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空を飛ぶ翼

「うん、いいよ」

そう即答した目の前の少年は、表情ひとつ変えない。
まるでミカみてえだ。

「オルガ?!」

ビスケットが驚いた声を上げる。

「戦闘経験あり、んで他に行く宛もなさそうだ。こうきたら、うちで引き取るしかねえだろ?」

「それは、そうなんだけどさぁ…」

こればっかりはビスケットも反対するにできないみてえだな。


「ミカ、お前はどうだ?」

後ろで火星ヤシを食べるミカに聞く。
答えは聞くまでもなく、

「オルガがそう決めたなら。」

さすがミカだ。

「そう来たら、コイツの世話はミカに任せる!」

間髪入れずにそういえば、ミカは眉根を寄せる。

「なんで俺が」

「お前とそう身長も変わんねえし、話しやすいだろうからだな!」

やらないといけないの。
そう続くであろう言葉を遮って、少し大きい声で説得する。
そうすれば、ミカは嫌そうだがちゃんと了承の声を上げた。


ビービービービー!!!!!


突然の警報。

「またギャラルホルンか?!」

すぐに放送が流れる。
それは前の襲撃でミカが殺し損ねた敵の1人が、ミカへ決闘を申し込むという内容だった。

_____________________

「いいか?システムのサポートがあるから前ほどじゃねえと思うが無茶はすんなよ。」

なんとなく、このミカさんの後についてきた。
目の前には大きな人。
優しそうな人だ、この人。
お父さんみたいな人。

その人以外にも、ここにはたくさんの人がいた。ざわざわしてて、少し落ち着く。

猫さんもそこにはいて、金色の髪の赤い服を着た綺麗な人が隣に立っている。

そして、ミカさんが乗り込もうとしてるのはバルバトス。
こんなところにいたんだね。

「ねえ、いっしょに乗ろう」

私も遊びたい、バルバトスと。

「やだよ、邪魔だし。」

「邪魔しないよ。見てるだけ。ねえねえ。」

「オルガ、」


「乗るのはダメだ、イブリース。」

猫さんは少し怒ってるみたい。
なんで。

「一緒に乗った方が殺せるよ?」

そう答えたら、隣に立ってた綺麗な人がすごく驚いた顔をした。
なんで、そんな顔をするんだろう。
ここにいる人はよくわからない。

わからないことだらけ、わからない。
頭がふわふわする。
バルバトスを見たせいかな。
イブリースにあいたいな。

イブリース。

そこで私の意識は深い深い真っ暗な闇に吸い込まれた。
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