体何してんだ
目を開かないまま春歌の動いている気配を探ると、ソファが軽く右側に一瞬傾いたのを感じる
どうやら横に腰掛けたみてぇだな
『蘭ちゃん…これ…使って』
おずおずとした調子でそう言いながら、俺の手に何か硬い物を持たせてきた
ゴツゴツといくつか突起のある硬い物
な、なんだよ、これ…まさか、嘘だろ、おい…
『もう…開けていいよ』
耳元でそっと囁く春歌の声に、吐息が耳に当たりぞくっとする
目をゆっくり開いて、手の中に入った硬い物を視認する
PS2のコントローラーだ…
「……」
目の前を見ると、テーブルにはパーティー開きされたお菓子の山と炭酸ジュース
TVはきっちりゲーム画面にセットされていて、画面には"人生ゲームDX"
『よぅし、どっちが勝つか勝負だよ!蘭ちゃんっ!!』
隣には俺の気も知らないで、人生ゲームDXで真剣勝負を挑んでくる彼女…
うおおおおおおおおおおお死にたい
さっきまでの俺の気持ちを返せええええええっ
くっそ!コイツが鈍いのも、そういうことに疎いのも十分理解してたはずなのに一体何を期待してたんだ俺は
馬鹿か!くっそ、自分を殴りてええええええええっ!!!!!
『蘭ちゃん1コンねー!』
「ああ…」
げんなりしながらも、コントローラーを操作してキャラの設定を作っていく
っつーか、いい歳こいてなんで人生ゲームなんかやんなきゃなんねーんだか…
『あ、待って蘭ちゃん。キャラの顔は作ってあるの』
「あ?」
『これ、蘭ちゃんでーこっちが私!』
画面を見ると、事前に作ったらしい俺の顔と春歌の顔が用意されていた
「…暇人」
『何をー!結構大変だったんだよ?そっくりに作るの。蘭ちゃんの悪~い目つき再現出来るパーツ真剣に選んでさ~』
「誰が悪い目つきだ、コラッ」
コツッ
と春歌のおでこを軽く小突く
くっそ、なんだよコイツ可愛いな
俺と人生ゲームなんかやるのどんだけ楽しみにしてたんだよ
わざわざ俺の顔まで事前に作ってんじゃねーよ
さっきまで心の中で馬鹿にしていた人生ゲームが途端に面白く感じた
「やるからには負けねー。俺に勝てると思うなよ」
『お!?言ったね!私はこの日の為に何回も特訓してきたのだよ!私の偉大な力の前に平伏すがいいよ蘭ちゃん!ふははははっ』
「お、まえ…どんだけ暇なんだよ」
やべぇコイツ…マジで可愛いな
キスしてぇ
でもここですんのもな…くっそ
欲望を抑えて真剣にゲームに勤しむこと1時間ー
「嘘だろ…」
『見たかー!ほらねほらねっ!言ったでしょ!?やったーきゃあーーっ♪』
結果は春歌の圧勝
俺はゲームの中でも出だし絶好調で億万長者に上り詰めたかと思うと、大暴落。多額の借金を抱えて、必死に返し続ける一生だった
くっそ、嫌なゲームだな…現実と被ってんじゃねーよ
一方、春歌はただの平々凡々な人生だったけれども借金もなく幸せな人生で終えた
きゃーきゃーと歓喜しながら、春歌がソファの上でボンボンと跳ねて喜ぶ
「おい、馬鹿。パンツ見えんぞ」
『!』
軽い気持ちで事実を述べた一言に、春歌は急に真っ赤になってスカートを抑えて大人しく横に座りなおした
…っ!なんだよ、急にそこでしおらしくなんなよ
襲われたいのか、馬鹿
『み、見た?』
「あ?」
『ぱ、パンツ…』
「見てねーよ、花柄パンツなんて」
『! ら、蘭ちゃんのエッチ…』
「ばーか、男なんか皆エロいこと考えてんだよ」
『そ、そうなの…?』
「あたりめーだろ。お前他の男の前で今みたいなことすんじゃねーぞ、襲われるぞ」
『……蘭ちゃんは襲わないの?』
ちらっと真っ赤な顔で俺の様子を伺うように見てくる
な、に…言ってんだコイツ
なんでそんな無防備なことばっか言うんだよ
俺がどれだけ必死で抑えてるか、ちったぁ考えろ
っつーか他の男にんな態度取ってみろ、襲われても文句いえねーぞ
…ちょっと脅しとくか
ずいっと近寄って、ソファの上で上に被さる
逃げ道を無くしてキスできるくらいの間合いに詰め寄る
「お前、俺に襲われてーのか?今の…誘ってるようにしか聞こえねーぞ」
『……』
春歌は顔を真っ赤にしたまま、少し潤んだ表情で俺の目を見つめている
ちったぁビビれ、自覚しろ
『…っご、ごめん蘭ちゃん。私今日こそはって覚悟してたつもりだったけど、やっぱりまだ心の準備出来てないみたい…』
