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レオナ寮長に初キスを奪われたあれから数日ー
オンボロ寮に意外な人が訪ねてきた
ドンドンッー
『はーい、どなた…ラギー先輩!?』
「どうも〜!ちょっとお話したいんスけど、今時間良いッスか」
う…もしかして、うちの寮長に何してくれてんだって怒られるのかなぁ
『はい…庭のテーブルで良ければ』
「じゃあ先に行ってるんでお茶菓子宜しく頼むッスよ〜」
な、なんか軽いノリだな
別件なんだろうか
以前、相談の為とはいえジェイド先輩をオンボロ寮の談話室に招き入れた危機感の無さをジェイド先輩自身に怒られ今後は簡単に男を寮内にあげないようキツく言われていた
まぁラギー先輩は私のことこれっぽっちも興味ないとは思うけど…
調理道具などがあるわけではないので、売店で買ったクッキーと紅茶を入れてラギー先輩の前に出した
『どうぞ』
「お、頂くッス〜」
ラギー先輩は食べ物が出されてニコッと笑って紅茶も飲まずにバクバクとクッキーを貪り食べ出した
す、凄い勢いでクッキーが無くなっていく…!
『あのぅ…ご用件は』
「ああ、まぁぶっちゃけた話、レオナさんと何かあったか確認に来たッス」
ああ、やっぱり…
『それがその〜…引っ叩いちゃって』
「引っ叩いた!?レオナさんを!?
ヒュー♪中々やるッスね」
え、軽い…
もっと怒られるのかと思った
「何されたんスか」
そして鋭い!
「引っ叩いた理由があるんでしょ」
『無理矢理初キス奪われて…怒ったら俺の女になれとか言われて』
そこまで言うと、ラギー先輩はギャハハハ想像つく!と言いながら大笑いし出した
『わ、笑い事ですか…』
「へぇー、あの何にも関心を示さないレオナさんがキスした上に俺の女になれ…か」
ニヤニヤと笑いながら私の顔をジロジロと見てくる
「まぁそこまでは何の問題もないッス」
『はぁ!?私にとったら大問題なんですけど!!』
思わずダンッと握り拳でテーブルを叩くと、目を見開き驚きつつ慌てて訂正した
「あーすみません、ユウさんにとっては勿論そこが大事だと思うんスけど〜…
今レオナさんヤバくて」
その言葉にドキッとした
『や、やばいって…何が?』
「もう手が付けられないくらい荒んでるッス」
はぁ~っと溜息を吐きながらお手上げ状態だと両手を上げて見せた
「オレが居なかった間の出来事だからこれはオレの想像ッスけど、レオナさんとこの従者とすれ違ったんスよ。
つまりチェカくんがレオナさんに会いに抜け出して来た時にユウさんもレオナさんと会ったんでしょ?」
『はい、チェカくんが迷子になってて送り届けたんです。さっき話したのはその時の出来事です』
「やっぱり!で、その後レオナさんが怒る何かがあったと思うんスけどそこを教えて貰いたくて」
『えっと…、俺の女になる事の何が不服だとか上から目線で色々言われて腹立って…レオナ寮長と付き合うくらいならジェイド先輩と付き合うって言いました』
「あちゃー…」
ラギー先輩は頭に手を当てて項垂れた
『え…な、何ですか』
「ユウさーん、それは駄目ッスよ〜。他の男と比べるなんて誰でもプライド傷付くッス」
『う…』
そ、そうかもだけど…
こっちも傷付いたんですけど
「しかもレオナさんは小さい頃から兄と比べられて周りの人間から馬鹿にされて育ったんスよ…」
『え…』
「あの人が何でもやれば出来るのにやらないのは、努力しても誰も褒めてくれない認められない報われない環境で生きてきたせいなんス
…だから他人と比べられたりってのはレオナさんの場合人一倍耐えられない苦痛っつーか」
『そうだったんですか…』
努力しても認めて貰えないなんて…
それじゃあ何にもやる気出なくなるのも仕方ないかもしれない
「ユウさんも許せないとこあるのは分かってますけど、レオナさんと仲直りして貰えませんかねー?」
『ラギー先輩…レオナ寮長のこと心配なんですね』
「はぁ?なーに言ってんスか!!自分の為に決まってるでしょ!
レオナさんが不機嫌で当たり散らして手に負えないと1番被害受けんのはオレなんス!!
だからさっさと仲直りしてくんないとオレが困るんス!!!」
怒涛の勢いで半ばキレ気味
凄い正直っていうか…
ここまで来るともはや清々しい
『わ、分かりました…!
出来るか分からないけどお話してみます』
「出来るか分からないじゃなくてー、何がなんでも仲直りしてくれないと!
初めて会った時みたいに尖っちゃっててオレでさえ寄せ付けないんスから」
そんな怖い前置きばかりのハードル上げまくりで…
この人本当に仲直りさせたいの
私の不安を察知してラギー先輩が二カッと笑う
「大丈夫ッスよ、オレが陰ながら見てますから!」
『……』
…ほんとこの学園は信用ならない人のオンパレードだ