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『レオナは私が1日体験すること知ってるんですか』
面倒事は嫌いだと言ってたレオナは、きっと私の転寮なんて面倒臭い事させたくないんじゃないかな
「知ってますよ」
『レオナはなんて?』
「それは本人から聞いてください」
『…はぁ』
そう言ってレオナの自室に案内された
「よう、草食動物」
『こ、今日は』
ニッとレオナが笑って振り返る
先程のラギー先輩の言葉で妙に意識してしまいドキッとする
「サバナクローに転寮したいらしいな」
『あ、いや…ち』
"愚者の行進"
違います、と言いかけたところで何故か口を閉じて首を縦に振ってしまう
あれ、なんで私…
「…ラギー」
「……ちぇ」
『あっ…あれ?』
一瞬だけど身体が言うことを効かなかった気がした
気のせいかな…
「そういう事か」
『あ、あの…違うんです!私転寮なんて…』
「あぁ、だろうな。おかしいと思ったぜ…余計な事すんな、ラギー」
「はぁーぁ!転寮するには1日体験を経て、本人の希望と寮長の許可があればいいって学園長から聞いたんで、レオナさんさえ騙せればと思ったんスけど…」
「俺を騙せるとでも思ったか」
「ま、賭けッス」
レオナも私も騙して転寮させようとしてたの!?
ラギー先輩ってずる賢いというかなんというか…
「とりあえず今日は1日体験すんだろ、ちょっとこっち来て俺の髪結えよ」
『あ…はい、今日1日お世話になります』
「ばーか、お前が俺の世話すんだよ」
レオナの所へ小走りで寄ると、笑いながら髪をぐしゃっと乱された
や…やだ
ラギー先輩のせいで変に意識してしまう
顔赤くなってないかな
レオナが鏡台の前にある椅子に腰掛け、その横にもう1つ椅子を置いた
これに座って結えってことかな
『今日はどんな髪型にしますか、お客さん』
「暑いからアップにしてくれ」
『畏まりました~』
平常心平常心…
レオナの少し量のあるふわっと柔らかい髪を手で掬って上へ持ち上げる
鏡台に置いてあるヘアゴムを取って右手首にかけて、櫛で全体の髪の流れを整える
綺麗にまとまったら手首からゴムを取って中心を結ぶ
『痛くないですか?』
「ああ」
結んだ箇所にゴムを2重に巻き付けてまとまった髪を手で全体に軽く広げる
『どうですか?ポニーテールにしてみました!』
「へぇ…上手いじゃねぇか、誰にでも長所はあるんだな」
レオナは鏡を見ながら顔を左右に動かしてチェックしている
『失礼な!他にもいくつか私にだって長所くらいありますよ!!』
「フッ…なんだよ、言ってみろ」
(おーおー、オレの存在忘れてイチャついてくれちゃって…退散退散っと)
『え、えーと好き嫌いが無いことでしょ』
「食い意地張ってるだけじゃねぇのか」
『もう!ほんとああ言えばこう言うんだから!』
「くくくっ…そうだな、お前をからかうのは俺の楽しみだからな」
『……』
やっぱりからかわれてるだけだよ、ラギー先輩…
あ、あれ?
ラギー先輩どこ行った!?
「お前水浴びは好きか」
『水浴びってシャワーのことですか?』
「違ぇよ、水浴びってのは…ああ、そうかお前人間だったな
まぁプールみてぇなもんだ」
『プール!?サバナクロー寮にはプールがあるんですか?』
「今日は暑すぎるから俺は水浴びするが…お前も来るか?」
『わぁ!行きたい行きたい!!プール大好きっ!』
確かに最近段々と気温が上がってきて少し動くとじわっと汗が出てくる
それにサバナクロー寮は熱帯草原地帯の造りになってるからオンボロ寮と比べると尚更暑かった
まさかプールに入れるなんて思ってなかった!
楽しみ!!