牛乳に相談だ
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「あ、はい。私で良ければまたいつでも聞いてください」
「サンキュー春歌!」
笑顔でお礼を言われて思わず私も笑みがこぼれる
手を振って、去る相手の背中を見送る
人に感謝されるってとっても気持ちがいいなぁ…♪
ニコニコしながらくるっと教室の方へ向かおうと体を返す
「……」
「! ひ、聖川さまっ…!」
後ろを振り向くと、真後ろに聖川様が立っていた
(び、びっくりした~…)
「今のは?」
「えっ」
「今の男は誰だ?」
「え、えっと、同じAクラスの相田くんですよ。ご存知ないですか?」
聖川様は相田くんの背中をじっと逸らさずに見つめながら私に問う
「そうか、同じクラスの者か…どうも人の名前を覚えるのは苦手でな」
「分かります。私もほんとはきちんと皆さんのお名前を覚えたいのですが、なかなか…」
「……」
「聖川様…?」
(聖川様、なんだかいつもと様子が違うみたい…
私何かしたかな…?)
「やけに親しそうに笑っていたが…何の話をしていたのだ」
「えっ、あの、相田くんのパートナーの方が声が伸びなくて悩んでらっしゃるそうでどうしたら改善されるかという相談を受けまして…っ」
「……」
「わ、私なんかが相談役なんて恐れ多いのですが、少しでもお役に立てるならと思いまして…」
「……そうか」
「…はい」
「……」
「……」
(聖川様、やっぱり浮かない様子…
いつもはまっすぐ目を見てお話してくれるのに、今日は目を合わせても貰えない…
やっぱり私が何かしたんだ…)
「あの…っご、ごめんなさい!」
「? なぜ謝る」
ずっと窓の外を…というかどこか遠くを見ながら話していた聖川様が、とても驚いた様子で目を丸くして私を見つめる
「私ほんと気が利かないので…その、知らないうちになにか失礼なことを言ったのなら謝らせてください…っ」
「……」
ぽんっ
と、聖川様の大きな手のひらが私の頭に置かれる
頭に置かれた手のひらがとても優しく感じて、急に気持ちが温かくなった
「こちらこそすまない」
バツが悪そうに、でも柔らかい笑顔を私に向けてくれる
「いえ!謝らないでくださいっ私が気が利かないのは自分でもよく…」
「違うんだ。春歌が何かしたわけではない。
春歌があの男と親しげに話しているのを見て胸がざわついてな」
「え?よく意味が…」
「要するに、嫉妬したんだあの男に。春歌はいつも傍にいてくれるというのにな、心に余裕がない証拠だ」
困ったものだな、といった表情で私の頭を優しく撫でながら聖川様は苦笑する
(えっ…)
「えぇっ!?」
「あははっ春歌反応遅いなー!」
「一十木くん!」
背後からすっと、とても楽しそうに笑いながら一十木くんが現れた
「しょうがないですよぉっ春歌ちゃんはこんなに可愛いんですから。真斗くんが嫉妬の渦から抜け出せないのも納得です
ね?名前ちゃん」
「し、四ノ宮さんまで…っ」
反対側の背後からは四ノ宮さんが現れて、大きな体を屈めて私の両肩にぽんと手をおいて顔を覗き込んでくる
「……四ノ宮、お前わざとやってないか?」
聖川様が眉間に皺を寄せて、私の肩に置かれた手をじろりと見る
「…うん、絶対わざとだ」
一十木くんも”おいおい!”といった表情で満足気に笑う四之宮さんの顔を見る
「え~~何がですかぁ?」
気にせず笑顔を振りまく四ノ宮さんと対照的に、聖川様の顔からはほぼ笑顔が消えていた
(あぁ…っさっきよりも悪化してます!)
