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空を飛ぶ翼

…__………__。

なにかきこえる。
とおくから、なにか。
とてもおおきいおと。

ああ、これは。

轟音。轟音。戦争の音。戦闘の匂いがする。

「そとで、なにか、」
あったのかな。

そう呟こうとして咳き込む。
ちょっと、つばが飛んだ。

ああ、長く声を出してなかったせいかなと思った。
いつもあの眠くなる薬をもってくる人がこない。
久しぶりに起きたきがする。
いまはいつなんだろう。

ぐぎゅう、

お腹から変なおと。
最後にご飯を食べたのはいつだったか。

「おなか、すいた」

今度はちゃんと声出た。
けど、喉はちょっと痛い。

寒い、なぁ。
ここは、寒い。

___………_____…。

また、聞こえる。
空間が揺れる。
空気が振動する。



ドォン!

扉が揺れた。

あのひと、かな。
外の、扉の前から無機質な機械音がする。

ピッピッピッピッ…ビーーー。

ぱすわーど、わからないのかな。
あの人じゃ、ないのかな。
薬の人、どうしたんだろう。


「ササイ!!」

「へぇい?!」

「あのメス猫の様子を見てこい!」


ドタドタと走って出ていった。
メス猫、猫飼い始めたのかな、いいな。


でも、そんなことより、

声が聞こえた。
あの人じゃない。
けど、同じ人だ。
私を買った人だ。買ってくれた人だ。
早く、開けてくれないかな、出してくれるのかな。


ピッピッピッピッビーーー。


「クソッ!もうダメだな」

ガチャガチャ、ドンドン

そんな音がしたと思ったらドアが閉まるような音がして、静かになった。

あれ、出してくれないの。
急いでたのかな、出して欲しかったなぁ。

ここは寒いよ。
寒くて、寒くて、寂しい。





イブリース、お前に会いたい。お前と飛びたい。
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