vs insect.
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ガチャッ
「春歌、今日の晩御飯だが…」
『真斗こっち来ちゃだめえええええっ!!!!』
「な、なんだ!?どうした?」
『いいから部屋戻ってて!』
「何だと言うんだ…?」
…ぴょんっ
「! ぎゃああああああああああっ!!!」
『きゃあああああああああああああああっ!!!!』
ガチャッ
バタバタバタ……
「どうしました!?」
「春歌、マサ!悲鳴が聞こえたけど大丈夫!?」
「レディ、無事かい!?」
『トキヤ、音也、レン!!うわああああったす…助けてぇぇっ!!』
「………っっ!!」
「よしよし、落ち着いてレディ」
「あっレン!春歌に抱きつかれてずるい!」
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょう。一体何があったんです?いきなり"助けて!"なんて電話してきて…」
「?…部屋の中には誰も見当たらないけど。マサも震えてるし…よっぽど怖い何かが…」
『そ、そこ…!!そこに奴が…!!』
「そこ…??何も見当たらないけど…」
「…そこにいるだろうっ!奴が…っっ!!!」
「?」
…ぴょんっ
「……」
「……もしかして…」
「俺達を呼んだ理由はこれかい?」
『…うんっ!!た、助けてえええ…っ!』
「はぁ…たかが虫で殺されそうな声で電話してこないでください」
「あははっなんだぁ~これだったのかぁ!春歌ってば涙目になっちゃって可愛いなぁ♪」
「聖川、お前…彼女が怖がる虫をお前が退治出来ないなんて情けなくって言葉が出ないね」
「な……っ!」
『ち、違うの!真斗も虫苦手だから真斗には内緒で皆を呼んでたの。こっそり退治して貰おうと思ったんだけど…』
「レディ、こんな情けない奴なんかやめて今からでも俺を選ばないかい?」
『へ…!?』
「神宮寺…!!」
「後悔はさせないよ。少なくとも虫が出た時に君を困らせることはないね」
レンが嫌味を込めて真斗をちらりと見て自信ありげに言い放った
「貴様…っ!」
真斗も負けじとレンを強く睨み返すが、いつ飛ぶか分からない虫への警戒は怠っていない
ジリジリと虫との距離を空けようと、後退りしてトキヤの近くへ寄っていってる
「くだらない争いはやめなさい」
「でも…また虫出たらどうするの?」
「!」
「分かってるじゃないか、イッキ」
「貴方も余計な事を言うんじゃありません」
「えー余計なことかなぁっ」
「そこまで言うなら俺が退治してみせよう」
「へぇ…」
『!! ま、真斗無理しなくていいよっ!』
「いや、ここまで言われて引き下がるわけにはいかない。俺にも意地というものがあるのだからな」
『でも…』
「ちょっと待っていろ」
「マサ、どこ行くの?」
真斗は台所へ向かったかと思うと、何やら殺虫剤らしきものなど色んな駆除剤を抱えて戻ってきた
「? ねぇ、マサ。なんで殺虫剤指先で持ってるの?」
「このスプレー缶をよく見ろ。虫の写真が付いているのだ。こんな気持ち悪い物をがっしり掴めるわけが無いだろう」
「あ、あぁ…そっか」
殺虫剤の写真ですら怖いのに、本物と対峙するなんて…
『真斗、本当に無理しなくていいんだよ』
「いや、男が言い出したことを撤回するつもりはない」
あぁ、こうなったら真斗頑固だからなぁ…
私には黙って見てるしかないのか
「お手並み拝見といこうか、聖川」
レンは小馬鹿にしたように壁へ持たれ掛かって、横目で様子を見ている
黙っていろ、とでも言いたげな目でレンをキッと睨むと、真斗は掃除機と塵取りどちらを使おうか悩んでいる様子でブツブツと何かを呟いている
ところどころ聞こえた言葉は"いや掃除機だと吸った瞬間に手に感触が来るかもしれない…やはり塵取り…"だった
ようやく決めたらしい塵取りとほうきを床のどの位置に置くか悩んでいる様子で何度も置きなおした
そして殺虫剤の虫写真が嫌なのかゴム手袋をはめた手で殺虫剤を持ち、いざ虫へと向かう
ごくっ…、と私と真斗、音也が固唾を飲む
(きっとトキヤとレンは呆れ果てていたことだろう)
