気持ちの境界線
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『え、今なんて…』
「何度も言わせるな」
好きって…言った?
"レオナさんユウさんのこと好きでしょ"
またラギー先輩の言葉が浮かぶ
レオナが…本当に?
「お前の返事を聞かせろよ」
『……』
返事…?
ちょっと待って頭が混乱して…
「……」
『……ご』
『ごめんなさい』
「………。………はぁ!?」
レオナは鳩が豆鉄砲を食ったような心底信じられないといった顔をした
「……聞き間違いか」
『え?』
「今、なんて言った」
『え…ごめんなさいって…』
「はあぁ!?」
(ごめんなさい…ごめんなさい!?
意味が分からねぇ…!今の雰囲気で流れで、どうしたらそんな言葉が出てくる!?
は…?
俺が…振られた………のか??)
レオナが凄い困惑した顔している…
あれ…?私の考え透けてたんじゃないのかな…?
『レオナ…?あの、ごめんね…?』
「てっめぇ、ごめんごめん謝るんじゃねぇよ!!」
両頬を手で引っ張られる
『いだぁーい!!え、なんで!?』
「こっちがなんでだろが!お前も俺のこと好きなんじゃねぇのか!?」
『レオナのことは好きだよ!』
「じゃあなんでごめんなんだよ!!」
『だってレオナが言ってくれてるのは…恋愛としての好き…で合ってる?』
「どういう意味だ」
『私はレオナを友達として好き…』
「………は」
ガクッとレオナが肩を落として項垂れた
(友達……?
こいつも俺を好きだと感じていたのは、男としてじゃなく友達…だと?
馬鹿かこいつ…馬鹿だ、コイツ!!!)
「鈍い奴だとは思ってたが…まさか俺がお前を好きなことにも気付いてなかったのかよ」
『……そのことをさっき考えてて』
「……は?」
『れ、レオナ…あの』
「次謝ったら殺す」
『怖っ!!!』
「…もう、アイツと付き合ってるのか」
ジェイド先輩のこと…だよね
そういえば度々、好きなのかとか付き合ってるのかって聞かれてた
本当にレオナ私のこと好きでいてくれたんだ
『ううん』
バンッーー
大きな音を立てて床に掌を付き
レオナが突然、勢いよく私の上に覆い被さるようにして床へ押し倒してきた
「俺を選べ」
『…!』
彼の髪が垂れて顔に当たりそう
レオナ凄く真剣な表情…少し、怒ってる…?
「アイツもお前が好きだって言ってるにも関わらず、付き合ってねぇって事は俺にも望みはあるんだろ?
俺を選べ」
『えええ詰めより方はそっくりなんだけど!
そもそも…つ、付き合うとかがよくわからないっていうか恋愛とかよくわからないって言うか…!!』
「知るか、そんなもん付き合いながら知ってけ」
『…』
ジェイド先輩と同じこと言ってるんだけど…
『レオナはその…私のどこが好きなの?』
「あ?知るかよ」
意標を突かれたような顔をした後、少し頬を染めて顔を背けた
あ…ちょっと可愛い
『友達の好きと、恋愛の好きってどう違うんだろ…』
うーーん、と悩み考え込むとレオナの大きな掌が伸びてきて私の頬を包む
「そりゃ、こういうことをしたいかどうかじゃねぇのか」
顔をゆっくり寄せてくる
『わーー!!ちょ、ちょっと!一体何度勝手にキスしようとすんの!?』
「いちいちお前の許可取ってたら何にも進まねぇだろ」
『許可はいると思うよ!?』
「じゃあキスさせろ」
赤面しながら急いで両手で口を隠した
『…無理です』
「ほらな」
『レオナの気持ちは嬉しいよ、でも今すぐ付き合うとかは…』
「お前のペースで待ってたら10年は経ちそうなんだよ
俺はそんなに気が長い方じゃねぇ」
『短気なのは知ってるよ』
「……」
うるせぇぞ、と言わんばかりに拳を作って額をコンッと叩かれた
「あーー…じゃ、手を貸せ」
『? 手…?』
差し伸ばされた手にそっと自分の手を乗せる
優しくきゅっと手を握られて
そのまま見つめてくる
ドキドキ…する
私の手よりずっと大きい手のひら
少しゴツゴツとしていて男の人の手って感じがする
手を繋いだまま少し沈黙が流れた後、レオナが口を開いた
「お前…好きなもんはなんだ」
『え?』
「好きなもんだよ、食べ物とか趣味とか」
『好きな食べ物はミートパイ、オムライス、チョコとアイスクリーム…』
「あぁ、お前の太ももが肉付き良い理由がわかったぜ」
『セクハラ!!』
「あとは」
『あとは~…紅茶とパスタ、アボガドサンドイッチに…』
「お前は食い物の事しか考えてねぇのか!
毛玉の子分なだけのことはあるな」
『いや~…』
「褒めてねぇよ」
『趣味は強いて言うなら、美味しいもの探しかな?』
「ブレねぇな」
『恐縮です』
だから褒めてねぇよ、と言いながらレオナは屈託なく笑う
「考えてみりゃ…俺も大してお前のことしらねぇな」
『でしょ?お互いまだ全然知らないんだよ、なんせ会ってからまだ数日だしね』
「好きになんのは時間の長さじゃねぇと思うぜ?」
繋いでる手のひらを親指で、すりすりと撫でられて
またドキッとする
「もっと教えろ、お前の好きなもの嫌いなもの
されたら嫌な事、されたら…好きになっちまいそうな事」
そう言ってまたニヤリと笑った
『突然キスされるのはちょっと嫌…というか困る』
「…」
『だけど、こうやって私のこと知ろうとしてくれるのは嬉しいし…
その自信満々なところは素直に羨ましかったり…たまに、その、かっこいいなって思う』
「あーーー…!!」
レオナがまたガクッと顔を落として、手を繋いだまま
頭をガシガシと搔きむしる
「お前それ…無自覚だよな?」
『え、な、何が?』
「可愛いって言ってんだよ」
ストレートに褒められて顔がボッと赤くなる
「キスしてぇ」
グイッと繋いだ手を引っ張られて距離が近くなる
すぐさま仰け反って顔を背ける
『む、無理無理!』
「傷つくなぁ~…」
『えっ!』
「くくく…本当可愛いな、お前
いつかお前からキスしたいって言わせてやるから覚悟しておけ」
『……』
そんな恥ずかしいこと言う日が来るとは思えないけど…
こうしてまたレオナのペースに振り回されて、サバナクロー寮の1日体験は終わった
21/21ページ