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食堂での騒動以来数日、私は平和な日常を過ごしていた
『よかったぁ…』
あれ以来レオナ寮長にもジェイド先輩にも会ってない
あれだけ言いたい放題言ってしまったから何かされるんじゃないかとかビクビクしてたけど…
諦めてくれたのかな?
今日は植物園に育てているハーブの様子を見に来た
『確かあっちの木の下辺りに置いたよね』
ガツッ
『いたっ!』
何かに毛躓いて倒れ込む
『痛ぁ~…』
「てめぇはどんだけ視野が狭いんだ」
『! ぎゃあっ!!!』
足で思いっきり蹴った上に、倒れ込み下敷きにしてしまったのはレオナ寮長だった
あわわわわ…!
ど、どうしよう…!!
『ご、ごめんなさい…!じゃあ!!』
「おい待て。なんですぐ逃げようとする」
『だって怖いですもん…』
「草食動物か、てめぇは」
『肉は普通に好きですけど…』
「馬鹿か」
そう言ってレオナ寮長は再び、ごろんっと横になった
あれ?
何もされない
「別に取って食いやしねぇよ」
『な、なんで考えてること分かったんですか!』
「顔に出てんだよ、お前は」
『あぁ、よく言われます。考えてる事全部顔に出てるって』
「それより、おい膝貸せ」
『ええ!?』
「いいから来いって言ってんだよ」
無理やりグイッと腕を引っ張られ、植物園に入り込む暖かい日差しを背に座らされたかと思うと
そのままボスッと太ももの上に顔を置かれた
『えええええ…!!ちょっと…!』
「あぁ、やっぱりお前肉付き丁度いいな。いい枕じゃねぇか」
『失礼すぎる!!これでも毎日マッサージして…』
「耳元で大声出すな」
ええ~~…
これ、どういう状況?
勝手に人の膝を枕にしといてほんとに偉そうなんだから
あぁ、でもポカポカした日差しが降り注ぐ一面ガラスの建物の中
南国のような色んな木々や花が咲いてる植物園って気持ちいいな
『はぁ~…ぽっかぽか』
「くく…お前って本当に能天気だな」
『良いじゃないですか、能天気。レオナ寮長みたいに常に眉間に皺寄せてるより良いと思いますよ』
眉間をツンツンと触ると、閉じてた目を更にキュッと強く瞑り
耳もぴこっと動いた
か、可愛い…
「やめろ!」
『これ、本物の耳ですよね』
「触るなよ」
『なんで分かったんですか』
「だからお前の考えは透けてるって言ってるだろ」
『うーん、ポーカーフェイスになりたい』
「そういえばお前」
ごろんと向きを変えて下から真っすぐ顔を見つめられ
ドキッとしてしまう
『は…はい?』
「あのオクタヴィネルの野郎と本当に付き合ってるのか」
『ジェイド先輩のことですか?付き合ってませんけど…』
「フンッやっぱりな…あの野郎。この俺様にカマかけやがって」
『正直複雑な言い方ではあったけど生まれて初めて告白されて嬉しい気持ちもあるんですけど…私恋愛とかよく分からないし』
「それに関しては同意してやるよ、愛だのなんだのってのは反吐が出るぜ」
『そこまで言ってませんよ!』
「愛してるだとか何とかってのは要するに、支配して相手より優位に立ちたいだけだろ」
『捻くれてるなぁ…
レオナ寮長だっていつか胸がきゅーんとなるような恋愛をするかもしれませんよ?ふふふっ』
「お前が俺を本気にさせてみせるか?」
翡翠色の切れ長の目でジッと見つめられ目線が外せない
『えっ…』
「ぷっ…くくくく…!なんでも真に受けやがって」
『!!』
またからかわれた!
く、悔しい…
「お前といると退屈しねぇな」
『もうっ!!私忙しいんで失礼します!』
がばっと立ち上がって膝からレオナを落とすと
彼は床に思いっきり頭から落ちた
「痛ぇ!このやろ!」
『私の膝枕は高いんですよ!!ラギー先輩にお願いしたらどうですか』
ふんっ!人を馬鹿にするからだ!
ハーブを置いてる方へスタスタと歩いていく
「男の膝枕なんてそんな気持ち悪い事誰がするかよ」
『知りませんよ!ごきげんよう!!』