「そ、それよりさ!マサの気持ちも分かるけど…春歌に心配させちゃ可哀相だよっ」
空気をかえようと一十木くんが話題を変える
「うむ…反省はしている。だが、抑えようと思って抑えられる気持ちでもない」
「だよなぁ~それだけマサが春歌を好きってことだし…」
一十木くんがまじめに一緒に悩んでくれている様子でちらりと私を見る
「あ、あの!私は別に嫌じゃないです!その、どちらかというと私はそう感じてくれるのはおこがましいかもですが嬉しいというか…っ」
「春歌…」
聖川様が少し嬉しそうに微笑む
それを見て私もなんだかほっとした
「ほぉんと可愛いですねぇ~」
四ノ宮さんが後ろから大きな腕でぎゅうっと私を強く抱きしめる
「!」
「し、四ノ宮さん苦しいです…っ」
「あぁっごめんなさい。春歌ちゃんがあまりにも可愛くってつい抱きしめたくなっちゃいましたぁ」
四ノ宮さんの大きな腕から解放されて、ぷはっと息を吐くと横からとても冷たい冷気を感じた
「……やはり無理だ」
見ると聖川様が今まで見たことのないような冷気を放っていた
顔は無表情のままなのに酷く冷たく感じる
「…みたいだね」
その表情怖いよ…、と言いたいけど言えずにいる一十木くんが聖川様から顔を背けて青ざめている
「そんなの簡単じゃねーか、男なら牛乳飲め!牛乳!」
「く、来栖くん!?」
(いつ来たんだろう、全然気付かなかった…)
「あれぇ翔ちゃん。いつからいたんですかぁ小さくて気づきませんでした」
四ノ宮さんが来栖くんの頭をぽんぽんっと叩く
「チビって言うな!あと頭なでんな!」
来栖くんは顔を赤くしながら、きしゃーっと猫が敵を警戒するかのように四之宮さんの手を払いのけた
「王子様ってのは誰かのピンチに颯爽と登場するもんだろ?」
ふふん、と得意げに笑みを浮かべる来栖くんに私と四ノ宮さんは”おぉ~!”と感嘆の声をあげた
"さっきからずっとそこの角で様子伺ってたよな"
"ああ…"
「え?一十木くん今何か言いました?」
「ううん、何も」
「?」
「それより牛乳いいんじゃない!イライラってカルシウム不足からだって言うし、抑えられるかもよ!」
「だろ!?」
一十木くんが来栖くんの意見に賛成すると、
ぱぁっと嬉しそうな笑顔を浮かべて、一十木くんとうんうんと頷きあっている
「何か違う気もするが…試してみる価値はあるかもしれんな。春歌のおかげで牛乳も飲めるようになったことだしな」
聖川様がやっとにこっと優しい笑顔を見せてくれた
「! はいっ!やってみましょう!」
それから聖川様は、毎日早乙女メロンパンと共にお昼は必ず牛乳を飲み続けた
牛乳を飲み続けて2週間ほどたったある日の放課後
「……聖川様、背伸びましたね」
「ん?そうか…自分では気付かなかったが、そう言われると最近目線が少し高くなったような気もするな」
「はいっますます素敵になられて…牛乳効果ですね!」
「身長を伸ばすために飲んでいたわけではないのだがな。まぁ悪いことでもあるまい。お前は好きか?」
「えっ、あ、は、はい…あの、そのままでも素敵でしたがなんだか更に輝きが増したというか…とっても素敵です…っ」
かああっと顔が熱くなるのを感じながら一生懸命答えると、クスッと聖川様が笑った
「……あの?」
「いや、俺は”牛乳は好きか”と問いかけたのだが」
「えっ…あぁっ!!」
顔がぼんっ!と火を噴いた
「春歌にそう思って貰えるのは素直に嬉しく思う。ありがとう」
ふんわりと、とても優しい笑顔を見せながら私の手を取ってきゅっと握って包んでくれた
あぁ、なんて心地いいんだろう
大好きな聖川様の綺麗で長い手
とても澄んだ綺麗な瞳で優しく笑いかけられると、まるでこの世に穢れなんて一切無いんじゃないかと思うほどです…
と、突然
「ほぉぉんと!春歌ちゃんはいつでも可愛いですねぇ~連れて帰りたいくらいです」
またもや後ろから四ノ宮さんの声がしたかと思うと、気付くとぎゅううっと四ノ宮さんの大きな両腕で抱きしめられていた
「あっ那月また…っ」
四ノ宮さんと一緒に教室にきた一十木くんは、四ノ宮さんに抱きしめられた私をみて青ざめた
「……あの、マサ…?」
そぉ~っと、恐る恐る一十木くんが聖川様の表情を伺う
「ふ…一十木、何を心配している。牛乳効果だ、俺はこんなにも冷静になっただろう」
「………う、うん」
そのお顔は、以前とは違いにっこりと笑った笑顔なのに
そう、笑顔なのに
前よりも冷ややかで目が合った者を氷付けにしてしまうかのような冷気を放っていた
「サンキュー春歌!」
笑顔でお礼を言われて思わず私も笑みがこぼれる
手を振って、去る相手の背中を見送る
人に感謝されるってとっても気持ちがいいなぁ…♪
ニコニコしながらくるっと教室の方へ向かおうと体を返す
「……」
「! ひ、聖川さまっ…!」
後ろを振り向くと、真後ろに聖川様が立っていた
(び、びっくりした~…)
「今のは?」
「えっ」
「今の男は誰だ?」
「え、えっと、同じAクラスの相田くんですよ。ご存知ないですか?」
聖川様は相田くんの背中をじっと逸らさずに見つめながら私に問う
「そうか、同じクラスの者か…どうも人の名前を覚えるのは苦手でな」
「分かります。私もほんとはきちんと皆さんのお名前を覚えたいのですが、なかなか…」
「……」
「聖川様…?」
(聖川様、なんだかいつもと様子が違うみたい…
私何かしたかな…?)
