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「なぁ!授業が全て終わったらサバナクロー寮に来い、って言われて馬鹿正直に行く奴があるか!?」
『そう言われても…
レオナ寮長を無視して放置したら後でどんな事されるか…そっちの方が怖いよ』
確かに…、と心配してくれてるエースも想像だけで怖いようだ
「だがこのままユウ 1人で行かせるのは危険だ!せめてリドル寮長に俺からお願いして一緒に行って貰うか!?」
『ダメだよ、デュース。
私はハーツラビュル寮の生徒でもないし…それに事情を知らないリドル先輩を巻き込めないよ』
「ほぅ、その事情とは?」
「だから!ユウが実は女だってことがあのサバナクローのレオナ寮長にバレちまったんじゃねぇかってことだろ!」
「おや、それはそれは…」
『!!』
背後に何か大きな気配を感じて振り返ると、2メートル近くもある男が吊り上がった目をにっこりと細めて立っていた
『! オクタヴィネルの…』
「ジェイドです。以外、お見知り置きを」
「も、もしかして今の話聞いて…」
「しっかりと」
「この馬鹿デュース!ジュース!馬鹿なデュース、略してバース!!」
「ば、バースってなんだ!スしか合ってないだろ、馬鹿エース!俺はまたお前が話を聞いてないと思って…」
「これは面白い、お二人共バースになりますね」
「「お前は黙ってろ!!!」」
『ちょ…2人とも今はそれどころじゃ…』
あぁ…こんな時まで2人はいつもの調子だし、よりによってオクタヴィネル寮のジェイド先輩に聞かれてしまうなんて余計に事態が悪化してしまったのでは
「酷いですねぇ…
こうして知ったのも何かの縁ですから、私で良ければ何かお手伝いして差し上げようかと思ったのですが」
『えっホントですか!』
「えぇ、勿論」
「な、なんだ!ほらな、聞かれて逆に良かっただろう!」
馬鹿デュース…
バース…逆に良いって何
『あ、あの!助けて頂けるというのはどうやって…』
「そうですね…まぁまだ何もされたわけではないようですから。
ここはひとまず様子見しましょう」
『よ、様子見!?』
「おい、それって助けてねーじゃん!本当に助ける気あるのかよ?」
「えぇ、勿論。
ですがまずは相手の出方を伺ってからが賢明かと。何を要求してくるかが分からないとこちらとしても事前に動きようがありません」
「そ、それもそうか…」
「コイツ、お前達よりずっと賢いんだゾ」
「光栄です」
「うるせー、グリム!」
『わ、分かりました…じゃあ何も要求されない事を祈って行ってきます』
結局、好転したのかどうかも分からない助け船に困惑しながらも
やはりジェイド先輩の言うとおり、まずは相手の出方を見なければどうにもならない
私は拭いきれない不安を抱えながらも、頑張れ!とエールを送ってくる皆を背にその場を後にしてサバナクロー寮に1人向かうのであった
クスッ
「何も要求されない?無理でしょうね…」