運命論者の悲み
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私はいっちゃんの入っていった部屋を覗いている。
いっちゃんは電話の置いてあるローテーブルの前にある一人がけソファに座っている。
こんなところで何してるんだろう。
そう思っていると、いっちゃんの前の電話が鳴りだした。
「はい。どなたですか?」
いっちゃんが受話器を取って話し始める。
「人虎、、、」
えっ、人虎君から!?
彼の声は聞こえないが、
いっちゃんが零した言葉で相手は人虎君だとわかった。
「先日はお仲間に助けられたようですが、
次はそうは行きませんよ。
それでご要件は?」
ちゃんと忠告してあげるところが、
いっちゃんらしい。
彼女はとても優しいから。
「なるほど」
いっちゃんは笑った。
何を言われたのだろうか。
「だから、探偵社には手を出すな、と?」
いっちゃんはそう続けた。
でもすぐに電話は切れたようだった。
無機質な音が部屋に響く。
いっちゃんは受話器を置いた。
表情が見えないが、雰囲気は穏やかではない。
そして立ち上がり、叫んだ。
「黒蜥蜴を呼べ!」
私はすぐに部屋の前から離れる。
入れ違いで黒服たちがやってきた。
黒蜥蜴に探偵社を襲わせる作戦か。
おもしろくなってきた。
私は自分が笑っていることに気がついた。
「ねえねえ、どうなったのかな!」
「うるせぇな。ちょっとは落ち着け!」
いっちゃんの話を勝手に聞いて、
私は一人盛りあがっていた。
いっちゃんの指示はきっと龍君のためだろう。
あれ、そういえば龍君はどこに行ったのだろう。
私が盛りあがっているのを見て
中也君は呆れている。
「探偵社に乗り込むなんておもしろいじゃない」
「わかんねぇな。
なんてったってゴキブリみてぇな奴がいるからな」
「ひどい」
ゴキブリって、、、。
「今頃心中してくれる美女探しでもしてるんじゃない?」
「ふん、一人で死ねばいいものを」
私はふふふと笑った。
黒蜥蜴とて弱くはない。
ポートマフィアの武闘派である。
さて、どうしたものか。
「えっ、大丈夫ですか?」
私は待ちきれず、ロビーで黒蜥蜴の帰りを待っていた。
「はい、少々手こずってしまいました」
帰ってきたのはいつもの堂々としている彼らではなく、
ボロボロの彼らだった。
黒服たちもサングラスが割れている人や、
スーツが擦り切れている人がいる。
その姿を見て、また負けたのだとわかった。
「葉月さん、申し訳ありません」
広津さんが深々と頭を下げた。
私が指示したわけではないから、
謝る必要はない。
「いえ、謝らないでください」
「しかしっ」
悔しいのだろうか、
立原君は唇を噛み締めている。
「まあまあいいじゃないですか。
生きているんだから、ね?」
私は諭すように言った。
すると、皆驚いたようにぽかんとしている。
「どうしたの?」
「いえ、そのようなことを言ってくださるのは
葉月さんくらいですから」
広津さんは複雑な表情をしている。
喜ばれているのか、不満なのかわからないが
私は思ったことを言ったのだから。
あっ、思ったこと言っちゃった。
でも、まあいいか。
「じゃあ、今日はちゃんと休んでね」
そう彼らに告げ、私は部屋に戻る。
「負けちゃったー」
「そうか」
中也君に事の顛末を報告すると、
興味無さそうに返事された。
「やっぱり強いのかな探偵社」
「だからって手前が行くことはねぇんだから」
「うん、わかってる」
また釘を刺された。
大丈夫。
少なくとも皆生きているうちは。
でも、もし誰かが殺されたとすれば、
私が出ていくハメになるかもしれない。
いっちゃんは電話の置いてあるローテーブルの前にある一人がけソファに座っている。
こんなところで何してるんだろう。
そう思っていると、いっちゃんの前の電話が鳴りだした。
「はい。どなたですか?」
いっちゃんが受話器を取って話し始める。
「人虎、、、」
えっ、人虎君から!?
彼の声は聞こえないが、
いっちゃんが零した言葉で相手は人虎君だとわかった。
「先日はお仲間に助けられたようですが、
次はそうは行きませんよ。
それでご要件は?」
ちゃんと忠告してあげるところが、
いっちゃんらしい。
彼女はとても優しいから。
「なるほど」
いっちゃんは笑った。
何を言われたのだろうか。
「だから、探偵社には手を出すな、と?」
いっちゃんはそう続けた。
でもすぐに電話は切れたようだった。
無機質な音が部屋に響く。
いっちゃんは受話器を置いた。
表情が見えないが、雰囲気は穏やかではない。
そして立ち上がり、叫んだ。
「黒蜥蜴を呼べ!」
私はすぐに部屋の前から離れる。
入れ違いで黒服たちがやってきた。
黒蜥蜴に探偵社を襲わせる作戦か。
おもしろくなってきた。
私は自分が笑っていることに気がついた。
「ねえねえ、どうなったのかな!」
「うるせぇな。ちょっとは落ち着け!」
いっちゃんの話を勝手に聞いて、
私は一人盛りあがっていた。
いっちゃんの指示はきっと龍君のためだろう。
あれ、そういえば龍君はどこに行ったのだろう。
私が盛りあがっているのを見て
中也君は呆れている。
「探偵社に乗り込むなんておもしろいじゃない」
「わかんねぇな。
なんてったってゴキブリみてぇな奴がいるからな」
「ひどい」
ゴキブリって、、、。
「今頃心中してくれる美女探しでもしてるんじゃない?」
「ふん、一人で死ねばいいものを」
私はふふふと笑った。
黒蜥蜴とて弱くはない。
ポートマフィアの武闘派である。
さて、どうしたものか。
「えっ、大丈夫ですか?」
私は待ちきれず、ロビーで黒蜥蜴の帰りを待っていた。
「はい、少々手こずってしまいました」
帰ってきたのはいつもの堂々としている彼らではなく、
ボロボロの彼らだった。
黒服たちもサングラスが割れている人や、
スーツが擦り切れている人がいる。
その姿を見て、また負けたのだとわかった。
「葉月さん、申し訳ありません」
広津さんが深々と頭を下げた。
私が指示したわけではないから、
謝る必要はない。
「いえ、謝らないでください」
「しかしっ」
悔しいのだろうか、
立原君は唇を噛み締めている。
「まあまあいいじゃないですか。
生きているんだから、ね?」
私は諭すように言った。
すると、皆驚いたようにぽかんとしている。
「どうしたの?」
「いえ、そのようなことを言ってくださるのは
葉月さんくらいですから」
広津さんは複雑な表情をしている。
喜ばれているのか、不満なのかわからないが
私は思ったことを言ったのだから。
あっ、思ったこと言っちゃった。
でも、まあいいか。
「じゃあ、今日はちゃんと休んでね」
そう彼らに告げ、私は部屋に戻る。
「負けちゃったー」
「そうか」
中也君に事の顛末を報告すると、
興味無さそうに返事された。
「やっぱり強いのかな探偵社」
「だからって手前が行くことはねぇんだから」
「うん、わかってる」
また釘を刺された。
大丈夫。
少なくとも皆生きているうちは。
でも、もし誰かが殺されたとすれば、
私が出ていくハメになるかもしれない。