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がやがやと賑わう食堂で、いつものようにエースとデュースそしてグリムとたわいもない話をしながら昼食を済ませた午後
「次の授業は飛行術だったよな」
『そうだった!急がないとバルガス先生に朝練に付き合ってやるとかなんとか言われそう』
急ぎ足で食堂を出た時だった
ボスッー
と何かに顔が埋まった
顔を上げるとそこには、
鋭い目付きに、流れる綺麗なたてがみのような髪、開けた胸元のボタンから覗く筋肉…
サバナクロー寮の寮長、レオナ・キングスカラーが立っていた
「なんだ、お前…」
や…やばい
怖い人にぶつかってしまった
「あっこの人、入学式に寮長達が追いかけ回す騒動起こした人じゃないっすか」
大柄のレオナの後ろからひょこっと顔を出したのは、同じくサバナクロー寮の副寮長であるラギー・ブッチだ
「あぁ、そんな奴居たな…」
嫌な覚え方されてる…
とにかく、ここは謝って早く飛行術の授業に向かわないと遅刻なんてしたら先生にどんな無茶振りされるかわからない
『あの、すみませんでした!急いでて前をよく見ていなかったもので…それじゃ!』
急いで踵を返して走り出そうとしたが、
「おっと、待てよ」
レオナ寮長の腕が簡単に私を捕らえ勢いに思わず毛躓きそうになる
と同時に
ふにゃーー
寮長の手が胸を鷲掴みした
「あ?」
『! は、離してください!』
「……」
レオナ寮長は目を一瞬見開いた後、すぐに訝しげに目を細めクンクンッ…と私の首元の匂いを嗅ぎ出した
「ええっ何してんすか」
「うわっ!コイツ変態なんだゾ!」
『き…』
きゃあ、と叫びそうになるのを何とか堪えた
『な、な、何するんですか!離してください!』
必死に腕から抜けようと抵抗するも、力強く全く敵わない
「へぇ…なるほどな」
匂いを嗅いで納得したと言わんばかりににやりと不敵な笑みを浮かべ私を見てくるレオナ寮長に、背中に寒気が走る
も、もしかして…
「あの〜すんません、俺達早く授業に行きたいんですけど~…?」
エースが遠回しに早く離してくれと訴えてくれ、ようやく強い腕から解放された
「あぁ、いいぜ。おい、お前。名前は?」
『ユウです…』
「ユウ、今夜俺のとこに来い。意味…分かるよな?」
まるで新しいオモチャを見つけたかのように楽しげに微笑む寮長に恐怖と不安を感じながらも、黙って頷くことしか出来なかった
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