「やけに親しそうに笑っていたが…何の話をしていたのだ」
「えっ、あの、相田くんのパートナーの方が声が伸びなくて悩んでらっしゃるそうでどうしたら改善されるかという相談を受けまして…っ」
「……」
「わ、私なんかが相談役なんて恐れ多いのですが、少しでもお役に立てるならと思いまして…」
「……そうか」
「…はい」
「……」
「……」
(聖川様、やっぱり浮かない様子…
いつもはまっすぐ目を見てお話してくれるのに、今日は目を合わせても貰えない…
やっぱり私が何かしたんだ…)
「あの…っご、ごめんなさい!」
「? なぜ謝る」
ずっと窓の外を…というかどこか遠くを見ながら話していた聖川様が、とても驚いた様子で目を丸くして私を見つめる
「私ほんと気が利かないので…その、知らないうちになにか失礼なことを言ったのなら謝らせてください…っ」
「……」
ぽんっ
と、聖川様の大きな手のひらが私の頭に置かれる
頭に置かれた手のひらがとても優しく感じて、急に気持ちが温かくなった
「こちらこそすまない」
バツが悪そうに、でも柔らかい笑顔を私に向けてくれる
「いえ!謝らないでくださいっ私が気が利かないのは自分でもよく…」
「違うんだ。春歌が何かしたわけではない。
春歌があの男と親しげに話しているのを見て胸がざわついてな」
「え?よく意味が…」
「要するに、嫉妬したんだあの男に。春歌はいつも傍にいてくれるというのにな、心に余裕がない証拠だ」
困ったものだな、といった表情で私の頭を優しく撫でながら聖川様は苦笑する
(えっ…)
「えぇっ!?」
「あははっ春歌反応遅いなー!」
「一十木くん!」
背後からすっと、とても楽しそうに笑いながら一十木くんが現れた
「しょうがないですよぉっ春歌ちゃんはこんなに可愛いんですから。真斗くんが嫉妬の渦から抜け出せないのも納得です
ね?名前ちゃん」
「し、四ノ宮さんまで…っ」
反対側の背後からは四ノ宮さんが現れて、大きな体を屈めて私の両肩にぽんと手をおいて顔を覗き込んでくる
「……四ノ宮、お前わざとやってないか?」
聖川様が眉間に皺を寄せて、私の肩に置かれた手をじろりと見る
「…うん、絶対わざとだ」
一十木くんも”おいおい!”といった表情で満足気に笑う四之宮さんの顔を見る
「え~~何がですかぁ?」
気にせず笑顔を振りまく四ノ宮さんと対照的に、聖川様の顔からはほぼ笑顔が消えていた
(あぁ…っさっきよりも悪化してます!)