ぎゅっと目を強く瞑りながら謝る春歌
俺は、気付いたら力強く抱きしめていた
「馬鹿か、お前…そういう可愛いことばっか言ってっと次はほんとに襲うからな」
『ううぅ…ごめん蘭ちゃ~ん…っ』
半べそかいた声で俺の腕の中で謝る春歌
下心ばっかだった自分を殴りてぇ
コイツはコイツで俺のこと真剣に考えてくれてたってのに…
「謝んな。別に俺だって無理やりお前を犯してーわけじゃねーんだよ」
『うん…ぐすっ』
「っつーか…お前がそんなとこまで考えてるなんて思ってもいなかったから、それだけで…その、嬉しいぜ」
『…ほんとに?』
「ああ、だから泣くな!」
『…うんっ』
『…蘭ちゃん』
「なんだよ」
『チュー…していい?』
「…!…俺もほんと、理性強いよなぁ…」
チュッ
『…えへへっ蘭ちゃん大好きっ!』
「あぁ、俺も大好きだよ」
べそかいた顔で笑うコイツがたまらなく愛しい
ゲームでも現実でも借金だらけだけど、俺の人生もそうそう悪くねーと思う
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10万打感謝企画小説 *3位 蘭丸
※この小説は虹華さまのみお持ち帰り自由です。
小説案どうもありがとうございました。
「お家デート」ということでほんわかしようか迷った結果、こんな感じに(笑
2013/4/2
なんで俺がこんな緊張してんだ
ただ彼女の家に遊びに来ただけじゃねーか
アイツが…春歌が週末家に遊びに来いっつーから来てやっただけで
別にそれだけじゃねーか
初めて彼女の家に行くからって何も緊張するようなことはねぇ
あの馬鹿女のことだ、どうせ何も考えずに呼んだだけだろ
そうに決まってる…何も期待すんな
いや、期待すんなって何だよ
何も期待してねーよ、馬鹿か俺!
あーーーくっそ!
もういい、さっさと入るか
ピンポーーン♪
春歌の家のチャイムを鳴らすと、はーいと中から声とぱたぱたと走ってくる音が聞こえて勢いよくドアが開いた
『蘭ちゃん、いらっしゃい!迷わなかった!?』
「おっまぇなぁ…誰か確認してから開けろよ。危ねぇな」
『え、あ、そっか。そうだよねぇ、えへへ気をつける!』
「…お前ほんとに分かってんのか」
ほんと抜けてるっつーか、危なっかしい奴だな
『まぁとにかく上がって上がって!今ねー丁度準備終わったとこ』
「? 何のだよ」
ぐいっと俺の手を引っ張って、リビングへと連れて行く
リビングに入る前の扉で、くるっと俺の方を向いて笑う
「?」
『蘭ちゃん、目…瞑って?』
「あ?」
『いいから。私が良いっていうまで開けちゃダメだよ?』
「…ああ」
言われるがまま目を瞑った状態で、ゆっくり手を引っ張られ誘導される
何も見えない、どこに何があるのか分からない状態で全てを春歌に任せて歩く
『ここ、ソファだからゆっくり座って』
春歌の手を握りながら、ゆっくり後ろへと身体を傾けるとぼふっとソファに腰掛けた感覚がした
てことは、リビングについたのか
「もういいか?」
『まだダメ』
なんだ?一体何してんだ
目を開かないまま春歌の動いている気配を探ると、ソファが軽く右側に一瞬傾いたのを感じる
どうやら横に腰掛けたみてぇだな
『蘭ちゃん…これ…使って』
おずおずとした調子でそう言いながら、俺の手に何か硬い物を持たせてきた
ゴツゴツといくつか突起のある硬い物
な、なんだよ、これ…まさか、嘘だろ、おい…
『もう…開けていいよ』
耳元でそっと囁く春歌の声に、吐息が耳に当たりぞくっとする
目をゆっくり開いて、手の中に入った硬い物を視認する
PS2のコントローラーだ…
「……」
目の前を見ると、テーブルにはパーティー開きされたお菓子の山と炭酸ジュース
TVはきっちりゲーム画面にセットされていて、画面には"人生ゲームDX"
『よぅし、どっちが勝つか勝負だよ!蘭ちゃんっ!!』
隣には俺の気も知らないで、人生ゲームDXで真剣勝負を挑んでくる彼女…
うおおおおおおおおおおお死にたい
さっきまでの俺の気持ちを返せええええええっ
くっそ!コイツが鈍いのも、そういうことに疎いのも十分理解してたはずなのに一体何を期待してたんだ俺は
馬鹿か!くっそ、自分を殴りてええええええええっ!!!!!