意を決して、真斗が虫に向かって殺虫剤を振りまいた
瞬間、虫がぴょんっと大きく跳ねた
「ぎゃあああああーーーーーー!!!!」
『きゃああああああっ!!!』
「あっ跳ねた!」
驚いてたじろぐ真斗と私を置いて、音也の冷静な実況中継が入る
「そっち行ったよ、そっち!」
「ぎゃ…ぎゃあああああっ」
この世の終わりのような叫びを上げながらも、真斗の中のプライドや意地がそうさせているのだろうか
腰は引けているけれども手は必死に虫に向けて殺虫剤を振りかけ続けていた
『うわわわっ…が、頑張れ真斗っ…!!』
「効いてるよ!弱ってる!」
「うあああああああっ…!!!」
虫が大量の、殺虫剤1本分くらいの量を浴びてぴくぴくとその足の多い体をうちの家のフローリングで震わせた
「ぎゃああああああっ…!!!」
『いやあああああああああっ気持ち悪いいいいいいっ…!!!』
数秒後、その虫は息を引き取った
スプレーが撒かれたテカテカになったフローリングの上で
「よ、よし……っ」
『ど、どうするの…!?』
「塵取りで取って捨てる」
『ど、どこに捨てるの!?家の中のゴミ箱とか嫌だよ!』
「む、一理ある。が、ここはマンションだしな…空から虫が振ってくるだなんて恐ろしいことをするわけにもいかんしな…」
「…あの、私もう帰ってもいいですか?これでも忙しいんです」
「俺も…なんかもうどうでもよくなってきたよ」
「そうか、分かったぞ。お前がこの死骸を持ち帰れ、神宮寺」
「な…!?」
「ええ!?ま、マサ…」
「春歌が困るような真似はしないと先程でかい口を叩いていたではないか」
「そりゃ…言ったけど…」
「聖川さん……」
「では、コイツの処理は頼んだぞ。受け取れ」
「………っ!!!」
「…う、うわぁ。受け取っちゃったね」
「お前もたまには役に立つではないか。今後虫を処理したらお前を呼ぶことにしよう、虫の死骸処理係としてな。春歌の為だ、喜んで引き受けてくれるだろう?」
「………っ!!……っ」
「聖川さんも、なかなかやりますね…」
「なんか…初めてレンの憐れな姿を見たよ、俺…」
「春歌、今日の晩御飯だが…」
『真斗こっち来ちゃだめえええええっ!!!!』
「な、なんだ!?どうした?」
『いいから部屋戻ってて!』
「何だと言うんだ…?」
…ぴょんっ
「! ぎゃああああああああああっ!!!」
『きゃあああああああああああああああっ!!!!』
ガチャッ
バタバタバタ……
「どうしました!?」
「春歌、マサ!悲鳴が聞こえたけど大丈夫!?」
「レディ、無事かい!?」
『トキヤ、音也、レン!!うわああああったす…助けてぇぇっ!!』
「………っっ!!」
「よしよし、落ち着いてレディ」
「あっレン!春歌に抱きつかれてずるい!」
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょう。一体何があったんです?いきなり"助けて!"なんて電話してきて…」
「?…部屋の中には誰も見当たらないけど。マサも震えてるし…よっぽど怖い何かが…」
『そ、そこ…!!そこに奴が…!!』
「そこ…??何も見当たらないけど…」
「…そこにいるだろうっ!奴が…っっ!!!」
「?」
…ぴょんっ
「……」
「……もしかして…」
「俺達を呼んだ理由はこれかい?」
『…うんっ!!た、助けてえええ…っ!』
「はぁ…たかが虫で殺されそうな声で電話してこないでください」
「あははっなんだぁ~これだったのかぁ!春歌ってば涙目になっちゃって可愛いなぁ♪」
「聖川、お前…彼女が怖がる虫をお前が退治出来ないなんて情けなくって言葉が出ないね」
「な……っ!」
『ち、違うの!真斗も虫苦手だから真斗には内緒で皆を呼んでたの。こっそり退治して貰おうと思ったんだけど…』
「レディ、こんな情けない奴なんかやめて今からでも俺を選ばないかい?」
『へ…!?』
「神宮寺…!!」
「後悔はさせないよ。少なくとも虫が出た時に君を困らせることはないね」
レンが嫌味を込めて真斗をちらりと見て自信ありげに言い放った
「貴様…っ!」
真斗も負けじとレンを強く睨み返すが、いつ飛ぶか分からない虫への警戒は怠っていない