「そ、それよりさ!マサの気持ちも分かるけど…春歌に心配させちゃ可哀相だよっ」
空気をかえようと一十木くんが話題を変える
「うむ…反省はしている。だが、抑えようと思って抑えられる気持ちでもない」
「だよなぁ~それだけマサが春歌を好きってことだし…」
一十木くんがまじめに一緒に悩んでくれている様子でちらりと私を見る
「あ、あの!私は別に嫌じゃないです!その、どちらかというと私はそう感じてくれるのはおこがましいかもですが嬉しいというか…っ」
「春歌…」
聖川様が少し嬉しそうに微笑む
それを見て私もなんだかほっとした
「ほぉんと可愛いですねぇ~」
四ノ宮さんが後ろから大きな腕でぎゅうっと私を強く抱きしめる
「!」
「し、四ノ宮さん苦しいです…っ」
「あぁっごめんなさい。春歌ちゃんがあまりにも可愛くってつい抱きしめたくなっちゃいましたぁ」
四ノ宮さんの大きな腕から解放されて、ぷはっと息を吐くと横からとても冷たい冷気を感じた
「……やはり無理だ」
見ると聖川様が今まで見たことのないような冷気を放っていた
顔は無表情のままなのに酷く冷たく感じる
「…みたいだね」
その表情怖いよ…、と言いたいけど言えずにいる一十木くんが聖川様から顔を背けて青ざめている
「そんなの簡単じゃねーか、男なら牛乳飲め!牛乳!」
「く、来栖くん!?」
(いつ来たんだろう、全然気付かなかった…)
「あれぇ翔ちゃん。いつからいたんですかぁ小さくて気づきませんでした」
四ノ宮さんが来栖くんの頭をぽんぽんっと叩く
「チビって言うな!あと頭なでんな!」
来栖くんは顔を赤くしながら、きしゃーっと猫が敵を警戒するかのように四之宮さんの手を払いのけた
「王子様ってのは誰かのピンチに颯爽と登場するもんだろ?」
ふふん、と得意げに笑みを浮かべる来栖くんに私と四ノ宮さんは”おぉ~!”と感嘆の声をあげた
"さっきからずっとそこの角で様子伺ってたよな"
"ああ…"
「え?一十木くん今何か言いました?」
「ううん、何も」
「?」
「それより牛乳いいんじゃない!イライラってカルシウム不足からだって言うし、抑えられるかもよ!」
「だろ!?」
一十木くんが来栖くんの意見に賛成すると、
ぱぁっと嬉しそうな笑顔を浮かべて、一十木くんとうんうんと頷きあっている
「何か違う気もするが…試してみる価値はあるかもしれんな。春歌のおかげで牛乳も飲めるようになったことだしな」
聖川様がやっとにこっと優しい笑顔を見せてくれた
「! はいっ!やってみましょう!」
それから聖川様は、毎日早乙女メロンパンと共にお昼は必ず牛乳を飲み続けた
牛乳を飲み続けて2週間ほどたったある日の放課後
「……聖川様、背伸びましたね」
「ん?そうか…自分では気付かなかったが、そう言われると最近目線が少し高くなったような気もするな」
「はいっますます素敵になられて…牛乳効果ですね!」
「身長を伸ばすために飲んでいたわけではないのだがな。まぁ悪いことでもあるまい。お前は好きか?」
「えっ、あ、は、はい…あの、そのままでも素敵でしたがなんだか更に輝きが増したというか…とっても素敵です…っ」
かああっと顔が熱くなるのを感じながら一生懸命答えると、クスッと聖川様が笑った
「……あの?」
「いや、俺は”牛乳は好きか”と問いかけたのだが」
「えっ…あぁっ!!」
顔がぼんっ!と火を噴いた
「春歌にそう思って貰えるのは素直に嬉しく思う。ありがとう」
ふんわりと、とても優しい笑顔を見せながら私の手を取ってきゅっと握って包んでくれた
あぁ、なんて心地いいんだろう
大好きな聖川様の綺麗で長い手
とても澄んだ綺麗な瞳で優しく笑いかけられると、まるでこの世に穢れなんて一切無いんじゃないかと思うほどです…
と、突然
「ほぉぉんと!春歌ちゃんはいつでも可愛いですねぇ~連れて帰りたいくらいです」
またもや後ろから四ノ宮さんの声がしたかと思うと、気付くとぎゅううっと四ノ宮さんの大きな両腕で抱きしめられていた
「あっ那月また…っ」
四ノ宮さんと一緒に教室にきた一十木くんは、四ノ宮さんに抱きしめられた私をみて青ざめた
「……あの、マサ…?」
そぉ~っと、恐る恐る一十木くんが聖川様の表情を伺う
「ふ…一十木、何を心配している。牛乳効果だ、俺はこんなにも冷静になっただろう」
「………う、うん」
そのお顔は、以前とは違いにっこりと笑った笑顔なのに
そう、笑顔なのに
前よりも冷ややかで目が合った者を氷付けにしてしまうかのような冷気を放っていた
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