『蘭ちゃん1コンねー!』
「ああ…」
げんなりしながらも、コントローラーを操作してキャラの設定を作っていく
っつーか、いい歳こいてなんで人生ゲームなんかやんなきゃなんねーんだか…
『あ、待って蘭ちゃん。キャラの顔は作ってあるの』
「あ?」
『これ、蘭ちゃんでーこっちが私!』
画面を見ると、事前に作ったらしい俺の顔と春歌の顔が用意されていた
「…暇人」
『何をー!結構大変だったんだよ?そっくりに作るの。蘭ちゃんの悪~い目つき再現出来るパーツ真剣に選んでさ~』
「誰が悪い目つきだ、コラッ」
コツッ
と春歌のおでこを軽く小突く
くっそ、なんだよコイツ可愛いな
俺と人生ゲームなんかやるのどんだけ楽しみにしてたんだよ
わざわざ俺の顔まで事前に作ってんじゃねーよ
さっきまで心の中で馬鹿にしていた人生ゲームが途端に面白く感じた
「やるからには負けねー。俺に勝てると思うなよ」
『お!?言ったね!私はこの日の為に何回も特訓してきたのだよ!私の偉大な力の前に平伏すがいいよ蘭ちゃん!ふははははっ』
「お、まえ…どんだけ暇なんだよ」
やべぇコイツ…マジで可愛いな
キスしてぇ
でもここですんのもな…くっそ
欲望を抑えて真剣にゲームに勤しむこと1時間ー
「嘘だろ…」
『見たかー!ほらねほらねっ!言ったでしょ!?やったーきゃあーーっ♪』
結果は春歌の圧勝
俺はゲームの中でも出だし絶好調で億万長者に上り詰めたかと思うと、大暴落。多額の借金を抱えて、必死に返し続ける一生だった
くっそ、嫌なゲームだな…現実と被ってんじゃねーよ
一方、春歌はただの平々凡々な人生だったけれども借金もなく幸せな人生で終えた
きゃーきゃーと歓喜しながら、春歌がソファの上でボンボンと跳ねて喜ぶ
「おい、馬鹿。パンツ見えんぞ」
『!』
軽い気持ちで事実を述べた一言に、春歌は急に真っ赤になってスカートを抑えて大人しく横に座りなおした
…っ!なんだよ、急にそこでしおらしくなんなよ
襲われたいのか、馬鹿
『み、見た?』
「あ?」
『ぱ、パンツ…』
「見てねーよ、花柄パンツなんて」
『! ら、蘭ちゃんのエッチ…』
「ばーか、男なんか皆エロいこと考えてんだよ」
『そ、そうなの…?』
「あたりめーだろ。お前他の男の前で今みたいなことすんじゃねーぞ、襲われるぞ」
『……蘭ちゃんは襲わないの?』
ちらっと真っ赤な顔で俺の様子を伺うように見てくる
な、に…言ってんだコイツ
なんでそんな無防備なことばっか言うんだよ
俺がどれだけ必死で抑えてるか、ちったぁ考えろ
っつーか他の男にんな態度取ってみろ、襲われても文句いえねーぞ
…ちょっと脅しとくか
ずいっと近寄って、ソファの上で上に被さる
逃げ道を無くしてキスできるくらいの間合いに詰め寄る
「お前、俺に襲われてーのか?今の…誘ってるようにしか聞こえねーぞ」
『……』
春歌は顔を真っ赤にしたまま、少し潤んだ表情で俺の目を見つめている
ちったぁビビれ、自覚しろ
『…っご、ごめん蘭ちゃん。私今日こそはって覚悟してたつもりだったけど、やっぱりまだ心の準備出来てないみたい…』
ぎゅっと目を強く瞑りながら謝る春歌
俺は、気付いたら力強く抱きしめていた
「馬鹿か、お前…そういう可愛いことばっか言ってっと次はほんとに襲うからな」
『ううぅ…ごめん蘭ちゃ~ん…っ』
半べそかいた声で俺の腕の中で謝る春歌
下心ばっかだった自分を殴りてぇ
コイツはコイツで俺のこと真剣に考えてくれてたってのに…
「謝んな。別に俺だって無理やりお前を犯してーわけじゃねーんだよ」
『うん…ぐすっ』
「っつーか…お前がそんなとこまで考えてるなんて思ってもいなかったから、それだけで…その、嬉しいぜ」
『…ほんとに?』
「ああ、だから泣くな!」
『…うんっ』
『…蘭ちゃん』
「なんだよ」
『チュー…していい?』
「…!…俺もほんと、理性強いよなぁ…」
チュッ
『…えへへっ蘭ちゃん大好きっ!』
「あぁ、俺も大好きだよ」
べそかいた顔で笑うコイツがたまらなく愛しい
ゲームでも現実でも借金だらけだけど、俺の人生もそうそう悪くねーと思う
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10万打感謝企画小説 *3位 蘭丸
※この小説は虹華さまのみお持ち帰り自由です。
小説案どうもありがとうございました。
「お家デート」ということでほんわかしようか迷った結果、こんな感じに(笑
2013/4/2
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