ジリジリと虫との距離を空けようと、後退りしてトキヤの近くへ寄っていってる
「くだらない争いはやめなさい」
「でも…また虫出たらどうするの?」
「!」
「分かってるじゃないか、イッキ」
「貴方も余計な事を言うんじゃありません」
「えー余計なことかなぁっ」
「そこまで言うなら俺が退治してみせよう」
「へぇ…」
『!! ま、真斗無理しなくていいよっ!』
「いや、ここまで言われて引き下がるわけにはいかない。俺にも意地というものがあるのだからな」
『でも…』
「ちょっと待っていろ」
「マサ、どこ行くの?」
真斗は台所へ向かったかと思うと、何やら殺虫剤らしきものなど色んな駆除剤を抱えて戻ってきた
「? ねぇ、マサ。なんで殺虫剤指先で持ってるの?」
「このスプレー缶をよく見ろ。虫の写真が付いているのだ。こんな気持ち悪い物をがっしり掴めるわけが無いだろう」
「あ、あぁ…そっか」
殺虫剤の写真ですら怖いのに、本物と対峙するなんて…
『真斗、本当に無理しなくていいんだよ』
「いや、男が言い出したことを撤回するつもりはない」
あぁ、こうなったら真斗頑固だからなぁ…
私には黙って見てるしかないのか
「お手並み拝見といこうか、聖川」
レンは小馬鹿にしたように壁へ持たれ掛かって、横目で様子を見ている
黙っていろ、とでも言いたげな目でレンをキッと睨むと、真斗は掃除機と塵取りどちらを使おうか悩んでいる様子でブツブツと何かを呟いている
ところどころ聞こえた言葉は"いや掃除機だと吸った瞬間に手に感触が来るかもしれない…やはり塵取り…"だった
ようやく決めたらしい塵取りとほうきを床のどの位置に置くか悩んでいる様子で何度も置きなおした
そして殺虫剤の虫写真が嫌なのかゴム手袋をはめた手で殺虫剤を持ち、いざ虫へと向かう
ごくっ…、と私と真斗、音也が固唾を飲む
(きっとトキヤとレンは呆れ果てていたことだろう)
意を決して、真斗が虫に向かって殺虫剤を振りまいた
瞬間、虫がぴょんっと大きく跳ねた
「ぎゃあああああーーーーーー!!!!」
『きゃああああああっ!!!』
「あっ跳ねた!」
驚いてたじろぐ真斗と私を置いて、音也の冷静な実況中継が入る
「そっち行ったよ、そっち!」
「ぎゃ…ぎゃあああああっ」
この世の終わりのような叫びを上げながらも、真斗の中のプライドや意地がそうさせているのだろうか
腰は引けているけれども手は必死に虫に向けて殺虫剤を振りかけ続けていた
『うわわわっ…が、頑張れ真斗っ…!!』
「効いてるよ!弱ってる!」
「うあああああああっ…!!!」
虫が大量の、殺虫剤1本分くらいの量を浴びてぴくぴくとその足の多い体をうちの家のフローリングで震わせた
「ぎゃああああああっ…!!!」
『いやあああああああああっ気持ち悪いいいいいいっ…!!!』
数秒後、その虫は息を引き取った
スプレーが撒かれたテカテカになったフローリングの上で
「よ、よし……っ」
『ど、どうするの…!?』
「塵取りで取って捨てる」
『ど、どこに捨てるの!?家の中のゴミ箱とか嫌だよ!』
「む、一理ある。が、ここはマンションだしな…空から虫が振ってくるだなんて恐ろしいことをするわけにもいかんしな…」
「…あの、私もう帰ってもいいですか?これでも忙しいんです」
「俺も…なんかもうどうでもよくなってきたよ」
「そうか、分かったぞ。お前がこの死骸を持ち帰れ、神宮寺」
「な…!?」
「ええ!?ま、マサ…」
「春歌が困るような真似はしないと先程でかい口を叩いていたではないか」
「そりゃ…言ったけど…」
「聖川さん……」
「では、コイツの処理は頼んだぞ。受け取れ」
「………っ!!!」
「…う、うわぁ。受け取っちゃったね」
「お前もたまには役に立つではないか。今後虫を処理したらお前を呼ぶことにしよう、虫の死骸処理係としてな。春歌の為だ、喜んで引き受けてくれるだろう?」
「………っ!!……っ」
「聖川さんも、なかなかやりますね…」
「なんか…初めてレンの憐れな姿を見たよ、俺…」
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